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【さらば革命的世代】(9)日本のレーニンが知った労働 (1/4ページ)
このニュースのトピックス:さらば革命的世代
■シルバー人材センター登録、駐車場で勤務
かつて「日本のレーニン」と呼ばれた男は、東京都清瀬市の市営駐車場で汗を流していた。昭和40年代半ば、「世界同時革命」を掲げて武装闘争路線を指揮し、破防法違反罪などで19年9カ月の獄中生活を送った元赤軍派議長、塩見孝也さん(67)。昨年末から市のシルバー人材センターに登録し、月9日ほど派遣先の駐車場で働いている。
「この年になって、ようやく労働の意義を実感している。39歳のひとり息子も『親父がまともな仕事をするのは初めてだ』と喜んでいます」
それまでの生計は「カンパや講演料に頼ってきた」というが、あえて働き始めたのは昨秋、心臓を患ったのがきっかけだった。「もっと自活能力を付けたい。地に足のついた生活をしながら革命を追求したい」と思ったという。
赤軍派は当時最も過激な集団とされ、交番の連続襲撃や、首相官邸占拠を狙った軍事訓練「大菩薩峠事件」などを起こす。配下には、よど号グループのリーダーだった田宮高麿最高幹部(故人)や、後に日本赤軍を創設する重信房子被告(62)ら数百人がおり、連合赤軍の浅間山荘事件や、日本赤軍のダッカハイジャックなど現代史に残る重大事件の源流には、常にこの組織の存在があった。