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【国際】

『私も人間』 金総書記 ちょっと弱音?

2008年9月15日 朝刊

 【ソウル=福田要】「脳卒中から回復中」とされる北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の健康問題が注目される中、十四日付の労働党機関紙「労働新聞」は「私も人間」などと、疲労をうかがわせる金総書記の言葉を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。

 十四日は旧盆に当たる秋夕(チュソク)で、親族と休日を過ごす習慣がある。同紙によると、金総書記は「名節(正月や盆)だけでも家族とともにゆっくり休みたくないだろうか。私も最高司令官である前に人間」とした上で「しかし、個人的なあらゆることを犠牲にし人民のため休みなく革命の道を歩いている」と強調した。発言の具体的な日付や場所は記していない。

 同通信はまた、金総書記が同日、ロシアのメドベージェフ大統領に送った誕生日の祝電の文面を伝えた。閲兵式を欠席した九日以降、外国元首への書簡の報道は、十日付のシリアのアサド大統領あての祝電に続き二回目。韓国の通信社・聯合ニュースは「健在を誇示するもの」と分析した。

 一方、秋夕に合わせ金総書記の動静が報道されれば病状や回復程度が確認できると注目されたが、式典に花輪を贈ったことだけを朝鮮中央通信が伝えた。

 ラヂオプレス(RP)によると、金総書記の動静報道の空白は十四日で、今年最も長い三十日間となった。

 

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