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「橋下知事は独裁的で危うい」退任の府教育委員が語る(2/4ページ)

2008年9月14日

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写真きど・あつむ 大阪府出身。毎日新聞の大阪、東京両本社編集局長や主筆を経て00〜03年に大阪本社代表。04年10月から府教育委員。写真いむら・まさよ 元中学教諭。北京五輪ではシンクロナイズドスイミングの中国代表のヘッドコーチを務めた。96年10月から府教育委員。

 教育委員は月に1回、定例の教育委員会会議に出席し、事務局がまとめた施策案について承認する過程で、大阪の教育の方向性を議論してきた。「もっと府民の生の声を聞くべきだ」との知事の不満もわかる。年に4、5回、小中学校や高校を訪れ交流しているが、保護者を交えた意見交換会などの場をつくっていかなければならないと感じる。

 教育改革は、知事が考えている以上に時間、金、マンパワーが必要。特効薬などない。打ち上げ花火のような派手な施策ばかりを求めるのではなく、地道な取り組みを評価する姿勢が必要だ。(聞き手・小河雅臣)

     ◇

■井村雅代さん

 私は教育委員を3期(12年)務め、教育については橋下知事より長く携わっている。府立高校の学区再編は賛否両論あって難しかったが、信念を持って取り組み、道筋をつけることができた。06年にシンクロの中国代表ヘッドコーチを引き受ける際、迷惑をかけるのではと考えたが、何としても教育委員の仕事を全うしようと、できる限り帰阪した。「ビジョンがない教育委員は切ります」などと、一方的に言われる筋合いはない。

 最初に会ったとき、知事は学力、スポーツ、芸術、それぞれの分野でトップの人材を育てたいと言っていた。でも今は違う。学力のことしか見えなくなっているようだ。

 全国学力調査で、知事は「市町村別の平均正答率を公表せよ」と主張する。それは議論に値する。数値が出るとなったら、みんな一番下になりたくないから、がんばるだろう。でも成績が低いのには、家庭や地域の事情とかいろいろある。それをどうするか。府のフォローが必要だ。その議論をする前に、公表か非公表かで市町村への予算に「差をつける」なんて、知事の言うことではない。

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