第13回 馬王4
- 「そこで勝つ馬より、長い目で見てプラスになる馬を見つけるのが大切です」荒井俊也
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東京都出身、50歳。印刷会社勤務のかたわら、X6800用のグラフィックソフト「マチエール」を開発。その後、競馬ソフト「馬王」をリリースし、現在はフリーのソフト作家。写真や囲碁を趣味とし、囲碁は対局用サーバを自宅に設置して公開中。
インタビュー記事 インタビュアー/市丸博司(2008/2)
「コンピュータに予想をやらせたい」
という考えがずっとありました
市丸:「競馬をやってみよう」と思われたということは、その時点で既に競馬を楽しまれていたということですよね。競馬を始めたのはいつ頃になりますか? 社会人になってすぐとか…。
荒井: いえ、そんなに古くはないです。89年くらいからで。
市丸: そうするとオグリキャップが走っていた頃ですね。
荒井: そうですね。その後にメジロマックイーンとか。その頃のことは良く覚えているんですよ(笑)。それで、最初はもちろん普通に予想していたのですが、なかなか儲からなくて。それで「コンピュータに予想をやらせたい」、という考えがずっとありましたので、「競馬をやってみよう」となりました。
市丸: その頃のご苦労などはありますか?
荒井: 最初は自前でデータベースを用意していたのですけれど、速度が遅い、性能もあまり良くない、と。改良を重ねてゆくうちにだんだんとうまくいくようになって、「馬王」の最初のプロトタイプのようなものができたのは95年くらいだったと思います。
市丸: その後、公開されるわけですね。最初は書籍かなにかで出されていたように記憶していますが…。
荒井: 最初はパッケージでしたね。フロッピーディスク4枚組で「マチエール」と同じ会社から発売されていました。これでユーザになってくださった方も結構いらっしゃいます。
市丸: あの頃はネットも遅いですし、メディアもCD-ROMではなくフロッピーディスクでしたよね(笑)。
荒井: それで今のPCでは読めなかったりするのですが(笑)。その後、CD-ROM付属の書籍で出版したあと、ダウンロード版で期間ライセンスという形になって現在に至っています。
市丸: 現在は「馬王4」となってまして、初代から今までどんどん進化していったと思うのですが、そのあたりは?
荒井: 最初はAccess(Microsoftのデータベースソフト)の上で動く形でした。それが独立したソフトになって…。あとは、対応OSの変化とか。以前はWindows3.1ですよね。PATも今のIPATではなく、「PAT for Win」という投票用ソフトに対応していましたし、JRA-VANのデータ提供方式も「DataLab.」に変わったり。
市丸: 今はデータを自動的に取得できますけれど、昔はファイルをダウンロードして…。
荒井: その前にパソコン通信のダイヤルQ2でデータを取得してましたよね。「秀Term」とか通信ソフトを使って。そういったあたりの環境の変化に対応して、バージョンが上がっていきましたね。