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リーマン・ショック、韓国金融市場への波及懸念

金融委、リーマン・ソウル支店の営業状況を注視

 経営危機で破産申請した米証券大手リーマン・ブラザーズと買収されることが決まったメリルリンチに対し、韓国の金融業界がそれぞれ7億2000万ドル(約750億円)を投資していることが金融委員会の調べで15日までに分かった。ただ、全光宇(チョン・グァンウ)金融委員長は「韓国に波及する影響は限定的で、コントロール可能な水準だ」と強調した。

 全委員長は「今回の事態で韓国金融市場は影響を受けるとみられるが、(それによる)影響は吸収できる。国内金融機関の外貨資金確保には問題がない」との見方を示した。

 しかし、アジア・欧州では同日、株価が一斉に暴落し、秋夕(韓国の旧盆)の休場明けとなる16日の韓国株式市場もショックを免れることはできない見通しだ。

 金融専門家らは米国の投資銀行を震源とする衝撃で韓国金融市場にも「株価急落、信用不安、外貨調達への支障といった嵐が吹き荒れるのではないか」(CJ投資証券・パク・サンヒョン研究員)との声が根強い。

 韓国政府は16日午前、企画財政部、金融委、韓国銀行による合同緊急会議を開き、金融市場の安定策を協議する。

 金融委はリーマン・ブラザーズのソウル支店について営業状況や資産を調査し、今回の事態で正常な影響が困難となった場合には、投資家保護のために営業停止を含む対策を講じる方針だ。

 金融委は同日、韓国の金融機関がリーマン・ブラザーズに投資した7億2000万ドルの全額が損失計上されても銀行の当期純利益の3%前後にすぎないため、耐えられる水準だと分析した。

 また、メリルリンチに投資された7億2000万ドルもバンク・オブ・アメリカによる債務引き継ぎで被害は少ないと見通した。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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