自民党総裁選で優位に立つ麻生太郎幹事長は16日、党青年局主催の公開討論会で、民主党の小沢一郎代表が掲げる国連中心主義について「日本は国連傘下の国ではなく加盟国。朝鮮半島、台湾海峡にきな臭いものが残っている。安全保障理事会の常任理事国が決めたらその通りやるという国連至上主義にはついていけない」と批判した。
小沢氏は、海上自衛隊のインド洋での補給活動などの海外派遣について国連安保理決議などに限定するよう主張しているが、麻生氏は日米同盟などを総合的に判断すべきだとの姿勢で、海外派遣を常時可能にする一般法(恒久法)制定に前向きな姿勢を示している。
また、次期衆院選の10月26日投開票が有力視される中、麻生氏は「この約1年が天下分け目だ。自民党はどんなことがあっても他党に政権を渡してはならない。誰が総裁になってもそこからがスタートだ」と強調し、結束を訴えた。
討論会に先立ち、麻生氏は、中国の李肇星前外相と党本部で会談し、日中両国で「戦略的互恵関係」を推進していく方針を確認した。麻生氏と李氏は外相時代に10回以上も会談した間柄だ。李氏は「両国の協力関係は2人の努力があった」とアピール。麻生氏にとって「(麻生氏が首相になったら)中国、韓国を敵に回す」との見方を打ち消す狙いがあったようだ。
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