記事入力 : 2008/09/17 11:42:15
【コラム】日本政府の子育て(下)
また、1カ月前に杉並保健所がわが家に郵送してきた「出生通知表」も送り返した。通知表が受け付けられると、保健師と助産師が定期的に家を訪問し、子供の成長や健康をチェック、相談にも応じてくれる。昔、しゅうとめや実家の母親がしてくれた「おばあちゃん」の役割を、核家族化した今では代わりに政府がサービスとして支援してくれるというのだ。
こうした一連の経験は、子供を出産した一般の日本人とまったく同じものだった。外国人だから余計にサービスがいいとか、サービスが少ないとかいうことはなかった。だから、東京に住む韓国企業の社員や公務員、留学生たちは「うちの家族で、日本でお金を稼いでくれるのは子供たち」と話す。韓国からお金を持ち出し、使ってしまう大人たちとは違い、子供たちは日本で「生活に困らないだけの分を稼いでくれる」という笑い話だが、その言葉の中には日本の育児支援システムに対する「うらやましさ」も込められている。
経済力が違う日本と韓国を比べるのは無理があるだろう。しかし、政府の家計である財政状況を見ると、はるかに余裕がないのは1038兆円(2007年末現在)の借金を抱える日本政府の方かもしれない。だが、「高齢者福祉を減らせ」という声はあっても、「育児支援を減らせ」という世論はない。「金をばらまいたところで子供をたくさん産むようになるのか」という反対意見もない。「少子化は国の存亡の問題」との強い共感があるためではないかと思う。韓国は日本よりもさらに少子化が深刻な国だ。それなりに懸命に対策を取ってはいるが、まだまだ遠い道のりのようだ。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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