金総書記重病説:北情勢、金日成死去当時より深刻(下)
後継未定・体制不満・核問題
【3】体制内の不安拡大
北朝鮮の体制に対する内部不満が徐々に拡大している点も不確実性を増幅させている。キム・ヨンヒョン東国大教授は「94年当時、金日成主席の悪口を言う住民はいなかった。しかし、90年代半ばに数十万人が餓死するなど食糧難が続くと、金正日総書記や体制に対する不満が表出している」と指摘した。困難な経済事情で軍部の忠誠度が徐々に落ちているとの情報もあり、不安定さを高めている。
【4】核兵器保有
金日成主席の死去当時とは異なり、現在の北朝鮮は核兵器を保有しているという点も急変事態発生時の大きな不確実な要因となり得る。金日成主席は死去3週間前の94年6月にカーター米元大統領と平壌で会い、「戦争の危機」までささやかれた第1次北朝鮮核危機を回避した。しかし、当時は核兵器を保有しているかが不確実な状況だった。統一研究院の全星勲(チョン・ソンフン)専任研究委員は「現在は北朝鮮が事実上核保有国の地位を要求している。7-12個の核弾頭を保有しているとみられる」と述べた。金正日総書記に万一の事態があった場合、いわゆる「自衛手段」の核兵器を保有している北朝鮮がどんな選択をするかは誰にも分からない。
【5】対中従属の強まり
94年当時に比べ、北朝鮮の中国への依存度が高まっている点も問題として指摘される。国策シンクタンクのある研究員は「中国が鴨緑江沿いの警備を2-3年前から正規軍に任せたことは、有事に北朝鮮に進撃するための措置とみるべきだ。対応を誤れば中国による管理体制が出来上がることも考えられる」と分析した。
◆北朝鮮情勢の急変を最優先課題に
国策シンクタンクの幹部は「金正日総書記をめぐる万一の事態はいつ突然現実になるか分からず、現実となれば大変深刻で不確実な状況になる。韓国が最も望まない時期に最も望まない方向に流れが進んでおり、早急に対策を立てる必要がある」と話した。
世宗研究所の宋大晟(ソン・デソン)首席研究委員は「(事態急変時の)北朝鮮による軍事的冒険と核兵器など軍事・安全保障問題に対する対応策が急務だ。同時に大量の脱北者発生などにも備えなければならない」と述べた。
高麗大の金聖翰(キム・ソンハン)教授は「(急変事態をコントロールするため)韓米日による協調を確認し、中国とロシアと協議を行う『3+1+1アプローチ』など中長期的な対策も完ぺきに整えるべきだ」と強調した。
キム・ヨンヒョン教授は「北朝鮮の急変は望ましくないため、事前に内部不安要素をコントロールする必要がある。94年よりも不安定な状況なので、あまり強く出ると風船が割れる可能性もある」と述べた。
安勇炫(アン・ヨンヒョン)記者
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