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【グローバルインタビュー】北朝鮮民主化を語る(4) 延世大学の洪晟弼教授 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:グローバルインタビュー
北朝鮮の政治犯収容所には20万人から30万人が収容され、半世紀を経た歴史のなかで収容所で生まれて死んでいく“収容所2世”や“3世”の時代に入った。だが、その実態に関する調査・研究はまだ始まったばかりだ。韓国の親北・対話政策であった金大中、盧武鉉政権下ではほどんど動かなかった政治犯収容所民主化キャンペーンが李明博政権でようやく始まった。韓国の学界から、収容所脱出者たちの活動を支援している韓国・延世大の洪晟弼(ホン・ソンピル)教授(法学部)に、現状と展望を聞いた。(久保田るり子)
――政治犯収容所問題に取り組むに至った契機は?
「私は北朝鮮の人権問題に1998年、国連の人権小委員会で北朝鮮人権法が可決したときから関心を持ち非政府機関(NGO)で活動してきた。活動をはじめた10年前は北朝鮮には人権問題があると世界に知らしめることが仕事だった。90年代末の韓国では脱北者の急増が問題だった。脱北者を通じ、北朝鮮の人権状況がわかってきた。われわれはその実態を問題意識としてキャンペーンした」
――10年の成果は
「いま、世界は北朝鮮に人権問題があることを知っている。しかし、解決に向けた進展はほどんとないというのが実情だ。またNGOは努力しているが、政府や国連レベルでの努力は不足している。私は人権問題のなかで政治犯収容所問題が一番、重要だと思っている。政治犯収容所こそが北朝鮮人権問題の核心だ。北朝鮮の政治体制を象徴するのが政治犯収容所だ。そして世界で50年間にわたって続いている政治犯収容所というのは例がない。北の政治犯収容所は(収容所内で子供が生まれ)すでに2世、3世の時代に入っている。しかし存在自体や世代の継いでいるという事実が、世界にほとんど知られていない」