独身女性にとってブログやSNSとは、一人じゃないって確認する場所？【独女通信】

「ひゃんちんとお揃いのLLビーンのトート、買っちゃいました！」
「ひゃんちゃんのブログで、コレが紹介されてました〜」

“ひゃんちゃん”とは、アメーバブログの総合ランキング2位、日記・ブログランキング1位の人気ブロガー、李・ヒャン（りー・ひゃん）さんのこと。元モデルの彼女のブログには、有名人の友人との交流や自身のアパレルブランド『holiday』についてなど、つれづれなる日常が綴られている。とはいえ彼女は現在、歯科医師として働く一般人。だがひゃんさんに憧れ、彼女がブログで公開している私物をゲットし、それを公開する女性ブロガーが増えつつあるという。中には文体や、最後に必ず書く「ほな。」の挨拶までもを真似している、なりきりブロガーまで登場している。

　世の女性達、特に独身女性にとって、ブログとは一体どんな存在なのか？今の自分ではなく、「なりたい自分」を演じるための場所なのだろうか？livedoorリサーチを通じて5220人にあなたはブログやSNSをどのように使っていますか？ というアンケートを取ったところ、意外な結果がわかった。

「誰かに見て欲しい」よりも「誰かに見て欲しいという意識はない」が、わずかながらも上回っている。さらに「ブログやSNSでは、表向きは理想の生活をしているようにしている」演技派は、どうやら少数の模様。しかも男女別集計を見てみると、「ブログやSNSでは、現実の自分とは異なる別の自分を表現している」という項目に「はい」と答えている独身女性は5.89％（既婚女性は5.87％）なのに対し、独身男性は8.99％（既婚男性は5.57％）。独身女性よりもむしろ独身男性の方に、なりきりブロガーになる傾向があることが読み取れた。

「ブログやSNSを通じて、一部の共感できる人とだけ、想いや考えを共有したい」と考えている独身女性が27.38％いるのに対し、既婚女性は24.05％、「ブログやSNSを通じて、自分は一人じゃないと思ったことがある」と答えた既婚女性は12.88％だったのに独身女性は17．3％と、独身女性の方が「誰かと繋がりたい」「1人じゃないってことを確認したい」という気持ちが強いようだ。

　また「ブログやSNSでは、現実では言えない心の声をぶちまけている」に「はい」と答えた独身男性は全体の12.58％、既婚男性は8.35％なのに対し、既婚女性は12.88％、独身女性は17.3％。独身女性は既婚男性の、実に2倍もの数を誇っている。妻など、誰かが愚痴を聞いてくれる環境にある既婚男性に反して、不満をぶちまける場所がない人が多くいる独身女性。たまりにたまった不満をブログやSNSに書くことによって、感情の整理とガス抜きをしていると考えてもよいのかもしれない。mixiの日記だけではなく、自身のブログを2個持っている独身女性の美佐さん（34）も、複数のブログを続ける理由をこう語る。

「mixiは広く浅い友達関係、1つのブログは完全に親しいごく数人、もう1つのブログは不特定多数の人に向けて書いています。mixiでは「誰かがこれを読んで、むかっときたらどうしよう？」ということが気になるので、楽しいことや日々の生活の報告をしています。プライベートの方はぶっちゃけ話が中心。学生時代にカフェテリアで「わかるわかる！」なんて話していたことを、オンラインで展開しているだけです。そして誰でも読めるものを書いている理由は、「私はこう思うけど、あなたの意見はどうですか？」を知るためです。他人の考えを取り入れて、幅広い視野で物事が見られるようになりたい。でも忙しい友達に無理矢理聞かせたり、知らない人にいちいち声をかけるわけにはいきませんよね？　だからブログを活用しているんです」

　美佐さんが取材中常に口にしていたのは、「人の考えを知りたい」「私の意見を聞いて欲しい」という言葉。「あなたをわかりたい」「私を知って欲しい」けれど、話せる相手が身近にはいない。そんな独身女性達にとって、ブログやSNSは、まさにうってつけのコミュニケーションツールのようだ。（久保木りん）


■参考調査
・ブログサービスサイト比較調査2008 - ブログのさらなる活用法をなどを知るために役立つ

■参考サイト
・ひゃんのmy real happy life