第13回 馬王4
- 「そこで勝つ馬より、長い目で見てプラスになる馬を見つけるのが大切です」荒井俊也
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東京都出身、50歳。印刷会社勤務のかたわら、X6800用のグラフィックソフト「マチエール」を開発。その後、競馬ソフト「馬王」をリリースし、現在はフリーのソフト作家。写真や囲碁を趣味とし、囲碁は対局用サーバを自宅に設置して公開中。
インタビュー記事 インタビュアー/市丸博司(2008/2)
X68000用のグラフィックソフト
「マチエール」でソフト作者としてデビュー
市丸: JRA-VANのサイトでは「ソフト制作者」の欄が「馬王運営事務局」となっておりますが、ソフト開発をなされているのが荒井さんということでよろしいですか?
荒井: はい、そうなります。会社組織ではないのですが、ほかに営業やユーザーサポート面で協力してくれている仲間がおりまして、別々に動いています。
市丸: 実は、どこかに事務所など構えられているのかと想像していたのですが…。
荒井: そういうわけではないんです。ソフトの中身を作るのと、ライセンスの管理などは別の問題ですから、どうしても同じ場所で、という理由もありませんし。
市丸: 荒井さんはほかに本業があったりされるのでしょうか?
荒井: いえ、こちらの専業ですね。
市丸: そもそもソフト開発をされるきっかけ…、の前にまずプロフィールをお伺いしたいのですが、失礼ですが何年生まれでいらっしゃいますか?
荒井: 1957年、昭和32年生まれですね。もともと家業の印刷会社で働いていました。89年くらいまで約10年ほどですか。
市丸: ソフト開発はそのときからですか?
荒井: そうですね。社内で作ってはいました。
市丸: 特にどこかでプログラミングを勉強されていたりとかは?
荒井: いえ、独学で。基本的には「日曜プログラマ」の延長線上のような形でしたね。社内でグラフィックソフトが必要ということになって、必要に迫られて作りました。競馬と全然関係ないですね(笑)。
市丸: 最初は社内向けだったわけですね。それから、ソフト作者としてデビューされたのは…。
荒井: せっかくソフトを作ったので、これを外に出してもいいのではないか、と。当時あったX68000というPC用に、「マチエール」というグラフィックソフトを出したのが最初ですね。プログラマとしては最初からフリーで、知り合いの関係である会社から出して頂きました。
市丸: その後に、この「馬王」が誕生するわけですね。
荒井: ええ。「マチエール」の後に「なにをやろうか」となったとき、では競馬をやってみよう、と。その頃には独立してまして、最初に「馬王」を出したのは95年頃だったと思います。