半導体業界、 過当競争で共倒れの恐れも(上)
不況でも積極的な投資、価格は際限なく低下
DRAM価格が1年半で10分の1に、サムスン電子以外はどこも赤字
ハイニックス、エルピーダ、マイクロンなど、激しい2位争いで協力模索
「今が底、来年は回復」
世界的な景気不振と半導体価格の下落により、世界の半導体市場で危機感が徐々に高まっている。
世界の半導体業界は昨年以降赤字が続いているにもかかわらず、「ライバルを倒すための」攻撃的な投資を強行してきた。最近は世界5位のドイツのキモンダなど一部企業が深刻な状況となり、構造調整が本格化することで半導体価格が底を打ったとの見方が広まっている。
◆絶頂に達した半導体危機
最近、半導体業界に不安感が広がっている。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)業界では今年、サムスン電子以外はすべての企業が赤字を記録している。NANDフラッシュ(MP3など携帯用機器に使用されるメモリー)業界も、4‐6月期はサムスン以外すべて赤字を記録した。
価格の下落も深刻な状況だ。DRAM価格は昨年1月にはDDR(ダブル・データ・レート)2・512メガバイト667メガヘルツの価格が5ドル(約544円)を記録していたのが、最近は0.76ドル(約83円)へとほぼ10分の1にまで下落した。米国半導体業種指数(フィラデルフィア半導体指数)も、3日(米国時間)には4.23%も急落した。半導体業界の業績に不信の目が向けられたからだ。
半導体業界の危機は、業界が不況にもかかわらず攻撃的な投資を続けてきた、いわゆる「チキンゲーム」を行ってきた影響が大きい。半導体業界は周期的に好況と不況が繰り返される。「チキンゲーム」は不況でも生産を拡大してシェアを大幅に高め、後から来る好況の際に利益を確保しようとする戦略のことをいう。しかしほぼすべての企業がこのゲームに参入し、結果的に半導体価格は暴落、不況が長期化しているのだ。WSTS(世界半導体市場統計)によると、2006年には313億ドル(約3兆4000億円)に達していたDRAM市場の規模は、今年に入って276億ドル(約3兆円)にまで縮小してしまった。
白承宰(ペク・スンジェ)記者
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