いきなり６番「待った」…大相撲秋場所初日

　◆大相撲秋場所初日（１４日・両国国技館）　初日前日の１３日に武蔵川理事長が緊急発令した立ち合いの取り締まりは、各力士に大きな影響を及ぼした。初日の幕内取組では、前半戦で木村山−玉鷲からの４番連続を含む６番で、行司が手付き不十分として待ったをかけた。放駒審判部長（元大関・魁傑）は「見てて微妙で止めるべきものもあった。今後は厳しく言う」と２日目以降は、さらに粛正する考えを明かした。

　一方、力士は戸惑いを隠せない。ある関取は「きのう言われてすぐだから、慣れるのに時間がかかる。意識するよ」とぼやく。別の関取も「手を付くのはわかるけど、押し相撲に不利になる」と不公平感を訴えた。さらに、序ノ口から待ったが激増し、十両土俵入りが通常より３０分近く遅れるなど、進行にも影響が出た。

　力士のブーイングは協会のミスも原因だ。理事長は東西の支度部屋に通達の張り紙を出すことを明言していたが、担当者が忘れていたために、ほとんどの力士が理事長の通達を新聞報道で知ったという。理事長も張り紙がなかった事実を打ち出し後に知らされ、担当の親方に「すぐに明日から出してくれ」と命じた。ドタバタぶりが、２日目以降のハプニングも予感させていた。