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「ずっと泣いてた」 フリースクール入所の少女恐怖語る '08/9/13

 午前三時。部屋で寝ていると、男たちが突然、入ってきて腕をつかんだ。車に押し込まれ、手錠をかけられた。怖くてずっと泣いていた―。

 京都府京丹波町の「丹波ナチュラルスクール」の虐待事件で、入所していた西日本在住の十代後半の少女が十三日までに共同通信の取材に応じ、自宅から連れ去られた際の恐怖や、劣悪な生活状況を語った。

 少女は引きこもりがちで、親の希望で入所した。「中学時代の先生が呼んでる」とうそをつかれ、連れ出された。

 「戸塚(ヨットスクール)に入れるぞ」「遊びに来てるのか」。塾長と呼ばれた朴聖烈ぼく・せいれつ容疑者(60)=傷害容疑で逮捕=は怒鳴ってばかりいた。

 「髪の毛をつかまれて顔を拳で殴られた。目つきが悪いと言われて殴られた女の子もいた」

 背中に大きな傷ができた入所者もいて「塾長が木刀を持ってる時は本当に怖かった」という。

 鍵のかかった部屋での生活。トイレは制限され、使う紙の長さも決められた。服はTシャツと長ズボン二着ずつ。二日に一度の風呂で着替えた。食事はコンビニからもらうという賞味期限切れの「廃棄の弁当」だった。

 塾長は親に「勉強させる」と説明したが、機会はほとんどなく、朝からずっと内職のお守り作り。失敗すると殴られる。エアコンをかけないので、汗でお守りが汚れ、返品されないか心配した。

 八月中旬、三人の少女が逃げた。「絶対、助けに来るから」と言い残して。その言葉を信じた。

 一日、二日、三日と待った。「やっぱり駄目か」。あきらめ始めたとき、児童相談所の人が来た。「余計なことは言うな」と厳しく言われていたが、勇気を出して「助けてください」と、声を振り絞った。「やっと助かって本当にうれしかった」

 両親と再会後も、少女は「家と部屋の鍵を交換してほしい」とおびえ、不安定な状態だ。

 少女の両親が支払った費用は四百万円以上。母親は「わらにもすがる思いで託したのに、娘には申し訳ない。親の気持ちに付け込んだ悪質な詐欺行為だ」と憤った。




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