父親を失った母子家庭の8割以上が物価高に苦しんでいることが、遺児たちの進学などを支援する「あしなが育英会・同学生募金事務局」の緊急アンケートで浮き彫りになった。「第76回あしなが学生募金」が全国で始まるのを前に18日、遺児らは東京・新宿駅西口で窮状を訴え、協力を呼びかけた。
アンケートは2月、奨学金を希望する高校1年と中学3年の遺児の母親1417人を対象に実施し、1064人が回答した。パートや派遣、臨時雇いが5割を超えた。平均勤労月収は12万円で、02年の調査と比べ1万600円下がった。物価高騰の影響では、仕事をしていても、29・5%が「とても苦しくなった」、53・9%が「苦しくなった」と回答した。
家計のやりくりで切り詰めているもの(複数回答)は、被服費▽食費▽光熱水道費▽交際費・小遣い▽教養娯楽費の順だった。「食べるのに精いっぱい。値上げばかりでこれ以上切り詰めるものがない」など、切実な声も寄せられた。
春の街頭募金は19、20、26、27の4日間、全国約300カ所で行われる。郵便振替(00140・4・187062 あしなが学生募金事務局)でも受け付けている。問い合わせはあしなが育英会(03・3221・0888)まで。【柴田真理子】
毎日新聞 2008年4月19日 東京朝刊