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とくしま医療考

第2部・救命救急【2】存亡の危機
深刻な勤務医不足 退職や異動の穴埋めできず 2008/9/14 10:45
  
 二〇〇五年八月、徳島県立三好病院に県内三カ所目となる救命救急センターが完成した。重症患者を受け入れる集中治療室(ICU)四室や高度治療室(HCU)六室を備えた県西部の救急医療の拠点で、住民の期待を背負いながら大きな役割を果たしてきた。

 3年間で8人減

 それからわずか三年。数多くの命を救ってきたセンターはいま、存亡の危機に立たされている。最大の理由は深刻な勤務医不足だ。

 センター開設当時、三好病院には三十二人の常勤医がおり、〇六年四月には救命救急の専門医が加わった。しかし、その後は退職や異動した医師の補充ができず、唯一の専門医も今年五月末で県立海部病院(牟岐町)に移った。現在は二十四人へと激減している。

 「救急医療は専門外の患者を診る精神的なストレスも大きく、マンパワーがないとできない。一人の医師が三役、四役こなさないと回らないのが現状だ」。病院でただ一人の麻酔医でもある安元聰之(さとし)センター長(55)は、険しい表情で話す。休日に手術が必要な急患が入り、実家のある徳島市から約二時間かけて駆け付けたのは、四月以降で九回に上っている。

 〇七年度の一年間に三好病院へ救急搬送されたのは七千七十六人。三好市と東みよし町の救急患者をほぼ一手に引き受けているほか、隣接する美馬市、つるぎ町から搬送される患者も多い。県西部の救急病院は三好病院を含め四カ所しかなく、センターがなくなれば地域に及ぼす影響は計り知れない。

 余喜多史郎院長(59)も「センターは地域にとっても、病院にとっても必要不可欠な機能。だが、これ以上医師が減ればセンターの『看板』を守り続けることは難しくなる」と苦しい胸の内を明かす。

 救急医療体制の維持が困難になっているのは、県西部に限ったことではない。徳島市をはじめ県東部の民間病院を中心に、救急業務を休止するケースが相次いでいる。

 県によると、〇二年四月に県内に四十六あった救急病院は、今年九月現在、三十七に減少。医師や看護師不足などから救急医療に欠かせない夜間・休日の当直体制が組みにくくなっているためだ。

 適切な受診訴え

 救急受け入れ体制の弱体化が進めば、急患の搬送時間が長くなったり、受け入れ困難な患者が増えたりする。また、残った救急病院に急患が集中して負担が増し、救急指定を返上する病院がさらに増える悪循環も懸念されている。

 こうした現状について県医療政策課の榊茂課長は「民間病院の協力も得ながら限られた医療資源を最大限に活用し、安心して暮らせる救急医療体制を維持したい」と強調。救急搬送件数が増加し続ける中で「県民に適切な受診を呼び掛け、救急病院の負担を少しでも減らしたい」と話している。(医療問題取材班)
【写真説明】勤務医の減少で運営が危ぶまれている三好病院の救命救急センター=三好市池田町

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