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CEDEC2008現地レポート

KONAMI、スクエニ、セガ、バンナム、コーエーの大手5社がゲーム開発現場の未来を再び討議
「5年後のゲーム開発現場を考える〜ゲーム会社技術開発の現場から2〜」

9月9日〜9月11日開催

会場:昭和女子大学



 CEDEC2008は、関係者の間では“吉岡CEDEC”と呼ばれていた。今回、CEDECアドバイザリーボード委員長として、CEDECの開催のために尽力したスクウェア・エニックス 研究開発部チームテクノロジストの吉岡直人氏の影響が大きかったことを風刺した表現だ。

会場から沸き起こった大きな拍手に笑顔で答える吉岡直人氏(スクウェア・エニックス 研究開発部 チーフ・テクノロジスト)
昨年同様講演者は座った状態でディスカッションが行なわれたため、参加者は誰がしゃべっているかほとんど見えないという事態に
植原氏がさくっと自作したというリアルタイムコメントシステム。自己紹介中は突っ込み禁止にするなど、その仕切りっぷりが笑いを誘っていた
 事実、今年は吉岡氏の土俵であるプログラミングセッションが圧倒的に盛況だった。今年3日間で100あまりのセッションが開催されたが、そのうちプログラミングは23を数える。ゲームデザインが5、モバイルが3、ネットワークが3といった状況と比較するといかに突出して多かったかがわかる。

 今年のプログラマ系のセッションのハイライトはなんといってもEpic Games CEO Tim Sweeneyの「未来のゲーム開発テクノロジー(Future Game Development Technologies)」だが、その一方で、もっとも“吉岡CEDEC”らしいセッションと言えたのが「5年後のゲーム開発現場を考える〜ゲーム会社技術開発の現場から2〜」である。

 “2”とあることから察しがつくように、CEDEC2007からの続編であり、昨年から引き続いてコナミデジタルエンタテインメント プロジェクトソリューションセンター R&D推進グループ統括マネージャの植原一充氏が座長を務め、KONAMI、スクエニ、セガ、バンダイナムコゲームスに、新たにコーエーを加え、5社5名の形で、パネルディスカッションが行なわれた。

 昨年のパネルディスカッションでは、メーカーごとの技術部の枠組み、そして取り組みの説明に大半が割かれてしまい、ディスカッションの時間がほとんどとれなかったのが残念だったが、今回は自己紹介以外はすべてディスカッションに時間が割かれ、実にさまざまな意見が出され、非常に有益だったと思われる。

 ユニークな試みとしては、Q&Aの時間は用意しない代わりに、無線LANを使ったコメントシステムを導入。客席から自由に、プロジェクタに「ニコニコ動画」のようなコメントがつけられるというシステムで、どちらかというとネタに走るケースが多かったように思われたが、時には有効な意見も出され、場合によっては反論も出るなど、スピーカーの言いっぱなしに終わらないという点で画期的なセッションとなった。

 内容的にはきわめて専門性が高く、綺麗な結論も出ていないが、ゲームメーカーで技術を司る責任者たちがいま何を考えているのかがよくわかる好資料として、あえてそのままの形で掲載してみたい。現役プログラマの方々はもちろんだが、プログラマを目指す方はぜひ一読していただきたい。なお、講演者は以下のとおり。

    ・植原一充氏(コナミデジタルエンタテインメント プロジェクトソリューションセンター R&D推進グループ統括マネージャ)
    ・津田順平氏(コーエー 技術支援部 シニアエキスパート)
    ・吉岡直人氏(スクウェア・エニックス 研究開発部 チーフ・テクノロジスト)
    ・安藤隆氏(セガ CS R&D推進部 グラフィックスサポートセクション セクションマネージャ)
    ・大森靖氏(バンダイナムコゲームス コンテンツ制作本部 第2制作ディビジョン ディビジョンマネージャ)


■ あり続ける? なくなってしまう? 「ゲームプラットフォームはどうなる?」

左から順にコナミ植原一充氏、コーエー津田順平氏
左から順にセガ安藤隆氏、バンナム大森氏、スクエニ吉岡氏
・ゲームプラットフォームはどうなる?

コナミ植原一充氏: いきなり核心を突きたいと思います。「ゲームプラットフォームは今後5年間でどうなるか?」。どうなりますかねえ、吉岡さん?(笑)

スクエニ吉岡直人氏: わかりません(笑)。まあ、高性能化は避けられないという判断が合理的だと思います。おもしろいゲームを作るために飛び抜けたハードが生まれてくる可能性はあると思うんですけど、それに向けた投資というのは非合理だと思っています。ただ、プロセッサーのパワーはゲーム以外の分野でどんどん進化していきます。たとえばメディカルやファイナンシャルで必要になっている。これはもう間違いない。とすれば、それに対応する半導体は出るはずですし、それがダウンサイジングされてゲーム機に搭載される可能性はあるということですね。

セガ安藤隆氏: 5年後というと、もうどう考えても1080pが基本になっていると思います。1080pでゲームを作らなければならないというプレッシャーがくると思います。データ量も膨大になりますし、そこをどう処理するのかなというところですよね。CPUはマルチコア、いやメニイコアですよね。4個か8個か、それはわかりませんけども。GPUは、GPGPUという流れになりつつありますけど、CPUとGPUをどうリンクさせるのか。

 あとは携帯ゲーム機がどうなるのかなというのは気になっています。Mさんもそろそろ出すのかとか(笑)。それからどうやって儲けるのかなというところです。もう板売り(ディスクでの販売)はなくなって全部ダウンロードになるんでしょうね。携帯ゲーム機の場合は、電話会社やキャリアと結びついて、もういつでもどこでも繋がって、ユーザーが何かするたびにチャリンチャリンとお金を取るという形にしないと儲かりませんから、小口の決済システムを整備しないと駄目かなと思っています。

バンナム大森靖氏: ユーザー視点で考えると、(新ハードが)出ないと考えるのは不自然ですよね。世界でこれだけゲームが売れてて、5年後もXbox 360のままで出ないというのはどう考えてもおかしい。ただ、それが全然次元の違うものになるかというとそうではないと思います。出るか出ないかでいうと、出ない方がおかしいと思います。

コーエー津田順平氏: 大森さんの意見に賛成です。結局、ゲームもなんらかのアーティスティックな表現をやっているので、何か表現するときに枠がないと表現しようがないですよね。アーティスティックなものは、形式を与えられて初めて表現できるものだと思います。その意味では、枠という意味でのプラットフォームを供給してくれないと、ゲームそのものの表現が成立しないでしょうということで、おそらく何らかの形で定期的に出るのだろうなと思います。

コナミ植原氏: 今後も高性能機は出るでしょうし、携帯ゲーム機も高性能化していくんでしょうけど、今は携帯ゲーム機のほうが伸びている状況じゃないですか、これは日本だけじゃなくてアメリカもヨーロッパも市場の半分ぐらいはDSが食っているのは間違いない。最近の違和感は、そうした状況と、技術を追い求める人とのズレです。そのあたりどのように感じていますか?

スクエニ吉岡氏: ゲーム産業の全体のパイは、現在も急激に拡大しております。となると、当然供給側の多様化というものも要求されていきます。確かに局所的に見ると違和感というものは出てくると思いますが、役割分担なのかなと思っています。

バンナム大森氏: 先ほど「MGS4」を拝見させていただいて、それから弊社の「ソウルキャリバー」を見ましたが、やっぱりあれを一度見てしまうと、携帯ゲーム機と同列にしてほしくないなと思います。ユーザーもさすがにそこは感じ取ってくれてると楽観的にとらえています。

コナミ植原氏: ちなみにCPUですけどマルチコアの方向はほぼ確定なのでしょうか? それともシングルコアの性能が上がっていくのか。そのあたりどう思われますか?

コーエー津田氏: なんだかんだいってゲームぐらい計算資源を消費するものはないですから、先ほどメディカル、ファイナンス、そしてエンタテインメントとありましたが、そういった形にフォーカスされて高性能化が続いていくのは間違いないと思います。性能の拡大に関して、GPGPU的なアプローチがずっとフォーカスされていますが、CPU側からのソリューションも出てきたので、お互いに影響し合いながら発展していくんでしょうね。


■ 「次の技術トレンドは?」、「デザインデータの開発手法は?」

2年連続で座長を務めたコナミ植原氏。耳障りの良い関西弁と高笑いで、パネルディスカッションの雰囲気を支配しているといっても過言ではない
リアルタイムコメントシステムは植原氏自作のもの。セッションが進むにつれてコメントが増えていった
・次の技術トレンドは?

コナミ植原氏: ここ数年のトレンドは、ちょっと前までは物理とかグラフィックス系でいろいろありましたが、どこもそれっぽいものは何となくできてきたんじゃないかと思っています。今後、もうめざましく変わるようなことはないんじゃないかなと思ったりもしていますが、物理とかグラフィックス以外で、新しいネタは何かありますか?

コーエー津田氏: ゲーム開発は2つの側面があると思います。ひとつは先ほど申し上げたようにとにかく計算資源を消費するという側面。もうひとつはやたら試行錯誤が多い。他の業界のソフトウェア開発と比較して、やり直しが多い。結局、どんなに仕様を切って作ったとしてもおもしろくなければやり直しになる。もうそろそろ先の見えない開発に対して計算パワーとか、試行錯誤を支援するような、ゲームを作りやすくするところを考えないといけないんじゃないかなと。ひとつは生産性を上げることですが、その答えとしては今年のCEDECでも話題になっているプロシージャル。なんとかしてデータを自動生成したい。計算パワーというものを、作りやすさの方向に技術進化していってほしいなというのが現場の感じているところじゃないかなと思います。

セガ安藤氏: 5年後ですから、会社が「すんごいゲーム作ってくれ」とそういう話になると思います。そういう時に考えなければいけないのは、やはり自動生成系の話になってくると思います。もう全部作ってられないと思いますから。(聴講者からの「匂い」というコメントに対して)においはさすがに5年後は難しいと思います(笑)。

バンナム大森氏: デバッグが大変だろうということですね。短期的に技術トレンドを見るなら、GDCやCEDECを見れば一目瞭然ですがプロシージャルですよね。最初は僕も狭い意味で見ていたんですが、実は違うんだと。たとえばAIにしても自ら思考していくとか。で、このプロシージャルが入ってくると、デバッグどうするんだろうというところがあって、プロシージャルを全面的にゲームに導入するんだったら、いい折り合いを考えなければいけないかなと思っています。

スクエニ吉岡氏: 皆さんがおっしゃられていることはよくわかります。プロシージャルを導入した場合のテストをどうするかに関しては、これまでのようにテスターを何十人導入するみたいなやりかたは通用しないでしょうと。(「デバッグを客にやらせる」というコメントに対して)お客様に対してなんてことを(笑)。ただ、プロシージャルでコンテンツを作るためのツールというものを私は知りません。ここが実用化のためにはまだ工夫が必要なところで、ものすごくできる方がプロシージャルでいろんな成果を出されている状況と、商売としてやることはまた違うと思います。

 5年後というスパンは一番予測が難しくて、10年後だと割と簡単かなと思います。SIGGRAPH(シーグラフ、Special Interest Group on Computer Graphics)なんかを見ていると、去年はデータを作らずに持ってくればいいじゃんという考え方が出てきて、データドリブンという言い方をしてました。それで、今年はデータドリブン対シミュレーションドリブンという構図になっていて、おもしろいなと思いました。データドリブンの中には自分で作ったデータも含まれますし、ネットから引っ張ってきたものもある。シミュレーションドリブンは、シミュレータで計算が正確になればなるほどデータが正確になるというものです。夢みたいな話をすれば、コンピュータの中に人間を作るという話です。5年後にはそういった技術がちょっとずつ使われてくるんじゃないかと思いますね。

 あとは実験的に使われてくるのではないかというのが、並列プログラミングに関する、いま最先端のもの。たとえばトランザクショナルメモリとかを使う奴が出てくるんじゃないか。

・デザインデータの開発手法は?

コナミ植原氏: 技術トレンドについてお話しいただきましたが、プロシージャルの話が出てきましたけど、それに絡めて次にデザインデータの開発はどう変わっていくのか議論できればと思います。とりあえず、これまで我々は、DCCツールに関してはMaya、3ds Max、XSIという三大巨頭でやっていきましたけど、デザインデータをどう効率よく作っていくのかは今後のテーマだと思います。じゃまずは吉岡さんいかがでしょう?

スクエニ吉岡氏: すいません、僕にはMayaもMaxもCADにしか見えないという技術屋風情ですので、正直よくわからないです。あるひとつのデータセットを扱うためのUIだなと。何が言いたいかというと、UIというものを、作るデータと切り離せないかなということをずっと考えています。魔法のデータベースがぼよよんとあって、その中にプランナーさんや、デザイナーさん、果ては宣伝の方達が入ってわしゃわしゃ作り込んでいくようなツールはできないかなと。

セガ安藤氏: 今、Maya、Max、XSIとあるわけですけど、5年前からどう進化してきたかというと実は(本質的に)何も変わっていないんですよね。いろんな機能がついて便利になっていますけど、でもゲーム業界にとって何か便利になったかというと何も変わっていませんし、これは5年後も変わらないでしょう。ゲーム業界のためのツールを作ってくれる人がいないかということをずっと待ち続けているところですね。

 (コメントを見て)外注に出すという話ですが、確かに安くはできるんですけど、テイストというのかな、絵がどうも違うなあということで、こう変えてくれというやりとりばっかりしてて、結局時間がかかると言うことがよく起きている。日本国内で売るゲームを作るんだったら日本人が作らないと駄目かなと。

コナミ植原氏: プロシージャル、プロシージャルといっているのは、案外プログラマが、MayaやXSIに絶望しているところからきているんじゃないかちょっと思いました(笑)

コーエー津田氏: DCCツールは、安藤さんが仰るように本質的なところでは止まっちゃっているのかなと思います。最初からポリゴンモデルから始まって、Mayaを中心に曲面系の処理が付加されていく。一般にCGで使われている曲面理論というのは、ID系(工業系)から来ていて、だから曲面の三次の曲率まで一致させないと、空力特性も変わっちゃうとか、これはもうCGとは違うでしょうというところから生まれたのがサブディビジョンサーフェイスだろうと思います。そこでちょっと安定しちゃって、それに続く新しいモデリングのトレンドというのは今のところ出てきていないかなと思います。

 今後起こるとすれば、それはモーションだろうと。プロシージャルと一緒になってモーションの自動生成。それはまたCG以外の分野から技術を流入させていく形になっていくと思います。たとえば、ロボティックス、バイオメカニクスなど、モーションに関しては大きな地殻変動がありそうですね。


■ 次代のプログラムを担うのはHaskellかLLVMか? 「プログラム言語はどうなる?」

今回のセッションでもっとも盛り上がったプログラム言語の未来像。C++は辞めたいという意見は、管理者サイド、現場サイド共通のもののようだ
・「プログラム言語はどうなる?」

コナミ植原氏: いままでデザイン系の話をしてきましたが、プログラマの効率を上げるために、プログラム言語はどうなるのか、というところを議論したいと思います。個人的なことを言わせてもらうと、「もうそろそろ全部をCとC++で書くのを辞めようよ」という想いが強くあって、いろんな人に聞いても同意してくれる方が多い。じゃあ次に何が来るの? というところを皆さんがどう思っているのか聞いてみたいと思います。まず、この分野で一家言のある吉岡さんいかがですか?(笑)

スクエニ吉岡氏: Cは良い言語だと思います。大傑作だと思います。ただ、そうはいっても、C言語はどこまでいってもアセンブラですから、アセンブラとしての強みと弱みを両方持っています。メニイコアの時代になると、いろんなコア数に対応するスケーラビリティというのが凄く大事になってくると思います。じゃあそれに対応する言語は何か? そうすると、並列性を明示的に書く言語は大変だということになります。

 私が注目しているのは、これはTim Sweeneyさんから教わったことのパクリなんですけど、「関数系言語」が復活してくるであろうと思っています。そうなるとどうなるかっていうと、どれだけ条件分岐とループを減らすか。極端に言うと、ダイクストラ先生の構造化言語の大原則をまったく使わずに書ける言語はないか。逆に邪魔なのは何かというと代入が邪魔です。条件分岐、ループもいりません。この辺が全部ない言語。さっき(コメントに)出ていたHaskellがその中のひとつですね。そういう言語も研究対象にしたほうがいいでしょう。ただそれをシステム全体の中で、どのレイヤーでどういう目的で使うのかということは、かなり慎重に考えないといけないと思います。

コナミ植原氏: 私も関数型言語は、確かに「グラディウス」の時代から追いかけてはいたんですけど、Haskellをいきなり書けっていわれると、たぶんプログラマの9割は泣いて頭を下げて「すいません、何とか考え直してもらえませんか」って来るような気がします(笑)。いま注目しているのはLLVMとかJITとかの中間言語ですね。マルチコア用に中間言語レベルでコンパイルしちゃうという技術が出てこないかなと期待しています。もっと上のレイヤーではJavaスクリプトやLua(ルア)、Squirrel(スクワール)などがほぼ確定路線としてあるわけです。プログラマが書くスクリプト言語と、ゲームデザイナーが書くスクリプト言語は分かれていきそうな気もしているんですが、そのあたり津田さんはいかがですか。

コーエー津田氏: ちょっと別の話になりますが、「そろそろC++辞めない?」という意見もありながらも、それでも使わざるを得ないわけで(笑)、C++でやばいなと思うのはプログラマのスキルの違いをやたら増幅しちゃうんですよね。単純に構造体の中に関数を含める程度の使い方から、STLをガンガン使って書く人もいる。それぐらいの幅を許容する言語になってしまっている。各開発会社はコーディング規約レベルで一定の枠は作っているんでしょうけど、それでは手に負えないので、その上にフレームを作ってやらないとあまりにコードの質が増幅され過ぎちゃって問題かなと思いますね。

コナミ植原氏: だから、「C++いやだな」ということになっちゃうんですよね(笑)。誰が書いても綺麗になる言語にPythonなどがありますが、それはそれで一定の成功を収めていると思うんですが、ゲーム業界も誰が書いても同じコードになる言語で1回やらないと。いろんなコードを見ていますが、正直ひどいことになっていて、過去の資産をリセットしてしまってもいいんじゃないかなと思うぐらいひどいコードが多い。その辺は安藤さんいかがですか?

セガ安藤氏: ひどいコードでちょっと前に苦労した覚えがあります(笑)。今、学生さんが何かやろうとしたら、Web系のアプリケーション、スクリプト系の言語が多いんだと思いますが、そういう人たちがゲーム会社に入ってきて、Javaしか知らないとか結構多いんですよね。それで何かが起こってデバッグしようと思ってもちんぷんかんぷんで、ハードウェアのDLLと言われてもなんのこっちゃわからないと言う話になりがちなんですよね。

 スクリプト系以外の言語で無料でできるもので何があるかと考えたときに、MSさんが.netとC#でいろいろやっていますけど、今後あれを覚えてくる学生が増えてくるんじゃないのかなと思っています。そうなってくると一番手っ取り早いのは.net Frameworkを“S”と“N”(編中:SCEと任天堂)にも移植してくれないかなという話も出てくんじゃないかと思います(笑)。

バンナム大森氏: さっきから馬鹿のひとつ覚えで申し訳ないですけど、製品を作る側からするとデバッグが気になるんですね。企画の人にスクリプトを組んでもらう場合、得てして習得率の低い人にそれを任せたりすることが多いんですけど、正直にいって見たくないコードが上がってきて、デバッグ時に凄く大変なことになって、一から作り直した方が早いみたいなことになる。言語の自由度という話もありましたが、言語の習得の難度を下げたりすると、デバッグの問題が出てきますので、デバッグのしやすさを考えた上で言語の設計をしてもらいたいですね。

コナミ植原氏: この前の「MGS4」のセッションで紹介したスクリプト言語(GCL)は、実は私が作ったものなんです。あれの設計思想は、誰が書いてもバグらないということだったんです。プログラマは便利なんですが、動的型付けをやるとバグるんですよ。日本語対応にしてもそうです、敷居を下げるんです。スクリプターにこれで書いてくださいていって何が問題になるかというと英語がよくわかりませんって言われるんですよね。だから日本語で書けるんですよ、フラグも全部日本語で書けますよ、「何何したいフラグって書けばいいんだからね」って言うと、みんな使ってくれたりします(笑)。

 個人的には、さっきと言ってること反対なんですが、Lua(ルア)、Squirrel(スクワール)系で、静的型付けで、エラーチェックがちゃんとなってて、プリコンパイルの時にシンタックスチェックだけはしてくれるような言語があると一番いいんだけどなかなか無いよねっていうのが今の僕のイメージなんです。オープンソースとか立ち上がればおもしろいんですけどね(笑)。

【「MGS4」のスクリプト言語】
「MGS4」で使われていたKONAMI独自開発のスクリプト言語「GCL」は、実は植原氏が「MGS」のプログラマだった時代に自作したものだという。自身で語っているように、設計思想はプログラマ以外でもいじれるスクリプト言語。日本語で記述可能なところがおもしろい


■ シビアな意見が百出した「プログラムの開発手法は?」、「プログラマの質を上げるためには?」

・「プログラムの開発手法は?」

コナミ植原氏: これも最近クリティカルになりつつあるプログラムの開発手法についてですが、これまでは根性で作っていたという側面があります。この間、大学の先輩と話したときに、「30人とかプログラム集めて根性で作ってますよ」って話をしたら、「テスト駆動開発とかしてるー?」と聞かれて、「すいません、しません」と答えたら、「えー」って言われて、ソフトウェア業界とゲーム業界の一番の違いだなあと思ったんですよね。

 音とか画像とかやろうとすると難しいんですけど、システムですらやっていないでしょう? やってるメーカーってそんなに聞かないですよね。ここ数年で、ここ数年でプログラム業界でやってきたトレンドを、ゲーム業界はやっていないんじゃないかなあという危惧を持っているんですよね。これって僕だけですかね。いかがですか安藤さん?

セガ安藤氏: えー、たぶん5年後も根性だと思います(場内爆笑)。今の最大の問題は、開発手法というよりは、プロジェクト管理の方が大きなウェイトを占めているような気がしないでもないんですよね。プロジェクト管理をどうすべきかというのは私はわかりませんけども、(最大の問題は)作るものが決まる前から作っているというところかなと思います。

 昔、日立にいた頃は、ものすごい仕様書があって、仕様がキチッとしていてこの通りに作らないとダメということがキッチリ決まっていて、日程が出しやすかったですね。当時は、全部プログラムを紙に印刷して、印鑑があるんですよ、審査承認って(笑)。それが回るというとんでもない時代でしたが、それぐらいやったというのはありますよね。開発手法としては、根性ばかりではどうにもならないので、静的管理ツールや動的管理ツールを入れて、デバッグの時間を少しでも減らせればなと試行錯誤しているところです。

バンナム大森氏: まだデバッグの話に繋がるんですけど(笑)、やっぱりテストの問題は大きくて、正直言うとバンダイナムコゲームスって、今までその部分にあまり積極的ではなかったので、さすがにしっかりやらないといけないかなと思っています。いろんな手法が出始めてきていて、名前がつくと呪いがかかってなんかやらなくちゃいけないような感じになってくるんですが、なんでもそうなんですが、ことの本質を理解する前に導入してもダメかなと思います。

スクエニ吉岡氏: 今朝の稲船さんの基調講演と多少かぶるところがありますが、根性は高くつくということですね。人間が一番高い。2年前にはじめてコンテンツメーカーに入って、これはいっちゃってもかまわないと思いますが、腰を抜かしたことがあります。人件費の考え方を現場に教えてなかった。ありえないでしょと。

 アジャイルみたいな話やデバッグの手法など、そういうものがコスト削減に有用であるということを理解できない人たちに対して、有効にプレゼンテーションできているのかという問題に置き換えたほうが建設的だと思います。つまり、我々が解決できる問題であると。

・「プログラマの質を上げるためには?」

コナミ植原氏: ぶっちゃけですね、日本のゲーム業界の新人の質が下がっているのは間違いない。ひょっとしたら、今、ゲーム業界がほしがっている人材と、来る人材がマッチしてないところがあるのではないか。最近衝撃を受けたのが、僕らおっさんたちが大学時代の時は、情報は華型だったんです。1番か2番かぐらい偏差値が高くて、何倍という競争をくぐり抜けて来るような部門だったんですね。ところが現在は情報工って旧帝大でも定員割れを起こしているんですよね。理系学生が来ない。コンピューターを知らない。というのが今の状態になっている。その状態で、人を集めてモノを作らなくちゃいけないわけで、じゃあ質を上げるためにはどうすればいいのかというのは結構クリティカルな問題なのかなあと思っています。

 CESAのことを言っちゃいますけど、10社ぐらいに人材のアンケートを採っているんですが、採用者の最終学歴にゲームスクールが圧倒的に多い。大学生を採っている会社は上場会社、大手企業に限られる。ゲームスクールを否定する気はさらさらないんですけど、確率として大卒に比べてコンピュータを知らないで入ってくる例が多いですよね。問題としてそろそろ語られないとまずいと思っているのですが、津田さんはどう考えていますか。

コーエー津田氏: 新人が学ばないといけないことを考えるとぞっとすることがあります。本当に大変だと思います。私は昔からCGや3Dグラフィックスに関わってやってきたんですけど、私が10年かけて覚えたことを、今の新人は半年1年で圧縮して学ばないといけない状況になっている。もちろんそういうことは無理だから、表面的にはわかるんだけど、原理的には理解せずに、なんとなくシェーダーかけますよという風になっている。あまりにもゲーム技術が要求する技術のすそ野が広がりすぎているという危機感を感じています。

 これは社内教育をがんばるということもあるが、理科系の基礎学力の向上もなんか考えてほしいなと思いますね。シェーダーやるのに、球面調和関数を持ち出されても、あれはもともと量子力学の世界ですからね。ちょっとゲーム業界だけの教育体制では無理があるのかなというのが感じているところです。

セガ安藤氏: 確かに技術は難しくなっているんですが、難しければ勉強すればいいだけの話であって、どう勉強していいかわからないという話だと思いますが、それに対しては基本をキッチリ教えるしかないと思っています。球面調和関数とか言われても、僕もよくわかりません(笑)。でも、基礎がわかれば、こういうもんだろうという原理的な想像はつくと思います。

 新人教育はコードをしっかり見る、これしかないと僕は思っています。その上でしっかりレビューする。時間がないというのはあると思うが、私が別の業界にいたときは、全部プリントアウトして、紙をひろげて、上司と顔をつきあわせてチェックしました。それがいいかどうかはわかりませんけども、作った人間がコードを説明する、発表会をするぐらいじゃないとダメだと思います。新人のうちはレビューだけはきっちりやってほしいなと思います。

バンナム大森氏: 新人教育は一番重要なところだと思っています。実は今年、バンダイナムコゲームスは、新人教育をずいぶん見直しまして、私とプログラマ何人かでずいぶん戦って、新しいことを取り入れました。たとえばワンチップマイコンを半田付けさせる。これは笑い話じゃないですよ?(笑)。それからアセンブラだけでブートプロセスを書かせるとか無理矢理突っ込んだりしました。それが必ずしもいいかはわかりませんが、そういうこともやらないといけないと感じています。

 やることは凄くたくさんある。長い時間新人教育をやったんですけど、1本のゲームを作るのに2週間しか与えない。恐るべきことに、それでゲームを作ってくるんです。正直に言って、新人発表を見て、「負けたな」と思うぐらい中には伸びる奴もいました。根性論みたいな話になりますが、枠を作って努力させてあげるのは重要なんだなと。もちろん、落ちこぼれる人もいるので、そういう人に対するフォローも重要だと思いますが、できる人を伸ばすというのは確実にやらなければならないなと思いました。

 ここにいる人たちは紙を使ったデバッグだとか、凄く不便な環境を経験して、そのときに何かコンピュータサイエンスに関する肝のようなものを習得できちゃっているのではないかなと思っています。詩を読むようにプログラムを吟味するといったような密度を上げたコードレビューはやってみてもいいんじゃないかなと思います。

スクエニ吉岡氏: ハードウェアをやるというのは僕は賛成です。ヤスリがけでいいと思います。まっすぐヤスリがけをするのは大変なんです。何が言いたいかというと、若いウチに完璧な仕事をする経験を積むチャンスをぜひ作っていただきたいなと。

 あともうひとつ付け足しておきたいのは、人材教育に関して、アメリカ人の言うことは決して信用するなと言いたいです。たとえば、母国語で大学教育が受けられる国は3つしかないと言われていて、アメリカ、イギリス、日本だそうです。たいていの国は、英語で授業が行なわれている。これは英語の人口がそれだけ多いということです。ということは人材の使い捨てができるんです。次から次にリクルートすればいい。ところが日本ではそういうことはできないんです。ひとりひとりのレベルを上げていくしかない。そこにどう手を打つか。現役の人は、無駄と思わずに、何でもかんでもとにかく食っていただきたい。若い人に関しては甘やかさないでいただきたい。若い人を甘やかすのは本当に残酷なことだと思います。


植原氏の結論は「みんながんばろう」という予定調和的なものだったが、ディスカッションの過程で出された意見は貴重なものが多かった
コナミ植原氏: 最後に一言ずつ。ゲーム開発現場の未来に向けて、何が必要かについてお願いします。

スクエニ吉岡氏: ゲーム作りは特別な仕事だと言われますが、本当のことだと思います。世の中に特別でない仕事なんてひとつもないと思います。

バンナム大森氏: 私はプログラマなんで、プログラマに向けてコメントしたいと思います。ちょっと前に、レベルエディタが増えたときに、プログラマが必要なくなるなんてことが言われたんですけど、現状見ていただければわかるように、むしろ足りないぐらいです。プログラマは絶対必要なんだと。我々が作っているものは何かというと、テクノロジーをベースにした遊びだと思います。テクノロジーが使われる限り、プログラマというのは絶対に必要だと思うんです。ゲームの一番おもしろいところは、おもしろい技術があれば、それを放り込んで製品にできるところです。ぜひ技術を獲得することをあきらめずに、やりつづけてほしいと思います。

セガ安藤氏: 今後5年間、新しい技術がどんどん出てくると思います。それにめげずに、日々勉強は怠らずにしてほしいなと思います。

コーエー津田氏: これだけマシンの性能が上がると、おそらくゲームに使える技術も、幅広い技術が適応可能かなと思います。ですので、外部からのいろいろな技術を吸収すると同時に、それ以外のところで、誰も気がつかないところで使える技術があるんじゃないかなと、もうひとつ高い視点で技術のフィールドを眺めるような感じで、技術開発に取り組んでいただきたいなと思います。

コナミ植原氏: というわけで、ゲーム開発現場の未来は「みんながんばろう!」ということで(場内爆笑)、このコメントシステムもPHPとかWebで勉強すれば2日で作れますよ、皆さんだったら。こういうものを使ってコミュニケーションをとれたら楽しいかなと思って作ったものですが、ぜひ皆さんもこういうことをやってもらった上で、自分たちを高めていただいて、それを下の子にも教えてあげて、下の子も高めてあげてほしいなと。そうしないと日本のゲーム業界はどうなるかわからないよ、というところを今回の結論にしたいと思います。皆さんどうもありがとうございました。

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□「CEDEC 2008」の公式ページ
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□関連情報
【9月9日】CESA、「CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2008」を開催
10周年の節目を迎えたCEDEC、松原CESA副会長が今後10年を語る
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080909/cedec_01.htm

(2008年9月16日)

[Reported by 中村聖司]



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