おりひめ・ひこぼし実験の歩み

 

 

このページでは、「おりひめ・ひこぼし」のランデブ・ドッキング実験及び宇宙ロボット実験計画と、これまでの実験成果をまとめてご紹介します。

定常段階の実験の歩み(クリックして拡大、44kB)

定常段階以降の実験の歩み(クリックして拡大、18kB)


 NASDAによるランデブ・ドッキング実験
 NASDAによる宇宙ロボット実験
 外部機関による宇宙ロボット実験

NASDAによるランデブ・ドッキング実験

初期機能点検(FP-0)(平成10年3〜4月に実施済み)
ランデブ・ドッキング実験に必要なすべての機器が正常に動作することが確認できました。

分離性能確認試験(平成10年6月5日に実施済み)
「おりひめ」を掴んでいる「ひこぼし」のラッチ爪を、先端は開かないまま少しゆるめて、「ひこぼし」から「おりひめ」を分離、「おりひめ」は初めて、短時間ながら宙に浮いて自由に動ける状態になりました。
その後、「おりひめ」は無事「ひこぼし」とドッキングし、分離・ドッキングの基本的な動作が正常に行えることを確認しました。限定された範囲ですが、無人の衛星どうしとしては、世界でも初めての分離・ドッキングを成功させたことになります。

分離・ドッキング実験飛行(FP-1)(平成10年7月7日に実施済み)(この実験時の「最前線レポート」はこちら
ラッチ爪を完全に開いて「ひこぼし」を「おりひめ」から分離、その後「おりひめ」と「ひこぼし」は2m点まで離れてから、再びドッキングするという実験に成功しました。この実験により、「おりひめ/ひこぼし」の自動ランデブ実験のうちで最も高度な技術課題である分離とドッキングが行えることを確認できました。

初期離脱・最終接近実験飛行(FP-2)(平成10年8月7日-27日に実施済み)(この実験時の「最前線レポート」はこちら
当初計画では520mまで離脱し、そこから接近、ドッキングを行う予定でした。スラスタの噴射異常現象が発生したものの、3週間に及ぶ分離飛行の後に「おりひめ」と「ひこぼし」を再会させることに成功しました。FP-2の飛行を通じて、FP-3以降で検証する予定だったGPS相対航法やC-W誘導、搭載系に異常事象が発生した際の ディセーブルアボートによる安全確保機能と、退避点からの復帰運用等を確認できました。
FP-2実験結果に関するETS-VIIプロジェクトチームからの中間報告も併せて御覧ください。

RVFS改修後軌道上試験・GPS搬送波位相相対航法実験(平成11年7月22日,23日に実施済み)
(この実験時の「最前線レポート」はこちら
10月実施のRVD実験飛行の準備として、ランデブ・ドッキング実験系搭載ソフトウェア(RVFS)の改良及びその軌道上試験、及び GPS搬送波位相相対航法実験を実施しました。

接近・離脱飛行技術実験(平成11年10月26,27日に実施済み)(この実験時の「最前線レポート」はこちら
FP-2実験における復帰運用も含めたこれまでの実験において、主要な技術項目の多くが実証されたことから、残った技術項目の実証を主目的として実施したのがこの実験飛行です。この実験飛行において、・遠隔操縦による飛行、・衝突回避マヌー バ(CAM)飛行、・ 「おりひめ」の下方(地球方向:Rバー)からの接近飛行の全てが成功し、目的の技術実証を達成すると同時に、「おりひめ」と「ひこぼし」のドッキングも無事成功しました。

NASDAによる宇宙ロボット実験


NASDAによる宇宙ロボット実験は、平成10年3月〜5月の初期点検に始まり、平成11年5月の定常段階終了までに、予定された全ての実験を実施し、良好な結果を得て目的の技術実証を達成しました。また、平成11年6月から12月の実験運用期間終了までに、追加の宇宙ロボット実験を実施し、多くの技術成果をあげることができました。

初期機能確認段階の宇宙ロボット実験運用(平成10年3月〜平成10年5月末) (ETS-VIIホームページ)
打上げ直後からしばらく衛星の機能確認が行われた後、平成10年3月から、宇宙ロボット実験の搭載実験機器の初期機能確認が行われました。成果の詳細は上記リンク先をご覧ください。

定常段階の宇宙ロボット実験運用(平成10年5月末〜平成11年5月末) (平成11年6月16日発表文)
定常段階はNASDA及び各機関(通商産業省、郵政省通信総合研究所、科学技術庁航空宇宙技術研究所)のロボット実験を行いました。また、海外の宇宙機関(ESA,DLR)との共同実験も行われました。成果の詳細は上記リンク先をご覧ください。

定常段階以降の追加宇宙ロボット実験運用(平成11年6月〜平成11年11月) (ETS-VIIホームページ)
定常段階終了後も実験は続けられ、NASDAのターゲット衛星(おりひめ)捕獲実験、各機関(通商産業省、郵政省通信総合研究所、科学技術庁航空宇宙技術研究所)のロボット実験に加え、 NASDAとの共同ロボット実験の公募により選ばれた大学等がロボット実験を行いました。成果の詳細は上記リンク先をご覧ください。


 
 

外部機関による宇宙ロボット実験

通商産業省のロボット実験(高機能ハンド技術実験)
通産省が、「ひこぼし」に搭載した高機能ハンド実験装置を使って各種の精密な作業を行う実験です。平成10年3月、7月、10月、12月、平成11年5月、10月に実験を行いました。詳細は通産省の実験のページをご覧ください。

航空宇宙技術研究所のロボット実験(トラス構造物遠隔操作実験)
航空宇宙技術研究所が、「ひこぼし」のロボットアームを用いて、大型展開物に利用されるトラスと呼ばれる構造物の展開、収納、組立、分解等の操作を行う実験です。初期機能確認段階の後平成10年3月、6月〜12月の各月、平成11年の1月〜5月の各月、9月、11月に実験を行いました。詳細は航空宇宙技術研究所のホームページをご覧ください。

通信総合研究所のロボット実験(アンテナ結合機構基礎実験)
通信総合研究所が、大型アンテナの組み立てを想定して、「ひこぼし」のロボットアームを用いて、アンテナ鏡面を組み立てる実験です。 初期機能確認段階の後平成10年6月〜11月の各月、平成11年の1月〜5月の各月、9月、11月に実験を行いました。詳細は通信総合研究所の実験のページをご覧ください。
 

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