発生すれば鳥取県内で最大約三千人が死亡すると想定される新型インフルエンザ対策として、県は患者に初期対応する「発熱外来」を順次確保し、調達が困難になると予想されるマスクや手袋など感染防護具の事前準備に着手する。十六日に開会した九月県議会で補正予算案に事業費約千六百万円を盛り込んだ。
県は新型インフルエンザの流行時の県内受診患者数を七万千五百−十一万九千二百人、入院患者数を三千二百三十−一万二千二百人と想定。感染症指定医療機関の三病院(県立中央・厚生病院、済生会境港総合病院)の対応能力を超えるとみている。
このため、県は診察を発熱症状によって振り分ける「発熱外来」の設置を初期対応に組み入れており、設置に協力する医療機関の確保に向けて調整中。本年度中に十病院の確保を目指している。
感染防護具は「発熱外来」を設ける医療機関に配備。十病院向けに医療スタッフ用の▽ガウン▽帽子▽空気感染を防止できるマスク▽顔面マスク(各九千六百個)−とプラスチック手袋十六万組、患者用の飛沫(ひまつ)感染防止マスク二万個を準備する。
県医療政策課は「いったん流行すれば、世界中で防護具に対する需要が急激に高まるだろう。今から徐々に準備しておきたい」と話している。