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理想の長寿メニューは「ご飯+みそチゲ+キムチ」

ソウル大医学部研究チーム「発酵食品キムチ・韓国みそはビタミンB1、B2 が豊富」 

 ご飯、テンジャン(韓国みそ)チゲ、キムチにナムル(あえ物)数種類という一般的な韓国の食事は、新鮮な果実や野菜をたくさん食べる地中海風のメニューや、日本の沖縄風メニューに劣らず優れた「長寿メニュー」であることが分かった。その秘密はテンジャンやキムチといった発酵食品に含まれているビタミンB1とB2にある。

 ソウル大学医学部・老化高齢社会研究所のパク・サンチョル所長は3日、「最近まで主に動物性食品だけに含まれていると考えられてきたビタミンB1、B2は、韓国人がよく食べるテンジャン、チョングッチャン(汁にして食べる納豆に似た発酵食品)、しょうゆなどの“みそ・しょうゆ類”や、キムチ、ノリにも多く含まれていることが確認された。あまり肉を食べない韓国の高齢者にビタミンB1、B2の不足がほとんど見られないのもこのため」と語った。パク所長の研究チームは、こうした研究結果を今年7月の韓国栄養学会誌最新号に発表した。

 年を取るほど吸収されにくくなるビタミンB1、B2は、不足すると心血管疾患や胃がんの発生リスクが高まり、認知能力・視力・聴力も衰える。

 パク所長は「3年前の国際学会である米国人教授に“西欧の100歳以上の高齢者は30%がビタミンB1、B2不足なのに、肉をほとんど食べない韓国の100歳以上の高齢者はなぜ正常値なのか”と質問されたが、その答えをやっと見いだした」と話す。

 質問された後、パク所長は実験に着手し、このほどビタミンB1、B2がテンジャン、チョングッチャン、キムチといった発酵食品やノリなどに多く含まれていることを確認した。しかし、これらの主な材料である大豆、豆腐、白菜にはビタミンB1、B2が含まれていないため、発酵を経てテンジャン、チョングッチャン、キムチなどにビタミンB1、B2が生成されると推定されている。

 また、パク所長は「野菜をゆでてから味を付けたナムルのほうが、生野菜や火を通さない果実よりも優れた食品」と主張する。野菜をゆでて食べると、発がん物質をはじめ体に有害な物質がかなり取り除かれると考えているためだ。現在、野菜の栽培には窒素系肥料が多く使われているが、そうした野菜には体内で「ニトロソアミン」という発がん物質に変わる硝酸塩が多く含まれている。だが、「野菜を沸騰した湯で約1分間ゆでると、硝酸塩は半分以上取り除かれる」ということを、パク所長は実験で立証したという。

 パク所長は11日、横浜で開かれる第15回国際栄養士会議で、韓国伝統メニューのこうした優秀さについて講演を行う予定だ。

李智恵(イ・ジヘ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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