米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が農薬やカビ毒で汚染された事故米を不正転売していた問題で、岡山県は16日、同社が出荷した汚染米を使った米粉が、岡山市の2製菓原材料卸販売業者を通じて岡山、倉敷市など県内7市2郡の16菓子製造業者から流通している可能性があると発表した。
米粉のうち、残存していた干菓子用の寒梅粉と、同粉を使った製品各1検体を検査した結果、残留農薬「メタミドホス」は検出されなかった。県は、仮に事故米が使用されたとしても配合率は10―5%程度と少量などとして「事故米を原料とする食品を食べても健康への影響は心配ない」としている。
これまでに健康被害の報告や苦情は寄せられていないという。
県生活衛生課によると、混入が疑われるのは、三笠フーズから佐賀、福岡、兵庫県の仲介業者などを通じて昨年11月から今年7月、岡山市の2卸販売業者が仕入れ、16製造業者に納入したもち粉1140キロ、寒梅粉20キロ。
もち粉は草もちなどに加工され、昨年12月から今年4月にすべて販売。寒梅粉は干菓子として4月から8月に大半が販売され、残った一部製品を保管していた1製造業者には販売自粛を勧めた。
事故米の混入の疑いは12日から14日、県と農林水産省中国四国農政局、岡山、倉敷市の合同調査で判明。流通を確認した16業者の所在地は岡山、倉敷市のほか、玉野、総社、井原、高梁、新見市と小田、久米郡。