ベトナムで苦戦する韓国企業(上)
どこも満潮時の潮の流れのように入り込んでいるが、韓国だけは引き潮のように抜け出すばかり
投資額1位から10位に転落、人件費も高騰…ストも相次ぐ
縫製、不動産はこれまでの努力が水の泡になるのか
ベトナム市場を失う可能性も
今年7月末、ベトナム南部の産業都市ドンナイ省にある200社以上の韓国企業が非常事態となった。
ベトナム最大の運動靴メーカーである「ファスンビナ」の従業員1万4000人以上が、物価の上昇を理由に30万ドン(約1800円)の賃金引き上げを要求し、予告なしに突然のストライキを行ったのだ。
ストは3日後に収まったが、周辺にある韓国資本の工場10カ所以上にまで飛び火した。この地域で工場を営むある企業の韓国人社長は、「今年だけですでに2回も賃金を引き上げたが、“もしかしてまた”という思いでいつも不安だ」と語った。ドンナイ省では昨年10件ほどだった韓国企業でのストが、今年は7月末の時点ですでに22件と2倍以上も増加した。(株)I.S.Aイントライニングのリュ・ジェモク副会長は、「昨年よりも労働費用が平均で30%以上は上昇したが、繊維や縫製の工場は今年に入ってどこも1回か2回はストに見舞われている」と述べた。
◆海外の企業は「ベトナム危機」をチャンスに
最近まで韓国企業の間で、「ネクスト・チャイナ」として脚光を浴びていたベトナムが、現在韓国企業や投資家にとって「憎たらしい子供」のような存在となってしまっている。8月23日に訪れたハノイ市内中心部にある大韓貿易公社中小企業投資支援担当のパク・クンヒョン次長は、「1日に数十回はかかってきていた韓国企業からの電話での問い合わせが、最近は半分以下にまで減った。投資相談のために直接足を運んでいた企業関係者も1日に3人はいたが、今は一人も来ない日も多い」「年初には中国からもベトナムに工場を移したいという連絡が多かったが、最近はそれもほとんどなくなった」と語る。
実際に、今年に入って韓国からベトナムへの直接投資は急激に減少を続けている。先月末時点までの投資額は6億1000万ドル(約667億円)で、昨年同期の7億3000万ドル(約800億円)よりも16%以上減少した。
韓国は2006年から2年連続で最大の対ベトナム投資国だったが、今年に入って台湾、日本、米国などに抜かれて10位にまで落ち込んだ。未来アセット証券ベトナムのカン・ムンギョン本部長は、「今年4月末に起こった経済危機説が、投資の勢いを冷え込ませたようだ」と述べた。
ハノイ=劉夏竜(ユ・ハリョン)特派員
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