腰痛・膝痛用の薬といえば、湿布や塗り薬というイメージがある。ところが、最近は錠剤など、“飲む関節痛薬”の売り上げが伸びているというのだ。飲み薬が関節痛にどう効くのか、そしてなぜ売り上げが伸びているのか。

体調を整える薬が伸びている

 OTC医薬品(市販用医薬品)の市場調査を行っているインテージによれば、最近、OTC医薬品の売れ筋が変わっているらしい。以前は主役だったドリンク剤や胃腸薬に代わり、漢方薬、整腸薬、滋養強壮剤の売り上げが大きく伸びているというのだ。2003年度と2007年度の売り上げを比較すると、漢方薬66.8%、整腸薬34.1%、滋養強壮剤16.5%の伸びというから、確かにめざましい伸び方だ。

 漢方薬の伸びを支えているのは、“脂肪を落とす”と話題になった「防風通聖散(ボウフウツウショウサン)」や婦人科系の薬。整腸薬は、腹の調子を整える薬で、いずれも身体の調子を整える薬が売れているようだ。これまでのような、飲み過ぎたら胃薬、風邪を引いたら風邪薬といった直接的な利用よりも、普段から何となく調子が悪いのを薬でなんとかしようという傾向に変わってきているらしい。それだけ健康に関心が高い人が増えているということだろう。

 また、高齢人口の増加やストレスの多い現代社会で、医者に行くほどではないが体調がすぐれない「未病」の人が増えているということもある。総務省統計局の発表によれば、65歳以上の推計人口は2819万人で、総人口の22.1%(2008年9月15日現在)。高齢者の割合が増えているのだから、何となく体調が悪い人が増えても不思議はない。運動不足で体重増加気味の生活も、影響がありそうだ。