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噂の現場

平成の遷都1300年祭の陰で、お年寄りが狙われた

2008年9月14日放送 参考画像参考画像

奈良市で、高齢者優遇制度がかわる。シルバーパスを使えば、70歳以上(奈良市に在住している)の人はバス料金が無料だが、来年2月から、乗る度に100円を払うことになるのだ。さらに無料だった銭湯も、来月から100円がかかる。これらの制度は「お年よりも町に出かけてもらおう」と、高齢者の生きがいを支援してできたものだったが、先月、市が高齢者の100円負担を決めたことで、怒りの声が上がっている。

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奈良市では高齢化が進み、70歳以上の人が昨年5万人を突破。そのため高齢者を支援する事業費が年間10億円近くに膨んだため、見直したのだ。市長は「今の社会全体で医療費も1割ではなく、3割負担という風に動いている。奈良市でも慢性的な財政難のため」と説明する。

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高齢者が100円を支払うことになる銭湯の経営者は「このままではお年寄りの利用者が来なくなりやっていけない」と嘆く。その一方で、奈良市は2年後の平城京遷都1300年祭のイベントに100億円。「1300年祭」に合わせて、JR奈良駅の再開発におよそ300億円。その駅前にある三条通りの拡幅工事におよそ63億円。さらに、駅前の空き地には、複合施設も計画され、その予算はおよそ130億円。住民からは相次ぐ公共事業に対し、その必要性を疑問視する声もあがっている。

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これに対し市長は「1300年祭の機会に、駅の整備、奈良らしい道路をキッチリつくりたい。高齢者優遇制度の見直しとは別」という。しかし、年金生活者にとって「100円は貴重」なのだ。団地で独り暮らしをしている79歳の女性は、月の収入が年金などを合わせて約10万円。家賃、光熱費、水道代、医療費などr0z$/$H;D$j$OLs5万円。使えるのは1日あたり1600円前後という計算になる。不自由な足で週2〜3回、バスを乗り継ぎ通院しているが、来年2月から、バス代が乗り継ぎ、往復で月4800円かかるため、食事を減らし、通院も減らすことを考えている。女性は「(後期高齢者医療制度でも苦しくなっていたのに・・・)75歳になったら、あす目があかない薬がほしいと思っています」と訴えている。