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天職ってどうやって見つけるの？
GET 500pt コメント数：0件 \| アクセス: 1169件	09月14日16時27分配信

現在、僕はロンドンで貿易関係の会社に勤めている。やりたくないことやトラブルも多いが、まあそれなりのやりがいを持って日々取り組んでいる。

でも昔からこの職種を目指していたわけでない。まさにこれが我が天職！とも思わない。というか、自分にとっての天職というものが何なのか、はっきり言ってしまえば分からない。

「天職」の定義を個人的に考えたのだが、簡潔に言えば、「毎晩、明日の仕事が楽しみで仕方がない」とか「仕事が楽しくて、時間が過ぎるのも忘れて没頭してしまう」といった具合だろうか。一時期的でなく、長い期間こういった状態を仕事に対して持ち続けることができるのなら、きっとそれは「天職」と言っていいのかもしれない。もちろん、他にも様々な意見があるだろうが。

では、天職に就くためにはどうすればいいのだろうか？
とりあえず、これといった正攻法などないように思う。もちろん仕事が人生のすべてでない。しかし、多くの時間を費やす仕事が、自分にとってベストのものであって欲しいというのは、仕事を持っている方達なら当然の希望ではないだろうか。

いたって主観的な考えになるのだが、人間それぞれに最初から与えられた「天職」というものは最初から存在しないのではないだろうか。この人の天職はこれだ！っといった具合に生まれながらにして、運命的に与えられている仕事などきっとないのではないだろうか。イチロー選手だって、もしかしたら世界経済を揺るがす程の偉大な投資家だったかもしれないし、カルロス＝ゴーン氏は合格率100％を可能にする超名物塾講師だったかもしれない。ちょっと極端な例えになってしまったが、ある特定の分野で大成功を収めているからといって、それが生まれながらにして与えられた絶対的な「天職」とは言えないような気がする。

となると、「天職」を見つける方法以前に、その「天職」が最初から存在しないのであれば、見つけようもないわけになる。

だったらどうすればいいんだ！！と怒られそうである。
気づけば「愛」が足元にある、とかつてMr.Childrenが歌っていたが、「天職」も探すものでなく、それぞれの考え方、感じ方次第で、手に入れることができるのかもしれない。

ちょっとしたヒントがある。
現在勤めている会社の同僚の中で、中国から来ている男性がいるのだが、彼は今の自分の仕事を天職だと言っている。彼も、僕と同じようにこの仕事をずっと目指していたわけではない。母国の事情から英国へと移住し、一緒に来た妻子と生活をしていくために今の会社に入った。貿易関係を選んだのは、中国語を必要とするポストが求人に載っていたのが目についたというのが理由だ。彼はこの会社に来てから貿易に必要な知識をかなり勤勉に勉強したし、仕事も妥協することなく常にベストを尽くしていた。
そんな彼が言う。
「僕はとりあえず、妻子を養うことで必死だった。それに貿易知識や外国語の勉強も、分からないことだらけの仕事を覚えるのも、自分は努力しているんだ、という意識はその時なかったよ」

彼がこれまでにしてきたことは確かに「努力」と呼ばれるものだろう。それも多大な時間を必要とするもの。
でも彼にはその意識がなかった。
妻子を守るため、お金のため、とにかく何かをしないといけないから……仕事をする理由は様々だ。僕個人として「努力」という言葉を賛美するのはあまり好きでない。しかし、何かをするには「努力」と呼ばれるものが必要だ。

多分、例外はない。
「天職」というものが最初からないように、「天才」というのも最初からないのかもしれない。「天才」と言われる人は、「努力」を当然の義務と考え、それを「努力」と意識しない人なのかもしれない。それが仕事というフィールドであれば、その「努力」を意識することなく目標に向かい、仕事に取り組んでいる人が、「天職」を見つけている人達なのかもしれない。

彼を見ていて、
ふと、そんなことを思った。
そして、羨ましくも感じた。

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