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建設・不動産に続くのは「運送」倒産ラッシュ

 建設・不動産の倒産ラッシュに続くのは、運送だ。この業界は、原油高の影響をモロに被ってニッチもサッチもいかない事態にあるようだ。

「原油が少し下がったからといって安心していられません。明日には再び値上がりする恐れがあるんですから。今度急騰したら食い詰めてしまう」

 不安をこう口にするのは、都心のトラック運送業者だ。彼らは、ガソリン代が値上がりし始めた時から経費を削ることに腐心してきたという。運転中のアイドリングを極力禁じるほか、地方に行く場合も、一般道を走って高速料金を浮かすよう徹底してきた。

「だが、あれよあれよという間に1リットル180円台となり、札幌など一部地域では200円台に乗せた。これじゃ、ちょっとやそっとの経費削減ではカバーしきれません」(前出のトラック運送業者)

 運送業界の内情を見ると、倒産件数が月を追うごとに増えて8月に今年最多の64件と前年同月の39件を大きく上回っている。08年1―8月の倒産は、前年同期比25.1%増の304件にのぼり、04年以降年間300件台で推移してきた倒産件数を突破し、「08年は5年ぶりに年間400件台に達する可能性が高い」(東京商工リサーチ経済研究室)。

 パンやカレーなど食料品のように消費者に価格転嫁できればよいが、運送業はそう簡単ではない。国内の不況感が重くのしかかる。

 別の運送会社幹部が頭を抱えてこう訴える。

「荷主サイドの抵抗がことのほか強いんです。安く請け負う運送業者がゴロゴロいるから、気に入らないとソッチへ仕事を振ってしまう。消費がパッとしないせいか、農水産品や日用品関連が落ち込んでいるし、やはり建設関連が酷い。全国規模で工事が中断しているので、建材や砂利などを運ぶ注文がストップしたまま。注文あっての商売の私たち運送業者は身動きが取れないですよ」

 運送業界は業者の負担を軽減するため、来年度から燃料サーチャージ制導入を検討中だ。「このところ、運送業界への金融機関の貸し出し姿勢がどんどん厳しくなっている」(銀行関係者)という一言が気にかかる。運送も建設・不動産の二の舞いになってしまうのか。

(日刊ゲンダイ2008年9月12日掲載)


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