504ドル安を受けて、慌しいニューヨーク市場=ロイター
【ワシントン=西崎香】15日のニューヨーク市場は金融危機の深刻化が大きく波及し、株式市場のダウ工業株平均の終値は先週末より504.48ドル安い1万0917.51ドルに暴落した。市場の混乱は原油相場にも波及し、終値は約半年ぶりに90ドル台に落ち込んだ。
ニューヨーク証券取引所では証券大手リーマン・ブラザーズの実質破綻(はたん)などを受けて大量の売り注文が殺到。ダウ工業株平均は取引開始から一気に300ドル余りも急落し、取引終了まで下げ続けた。下落幅は01年9月の米同時多発テロ以来の大きさで、金融危機の深刻さを示している。
市場関係者によると、リーマン・ブラザーズの実質破綻(はたん)は衝撃的だったが、証券大手メリルリンチの買収やリーマン関連の損失を抑える大型基金の設立などが、いくらか歯止めになったという。金融・商品市場の混乱は当分続きそうだ。
原油相場も急落が続き、国際指標(WTI)の先物価格は先週末より5.47ドル安い1バレル=95.71ドルで大方の取引を終え、3月以来初めて90ドル台の終値となった。金融危機で世界経済がさらに減速し、国際的な投機マネーもエネルギー・商品市場から比較的安全といわれる米国債などに逃避する可能性があるため、原油相場も80ドル台が視野に入ったとの見方も出ている。