Re:メールにお返事

 皆さんから頂いたメールの紹介や質問内容に関してのお返事をご紹介します。ご紹介に際しては、本人からの要望がない限り、必ず氏名、E-mailAdress等は非公開と致します。また、 メールを送っていただいても、必ず掲載するわけではありません。またEメールで添付された資料は、発信人が特定できたもの以外は開きません。ウイルス対策のためです。御了承ください。

 

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タイトル 掲載日 届 い た メ ー ル と お 返 事 ( コ メ ン ト)

 

 横浜港の米軍ノースドックと相模原の米軍補給廠について。(9月14日)  

届いたメール

  神浦さん 以前、グルシアの件で、メールを差し上げたものです。

 9月13日の北朝鮮の有事の際についてのJ-COMのメールの返事の中で、 相模原の米軍補給廠と、横浜港のノースドック(金港町)とが取り上げられ ていますが、この輸送の主体は横浜線ですよね。 現在の横浜線の首都圏通勤路線としての役割からみると、緊急輸送のために この線が使い物になるとは到底思えないのですが。

 現実問題として、もはや戦後直後のように桜木町に機関区があるわけではなく輸送を行う貨物機関車は、横須賀線の新川崎(鶴見機関区)にしかないは ずです。この意味から、一番大事な輸送経路上、現行のJR路線は使えない (使うことによって、国内での首都圏の混乱を起こし、政治問題になりやすい。)のではないでしょうか?

 現状を見るにつけ、陸上輸送が可能なのは、国道16号のバイパス(通称、 保土ヶ谷バイパス)と横浜横須賀道路、横須賀インターから横須賀基地に通 じる、本町バイパス、そして平成埠頭へのルートしかないのではないかと 素人考えでは思うのですですが。

  横浜港のノースドックはあくまで、首都圏臨海部への輸送経路(第一京浜、 第二京浜)としての役割しかない非常用の埠頭だと想像するのですが。

 米軍が、朝鮮戦争時代の日本国内での兵站計画をベースとしたものしかもっ ていないとすると、これはおろかな計画だろうとおもいますし、自衛隊自体 が、相模原の意識した計画があるとは思えないですが...

コメント

 相模原補給廠の野戦病院システムはコンテナに内蔵されて保管されています。横浜港まではトッラクや大型トレーラーを使うと思います。昔のように貨物列車から荷物を降ろし、港までトッラクで運ぶ手間(時間)を省くためにです。相模原補給廠のコンテナの一部は横田基地に運ばれ、C−17などの大型輸送機で韓国に空輸することもあると思います。また、東名高速道から山陽自動車道を経由して、九州など西日本の港湾施設に運ぶ場合もあると思います。

 横浜港のノースドッグの上陸用舟艇はインド洋のディエゴガルシア島から運ばれて来ました。これからイラクで戦争が始まる直前だったので、ちょっと違和感を持ちましたが、それだけ北朝鮮との関係が緊張してからだと思います。あの上陸用舟艇は常に防水や防錆のペンキが塗られ、燃料とエンジンのオイルが抜かれて、バッテリーは外されたドライな状態で保管されています。ですからバッテリーを取り付け、エンジンオイルを入れ、燃料タンクに燃料を入れれば、すぐに動き出す状態です。むろん朝鮮半島有事に備えた事前配備です。C−17輸送機やトッラクに乗せることのできないコンテナを運ぶための上陸用舟艇です。

 毎年、ノースドッグに整備状態を見に行っていますが、行くたびに整備状況が高まり、横浜に移送されてきた頃のボロさはなくなりました。横浜にお住まいなら、相模原補給廠の野戦病院セットと、ノースドッグの上陸用舟艇を定点観察されることをお勧めします。たしか野戦病院システムは一度だけ訓練を公開したことがると思います。

 さらに付け加えれば、朝鮮半島(北朝鮮問題)が片づけば、米軍相模原補給廠は日本に返還されると思います。その時、地元に返還されて再開発されるか、陸上自衛隊の即応連隊が宇都宮から移駐してくるか。そのどちからになると思います。

 

 J-RCOMへの願いです。(9月13日)  

届いたメール

  待望

  平素より明解なるJ−RCOMにはお世話に成っており、有難う御座います。

  さて、 日本は米「概念計画5029」に基くような対策プラン、シナリオを持って 準備は出来ているのだろうか。 北朝鮮崩壊による日本への影響(難民、治安、防衛など)についての 所長 神浦元彰論を是非読みたい。

  日本版アーミテージは居るのだろうか・どうすればそのような元自衛官が 現れてくれるのだろう。政府は何故という人物を養成、重用しないのか. 所長 神浦元彰見解を是非 是非 是非

 なぜ、国防を語ると国民は横を向くのか、国会議員はなぜそれでも国防を語らぬのか 所長 神浦元彰論を是非読みたい。

                                 日本J-RCOM党  予備役生

コメント

 本日のWhat New にも書きましたが、日本が北朝鮮崩壊で想定する問題は、第一に武装難民が漂着することだと思います。武装難民といっても、そのまま北朝鮮に留まると、民衆の蜂起で殺される可能性の高い保衛部(諜報・治安機関)の者でしょう。それも日本を目指して逃げてくるのではなく、日本海を航行中に船の機関などの故障で漂流し、日本の船に救助されて日本の港に漂着した場合です。

 自動小銃や機関銃、RPG7程度は持っていると思いますから、海保の特殊部隊や警察の銃器対策班では対応できないと思います。そのような場合は、政府が自衛隊に治安出動を命令して、武装難民に対処させる必要があると思います。もし難民が武装解除を拒めば射殺することもあります。

 北朝鮮からの武装難民を武装解除させれば、その者立ちを韓国に送り返すこになります。そのような協定は、”おそらくある”と思っています。日本は北朝鮮崩壊の時に、備蓄米(100万トン?)を韓国に提供する代わりに、北朝鮮からの難民を韓国が受け入れるという密約です。韓国は日本のコメを北朝鮮のために緊急移送して、北朝鮮から飢えた人が、小型の船や陸地を通って逃げ出す難民を止めたいと考えています。

 また相模原(神奈川県)の米軍補給廠には、野戦病院セットが3セット備蓄してあり、横浜港のノースドッグ(米軍)にある上陸用舟艇で朝鮮半島に緊急搬送します。もし、北朝鮮が韓国に生物・化学弾頭を撃ち込んできた場合の緊急医療システムの根幹になります。そのような緊急移送を日本側は全面的に協力し、韓国における被害の回復に万全を期す必要があります。

 

 日本で政治家が軍事を語らないのは、ひと言でいえば、国民も政治家も「軍事を知らない」からだと思います。今、自民党総裁選で出馬している石破氏は、自ら「軍事の論客」と言っていますが、明らかに軍事オタクの領域です。イージス艦あたごの事故のときは、パニクっていて、軍事を知っている者のリーダーシップとは無縁で・・・・・・・・。小池さんは元防衛大臣と言っていますが、実績ゼロです。首相補佐官時代(安全保障担当)の実績は「マダム寿司」です。自慢げに守屋前事務次官と対立したといっても、「守屋の利権(主に沖縄利権)を奪おうとした」だけです。対立といっても原因は利権の奪い合いです。小池氏の軍事知識は、「私は人の悪口をはっきり言わないように心がけています」・・・・・ということで。

 野党も同じです。民主党の前原氏は自ら安全保障が得意といっていますが、この方も防衛利権だけに敏感で、防衛利権の話しがあると必ず名前が出てきます。この方の軍事知識の程度は、「私は人の悪口をはっきり言わないように心がけています」・・・・・ということで。

 日本は北朝鮮が崩壊して、朝鮮半島に誕生した新しい国(統一国家)が米国と安全保障条約を結べば、北朝鮮の脅威は消滅します。また台湾は馬英九総統の誕生で、中国との親密度が高まり、一気に中国経済との一体化が進行しています。もはや中台軍事対立は過去の出来事になろうとしています。アメリカは台湾へのF−16戦闘機の輸出を見合わせると発表しています。

 日本政府は朝鮮半島、台湾海峡という2つの軍事危機が消滅した時、新たな日本の国家戦略の構図を描くことが出来ていません。中国を無理やり日本の仮想敵にするには無理があるほど相互依存が進んでいます。今はこのことを真剣に考えないと、日本に自衛隊無用論が高まると思います。それこそ、軍事を知らない亡国論です。

 

 イージス艦「あたご」が事故原因を争う方針だそうです。(9月4日)  

届いたメール

  こんにちは。神浦さん。初めてメールを差し上げます。名古屋に住んでいる00と申します。35歳の会社員(商社関係)です。

 このホームページは3年前頃から拝読しています。いつも神浦さんの鋭い切り込みと、明解な分析方法に、何か事件(軍事関連)が起これば、すぐここにアクセスする習慣がついてしまいました。

 おかげさまで軍事の面白さ(よい意味で)を知ることができました。ありがとうございます。

 今回はちょっと神浦さんのお考えを知りたくなりメールしました。それは本日のNHKニュースでやっていたのですが、イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、海難審判が横浜で始まったそうです。

 そのニュースで気になったのですが、「イージス艦の当直士官が海難審判所では清徳丸の責任を争う」と報じていました。清徳丸が急に舵を切ったために衝突したと主張するそうです。今さらそんなことを言っても誰がそのことを証明するのでしょうか。イージス艦の航海レーダーの記録(画像データ)が残っているのでしょうか。

 今までにイージス艦に衝突責任があると報じられていたので、何だか変な気持ちになりました。清徳丸に乗っていた2人の親子は死亡しています。それでも清徳丸側の責任が新たに問われることになるのでしょうか。

 まだまだ厳しい残暑が続くそうです。お体に気をつけて残暑を乗り切ってください。そうそう、うちのヨメも神浦さんのフアンです。「昼間、神浦さんがテレビに出ていたよ」って、よく話してくれます。頑張ってください。

コメント

 残念ながら、あたごの航海レーダーの画像データは記憶(保存)されていなかったようです。ただ機関室にある前方監視のビデオ映像に、衝突寸前の清徳丸が映っている(保存済)だけです。あの画像では清徳丸が急にコースを変えて、あたごに衝突したという証明は難しいと思いました。

 しかし海上では衝突防止のため、すべての船に「見張り」の義務があります。清徳丸側も当然ながらその「見張り」の責任があります。あたごとしては、海難審判で責任の度合いを軽減するために、清徳丸の見張りの不十分を主張するのだと思います。刑事裁判でいうところの法廷戦術ですね。

 私としては、あたごが衝突直後に後進全速をかけたような気がします。すなわちあたごのブリッジでは清徳丸の接近にまったく気がついておらず、衝突の衝撃で初めて気がついた様な対応をとっています。清徳丸が衝突直前に急に舵を切ったために衝突したという主張は認めて貰えないのでは。

 私は30歳の頃から小型のヨットを始めて、すぐにエンジンやキャビンがついたクルーザー・ヨットに転換しました。あたごが事故を起こした海域は、東京湾から伊豆大島や伊豆七島方面に行く時に通過する海です。いわば私たちの遊び場だった海域なのです。ですからちょっとだけ衝突した事情を客観的に考えることができます。海は楽しい時も怖い時もあります。私自身、油断していて怖い思いをしたことが何度もあります。その油断も、ほとんどが「見張り不十分」が原因です。たぶん、これはヨットをやっている方の共通した認識と思います。

 奥さんによろしくお伝えください。これから秋になるとランニングを再開します。この年になると、夏は暑くてランニングは無理です。涼しくなってそろそろ再開です。10月中旬にはマラソン大会(10キロ)にエントリーしています。これから少しは身が締まってテレビに映ると思います。

 

 米国の黒海派遣について考えました。(9月1日)  

届いたメール

  神浦さん

  横浜にすんでおります、00と申します。国際政治については、 ちょっとTVなどで名前が良く出る国際軍事評論家の00と 中学・高校が同期のものです(笑)。

  じつは、今回のグルシア(ジョージア)問題は、日本では北京オリンピック の報道で一切報道していない時期から、CNNなどのニュースを見ていて、 日本の報道が、事実に関して違和感を覚えるような偏った報道でしか、 一般人は語られていないのではないか?と思っているものです。

  たしかに、日本から見た場合、プーチン体制でのロシアは、友好関係の高い 米国、欧州に外交的には近い立場をとるべきかもしれないのですが、 あえて、黒海、カスピ海という地政学的にみて、あまり深入りすべき場所でないケースにインテリジェンス(といっても、単純に情報集めでなく分析力ですが。00の解説などをきいてても、この点でいまいちなんですけどね。)が発揮されていないとみているのですが。

 前置きは長くなりましたが、

  今回は、なぜ、米国がCoastGardの船舶を利用して援助物資を運ぶ必要性があったのか? 護衛にエイジス艦をつけるにしてもですが。 プレゼンスとして、大学教授時代からロシア分析のプロといわれた、黒珍 (ライス国務長官ですが(笑))が、自己のブッシュ後の就職活動のために、最後のおろかな行為におよんだ(ロシアの熊を刺激した)としか見えな いのですが。

  共和党の古くからのパックスアメリカーナとモンロー思想が根底にある考え からみれば、あえて、自国を出す必要もなく、今回、グルシアの大統領を消 しかけたフランスのサルジオのフランス艦やメルケンのドイツ艦を出すだけ で十分なはずだと思うんですが。

 たしかに、地中海には、第四艦隊があり、これが行動するという言い訳はで きるとは思いますが、イラン、イラク問題や、ベイルート問題からかんがみ て、あえて地中海艦隊のエイジス艦を出す戦略的必然性(外交を含めてです が。)がないように思うのですが。

  米国といえど、NATOの一部にたしかなっているわけで、NATO対CISの対決構造を作るにしても、今回はロシアの熊をつついたのは、おろかな行為以外のなにものでもないと見ているのですが。 ポーランドももともとNATOからみたら、過去の第1次、第2次大戦のときと同様、下手な暴発を起こす火種国家であり、NATOからみた場合、あえて、 ポーランドにMD基地を設置する価値すらないとみるのですが。

 こういう観点での考察をどのジャーナリズムも分析していないようにみうけ られますので、長文になりましたが、神浦さんの分析なりを拝見したくこのメールを差し上げています。

  今回のグルシア問題は、ロシアの周辺諸国の内紛(とくに自治州で、もとも とグルシア政府が統治していない地区の問題。)にNATOが引き込まれるとい うおろかな選択をしているとしか思えないもので。

 プーチンからみても、パキスタン情勢の変化等からチェチェンの再発、中国におけるチベット問題からみて、あえて、行動すべき価値ある地位ではないと(ポーランドがNATOに入りたがっているとしても、NATOが無視している間は、ほっとけれる地域であるわけですから。

コメント

 日本のメディアの中(一部)に、グルジア軍の南オセチア進攻は、アメリカやNATOがけしかけたという報道がありました。ロシア軍をグルジアにおびき出して、国際的な反露的な世論を起こすためだそうです。でも、これは明らかに間違いだと思います。本日のWhat Newに書きましたが、グルジア侵攻でロシアが得たものと、失ったものを比較すると、ロシアが得たものが大きいと思うからです。

 ロシアが得た何より大きな成果は、グルジアがロシアを迂回する欧米向き燃料の輸送路ではないという点を露呈させたことです。これでグルジアの政治的な価値は激減しました。

 アメリカが黒海(グルジア)に海軍と沿岸警備隊の艦船を派遣したのは、ロシアの得た成果を軽減させる程度の効果しかなく、反撃や対露圧力にはほど遠いと思います。

 

 メールの掲載、ありがとうございました。(8月26日)  

届いたメール

  8/2付メールにお返事の欄に掲載されました、00です。

 ご返信が遅れまして失礼いたしました。 残暑を残すまもなく一気に初秋の気配すら感じる肌寒さになりましたが、お加減はいかがですか? 私は気温の変化に なかなかついていけません(外回りと内勤が半々なもので)。

 長年神浦さんの軍事情報の解説に触れてきたサイレントウォッチャーを自認しておりましたが、初めての投書でまさか 掲載されるとは夢にも思っておらず、面映さと己が文面の稚拙さに恥じ入るばかりです。

  丁寧な解説と提案をいただきましてありがとうございました。

  若い頃は日本の行く末など全く気にしたこともなく、自己の利益と自我をどこまで極大化できるかが、いわゆる自己実現 であると勘違いしておりましたが、バブル崩壊後の長い経済不振と政治の混迷が、自分の生活の延長線上に組み込ま れていることを実感として理解しましてから、はて今日本という国はいったいどこに向かっているのであるかと自問自答 を繰り返しております。

  しかしながら自分を含む一般の国民がこの事象の解答を求めることは簡単ではありません。 かといって威勢だけはいい、いわゆる保守、右翼的な思想を巷間にオペレーションし飯の種にする人々、またそのカウン ターとしての左翼的な運動のいずれにも「しっくりする」感触がなく、いったいこの人たちは日本が好きなのか、あるいは 「日本という名の支配システムの管理」が好きなのかどちらだと考えざるを得ない愚かな罵倒合戦にも与したくはありま せん。

 冗談ハンブンに、酒の席で私は自分のことを「下翼」と自嘲しています。 新自由主義経済に国の運営がシフトし、産業のエンジンであった製造セクターを安易にアジアに移転させ、空洞化し 多くの中間層が貧困へと滑り落ちたこの十数年を振り返るにつれ、これはただ事ではないという不安、焦り、そして 川を駆け下る土石流を見ているような恐ろしい感覚が湧き上がってくるのです。とにかく今は、現象の水面下に隠れている潮流のうねりをなんとか見出そうともがいている状態です。

  本を読み、ネットを猟渉し、体を動かして自分なりのリアリティを感覚として咀嚼できるように努力していきます。

  神浦さんの、自ら胸襟を開いて語りかけてくるような解説は、メディアでよく見かける軍事評論家の方と異なり、プロで ありながら権威主義的なところを感じさせず、「解説に人柄がくっついている」のが最も好ましいところだと思います。

  「評価分析」を下すだけではなく、そのとき分析した自分が何を感じたかまでこんなにオープンに語ってくれる人が ネットでほぼ毎日情報を発信し続けること自体が、従来のメディアでしたら考えられなかったことです。 神浦さんのサイトは軍事解説として稀有な存在なのです。

  今後ともお体にはお気をつけいただき、体調がよくないときはどうか休養も十分にとって、今後とも私達に鋭い分析を 発信し続けてくださることを期待しております。

  若輩者が好き勝手に書き散らしてしまい、読みにくい文章で申し訳ございませんでした。 それでは失礼いたします。

  追伸

  秋にオフ会を行われるかも知れないとの事、都合がつきましたら是非参加したいと考えております。

 追々伸

 こうの史代さんの漫画「夕凪の街 桜の国」という作品をご存知でしょうか。映画にもなりました。

http://www.yunagi-sakura.jp/index.html

 広島に関わった市井の人々(女性)の2代にわたる物語です。「黒い雨」や「はだしのゲン」、その 他結構な記録文学を読んだつもりでいましたが、後から後からいろんな感情が湧き上がって来た のは今までと少し違いました。作者も広島県出身の方です。 日本人として広島に一度は行くべきだと思いつつも足が向きませんでしたが、この作品を読んで 初めて行ってみようと思うようになりました。

  私は恥ずかしながら未だ広島の地を踏んだことがありません。来年は訪れてみようと思います。

コメント

 お礼をいうのは私の方で、メールを頂きありがとうございます。

 ところで「下翼」ですか。(笑)。私も以前は自分の考えを理解してもらえず、自衛隊からは「裏切り者」と言われ、反戦運動や平和運動の人からは「自衛隊のスパイ」と言われていました。

 でも理解してくれる人もいました。理解してくれる人が段々と増えていったのは、91年の湾岸戦争の頃からですね。それまで自分でもウソを言わないように、時代に迎合しないように、自分を信じて孤立を恐れないようにしてきました。

 自分をさらけ出すしかないと考えるようになったのはこのHPを始めてからです。実は凄い人たちがこのHPを読んでいることが段々とわかってきました。とても私が技量で太刀打ちできる人たちではありません。ですから自分をさらけ出して意見を主張するしか方法がないのです。

 私はこのような本を読んでこの様に感じた。私はこのような場所で、このような体験をしたから、このように考えるという様にです。でも結果的には、そのことがよかったようです。

 軍事評論では、経験と知識が大事でした。若い頃に無理して背伸びせず、自分のできる範囲で一生懸命を心がけてよかった。やっと最近になって、自分の軍事評論に少しだけ自信が持てるようになりました。(謙遜ではなく本心です)。

 そのために、このHPで書いたり、皆さんからメールを頂くことが大きなプラスを生んでいます。これからもよろしくお願いします。

 

 『核実験で「汚染」は人事ではありません。(8月20日)』の事実誤認について。(8月25日)  

届いたメール

  神浦さん、 こんにちは。いつも愛読させていただいております。0000と 申します。

 さて、 メールにお返事の『「核実験で汚染」は人事ではありません。(8月20日)』の「被爆2世の00」さんの投稿がありましたが、事実誤認があり ますので、指摘・訂正させていただきたいと考えます。

 なお、始めに今回の新潟県中越沖地震被災に伴う数々の失態について、心からお詫び申し上げるとともに、再発防止・更なる改善に 向けて不断の努力を積み重ねていくことを、改めてお約束させていただきます。

---- (投稿文引用・以下同じ)  適切な知識があれば、迅速な対処により放射能汚染による健康リ スクを格段に低下することは可能ですが、日本の原子力行政は「核 汚染は100%封じ込める」が前提なので、テロ・戦争・大災害・ 大事故等の万が一の漏洩に対する危機管理ができていません。 ----  

 どこまで行えば十分なのか、と言う点は議論の余地があるかと考 えます。

 しかし、国・自治体・事業者等が全く無策というわけでなく、原子力防災という点では 原子力災害対策特別措置法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO156.html

原子力災害対策特別措置法 - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%81%BD%E5

%AE%B3%E5%AF%BE%E7%AD%96%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8E%AA%

E7%BD%AE%E6%B3%95

 というものが存在し、

原子力事業者防災業務計画

http://www.tepco.co.jp/nu/kk-np/topics/protec-j.html

 が制定されると共に、その旨訓練が実施されています。

 また、今回の新潟県中越沖地震を教訓に、

  福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所および柏崎刈羽原子 力発電所の「原子力事業者防災業務計画」の修正ならびに提出につ いて http://www.tepco.co.jp/cc/press/08080801-j.html との見直しも行われています。

 少なくとも「万が一の漏洩に対し全く無策」と言うことではあり ませんので、その旨指摘させていただきます。

  ---- (投稿文引用)  新潟中越沖地震では、柏崎原発構内で発生した変電所の火災で自 衛消火に失敗し、さんざん引き延ばしたあげく、一般の消防署員を 放射能漏洩の危険性に関する通知および放射能防護措置なしで消火 活動に従事させるという、信じられないことをやらかしています。 ----

 確かに、所内変圧器の火災について、消防施設が破損したことか ら初期消火に失敗し、一般の消防署員に鎮火していただいたことは 事実ですが、詳細は 3号機所内変圧器の火災 http://www.tepco.co.jp/nu/kk-np/chuetsu/jisho06-j.html に有るとおりです。

 こちらは、管理区域ではない一般の区域で放射線(放射能)の影響を考慮する必要がない箇所であったため、 「放射能漏洩の危険性に関する通知および放射能防護措置なしで消 火活動に従事」 しても何ら問題があるものではありません。また、当然初期消火に 当たった所員も放射能防護措置なしで活動しており、その後に当たっても放射能防護処置は一切必要となっていません。

  防護処置が必要な場合、必ずその旨通告すると共に、その旨対応が為されます。

 また、初期消火に失敗したことに柏崎市及び柏崎消防署から厳重注意、及び他の事象も合わせ、当発電所における危険物使用を制限 (停止命令) (原子炉の運転を事実上禁止する処置) する行政処分を受けていますが、当該事例に関し 「消防署員への放射能防護処置が無かった事への言及(処分他)」 は一切ありませんので、併せて指摘させていただきます。

 また、初期消火に失敗したのは確かであり、消防署員による鎮火 までに時間を要したこと、通報連絡が電話輻輳により遅れたのは事 実であり、反省し今後に生かしていく所存です。  しかし、仮に通報連絡がうまくいったとしても、柏崎消防署当局 の方も地震対応で精一杯 (実際に手一杯であり、到着が遅れるとの柏崎消防署当局から連絡 があった。) であり、柏崎消防の到着が遅れたのはやむを得ないところ。

 少なくとも、無策のまま「さんざん引き延ばした」というのは事 実に反することである、と指摘させていただきます。

---- (投稿文引用)  この辺の情報秘匿、結果オーライの感覚は、なんとなく旧軍に通 ずるものがあると思うのですがいかが思われますか? ----  

 確かに情報提供が遅れたり、情報訂正を行う場面がありました。

 しかし、上記取り組みのように、少なくとも起こった問題に対し てはその都度確実に対応し、「情報秘匿、結果オーライ」とは絶対 にならないようにしているところであり、今後とも不断の取り組み を行うところです。  「旧軍に通じる」部分については、そうならないよう確実に改善 ・実績を積み上げていくしかないと考えています。

                      以上、ご参考まで。

コメント

 まったく申し訳ありませんが、私は原子力行政や原発施設の安全管理についてよく知りません。おそらくよく知らないのは私だけではないと思います。ですから原発事故という言葉を聞くだけでも怖くなります。

 同じように、軍事問題でも同様なことを感じたことがあります。ノドンやテポドンと聞いただけで、明日にでも北朝鮮から首都圏や大都市に、北朝鮮から弾道ミサイルが雨あられと降ってくるような幻想を報じた記事を読んだことがあります。ある意味では、このHPを始めたのも、そのような混乱を生じさせないためという一面があります。

 今でも中国の北京オリンピックが終われば、深刻な経済不況が中国を襲うと騒ぐだけの記事が溢れています。中国ぐらい混乱した情報が飛び交っている国は珍しいですね。

 もう30年ぐらい前になりますが、軍事知識を学ぶ勉強会を公開で始めた時、受講生の中には、成田空港問題で戦う学生運動のリ−ダー、それを取り締まる機動隊の小隊長、大学院で国際政治を研究する学生や研究者、大手労働組合(全国組織)の青年部長、防衛担当を志す新聞記者など、互いに名前や仕事を知らないまま、同じ教室で、机を並べて参加していました。受講生はそのことに気がつかず、また気にしていませんでした。軍事を学ぶことはそのような面白さがあります。講師の方だけは立場や考え方にこだわらず、最高水準の人にお願いした思い出があります。打ち合わせに行くのに、私の足が竦むことが度々ありました。

 日本の原子力の平和利用も、いろいろな立場や考えの人が、一緒になって論じ会える場所があるといいですね。

 

 陸自のアパッチ・戦闘ヘリを、防衛省が調達を中止しました。(8月23日)  

届いたメール

 神浦さん、大変です。信じられないことがおきました。

 今日の読売新聞の夕刊が、「防衛省 戦闘ヘリ 調達中止」を決めたと報じています。AH−64ロングボウの来年度調達予定の3機でした、しかし米ボーイングが生産中止を決定し、日本のライセンス・メーカが生産ラインの設置費用を上乗せしたところ、1機の価格が200億円(総計600億円)となり、国民の理解が得られないと調達中止を決定したそうです。

 この記事によれば、防衛省は当初、AH−64ロングボウをAH−1攻撃ヘリ・コブラの代替えヘリ機として、2002年から62機の調達を目指して配備していたそうです。しかし1機が200億円と高額になったために、前世代のAH−1コブラを延命させて、防衛力を維持していく方針を決めたそうです。

 こんなことで陸自の空地・一体作戦は大丈夫なのでしょうか。陸自の90戦車に続く新戦車も総重量40トンと減量し、120ミリ砲を搭載することが決まりましたが、途中で生産中止なんてことになりませんか。空自のF−2支援戦闘機の調達中止といい、防衛省の新兵器調達のありかたに問題があるような気がします。

コメント

 確かに、夕刊で読みました。やはり攻撃ヘリのAH−64ロングボウが1機200億円なら調達は無理と思います。F−15戦闘機ならおよそ2機分の価格です。もし90戦車なら23両分になります。そんな高いものを調達すれば世界中の笑いものです。

 この背景に、防衛省の兵器調達システムに問題があることが明確になりました。数機分ずつ小分けに調達するより、これからは最初に30機、50機とまとめて発注し、後年度負担で分散(ローン)して支払う方法が検討されると思います。戦後の日本の防衛産業の育成と、防衛庁(当時)の天下り先確保を優先してきたことが裏目に出ました。

 それからAH−64のようなハイテク・兵器システムが日本に必要かという問題もあります。陸自はヨーロッパのような大草原で大戦車軍団と戦うわけではありませんから。

 これからの問題は、AHー64の代替えとして、現有のAH−1の改修で済むかという問題です。特にAH−1はエンジン・パワーが不足しています。一応、偵察ヘリのOH−1は攻撃ヘリの機能が搭載可能です。もしOH−1なら1機24億円で調達が可能です。OH−1を攻撃ヘリに改装して使う方法もあります。それならAH−64より性能は落ちますが、AH−1を改装するより、OH−1を改装した方がいい場合もあります。

 これからいろいろな意見がでてくると思います。ちなみに先日聞いた話しでは、OH−1で宙返りした唯一のテスト・パイロットは、私の同期生であることを知りました。昔、固定翼機で墜落(同乗中)し、乗員のうちただ一人生存(5人死亡?)したヤツです。ヘリ操縦の腕前はピカイチだそうです。

 

 産経新聞に朝刊よりの意味がありません。(8月22日)  

届いたメール

 神浦さん、こんにちは。初めてメールを差し上げます。軍事には直接関係ない質問です。

 いつも気になっているのですが、最新情報のコーナーで、新聞記事の引用文が「産経新聞 0月0日 朝刊」となっています。でも産経新聞には朝刊しかありませんから、朝刊と断る必要はないのではと思います。神浦さんがあえて朝刊と表記する意味があるのなら教えてください。

 別にたいした理由がなければ、このメールを無視してください。でもいつも気になっていたので、今日はがんばってメールに書いて質問しました。

 日々、神浦さんのHPで教えられることがあります。日本にとっても、このような正確な軍事情報は重要だと思います。その上、わかりやすいのがいいです。これからもご活躍を期待しています。

 先日もメールでオフ会のことが話題になっていましたが、次回のオフ会にはぜひ参加したいと思います。日時や場所が決まれば早めにお知らせください。(上京するため)

 オフ会で神浦さんとお会いする日を楽しみにしています。

コメント

 産経新聞で引用を朝刊とこだわるのは、電子版と区別するためです。私は1日に数回、ネットで各社のニュースをアップして読んでいます。その時、産経新聞の朝刊に書いていないことを産経のサイトで見つけた場合、「朝刊」の代わりに「電子版」と書きます。日本の地方紙や韓国紙の朝鮮日報、中央日報の電子版(日本語)の場合も、同じように「電子版」と引用を表記します。読者の方から、FAXで記事が送られてきた場合は、その新聞の朝刊や夕刊を記入します。

 これは、できるだけ多くのニュース・ソースから情報を得たいという発想と、引用した情報源に読者の皆さんがより近づくためです。「記事の概要」は私の勝手な引用ですが、新聞社等から「抗議」を受けたことはありません。逆に、記者の方や特派員の方から、役に立っているというメールを頂いています。

 オフ会については今年の秋頃を目標に、テーマを決めずに呼びかけることを考えています。土曜日の午後2時頃から5時頃までですね。もちろんオフ会の参加は無料ですが、会場に入れる人数に制限がありますから、事前にメール、FAX,ハガキなどで、参加の申し込みをお願いすることになると思います。楽しいオフ会にしたいですね。親しい友人のゲストを呼んで、軍事の現場の生々しい話しを聞くのもいいかもしれません。守屋前防衛事務次官とは親しい関係ではありませんが、「私はコレで失敗しました」なんて話しが、守屋さんから直接聞けると面白いですね。

 まあ、いろいろ考えますから、楽しみに待っていてください。私にそのような企画力があることは若い時に気がついていましたが、いろいろな事情で30年前に自分で封印しました。そろそろその封印を解く時がきたような気がします。まあ、偉そうなことを言っても、自分で楽しいことを考えてプランニングして実行する(楽しむ)だけの話しです。

 

 「核実験で汚染」は人事ではありません。(8月20日)  

届いたメール

  神浦さん、同じく被爆2世の00です。ご無沙汰しております。

 (神浦・・・・このメールは8月9日に届いていましたが、ジャンクメールと誤判断して、読んでいませんでした。昨日、削除のためゴミ箱を整理していて見つけました。掲載とお返事が遅れたことをお詫びします。すいません)。

  これまでの統計的調査では、原爆による被爆2世への遺伝的影響はまずない、という結果が出ていますので安心してください。しかしそれでも健康不安がある場合は、被爆2世は無料で健康診断を受けることができます。広島市に問い合わせしてみてください。

  それにしても、広島・長崎の被爆者はロスアラモスの米兵被爆者や地上核実験の被爆者に比べるとずっと恵まれています。入院費の出ない白血病のアトミックボーイ達は本当に悲惨です。しかしちょっと考えてみてください。普段の厚生労働省の悪行三昧を見ていると、広島・長崎の被爆者への医療保障の手厚さは不思議ではありませんか?

 これだけ医療保険がひっ迫していて、一般の障害者認定は切り捨てに等しいふるい落としノルマが猛威をふるう中で、原爆被爆者だけは当時広島・長崎に居たと証言してくれる人が2人以上いるだけでよく、またその基準も昨今の裁判では大幅に緩和されています。

 しかもいわゆる原爆症だけでなく、風邪を引こうが事故で入院しようがすべての医療費が無条件に完全無料なのです。但し「医療費だけ」で生活保障はありません。まあ、おかげさまで私の親父はとても助かっていますが、なんか妙ですね。

 私はこのことがずっとひっかかっていたのですが、最近になって「ああ、これは米国の意向なのだな」と思いいたり、合点がいきました。米国は、被爆者の最後の一人にいたるまで、個人別に管理された健康履歴が欲しいのでしょう。被爆2世の無料健康診断も同様でしょう。悪名高いABCCは放影研に変わりましたが、被爆者は未だにモルモットなのでしょう。なんにせよ無料には裏があるものですね。

「原爆を都市に投下するという行為は、どのような国際法であっても正当化することはできない。すなわち明かな国際法違反である。」とありますが、では例えば、マイクロ原爆で都市部の地下工場をピンポイントで爆撃するとしたらどうでしょうか。

 また、「戦闘員・非戦闘員に関係なく、長期にわたって苦痛を与えることから原爆投下を”人道に対す罪”として国際法廷で有罪とすべきである。」とありますが、では放射性降下物がほとんどなく(したがって2次被爆はない)、住人を速やかに確実に殺す「きれいな原爆」を使うとしたらどうなのでしょうか。

  我々広島・長崎出身者は核に関する直接経験を有する貴重な存在ですから、知識と経験を有効に活用し、感傷に流されることなく平和に向けて発信していく必要があると思います。

 閑話休題、『ウイグル人医師訴え「核実験で汚染」』の記事ですが、これ現代日本でも人事ではありません。なぜなら日本は核兵器の開発こそ行いませんが、平和利用目的の核開発は積極的に進めており、この放射性廃棄物の管理が甚だ心もとないからです。

 適切な知識があれば、迅速な対処により放射能汚染による健康リスクを格段に低下することは可能ですが、日本の原子力行政は「核汚染は100%封じ込める」が前提なので、テロ・戦争・大災害・大事故等の万が一の漏洩に対する危機管理ができていません。

 新潟中越沖地震では、柏崎原発構内で発生した変電所の火災で自衛消火に失敗し、さんざん引き延ばしたあげく、一般の消防署員を放射能漏洩の危険性に関する通知および放射能防護措置なしで消火活動に従事させるという、信じられないことをやらかしています。

 この辺の情報秘匿、結果オーライの感覚は、なんとなく旧軍に通ずるものがあると思うのですがいかが思われますか?

 最近オフ会の通知がなく寂しく感じております。お忙しいとは存じますが、小さな会合でもよいので開催しませんか。 体調には十分お気を付けください。

 今後ともご活躍を期待しております。

コメント

 本当にすいませんでした。昨日、たまたま頂いたメールを見つけることができました。もしかすると今までにも同様のことがあったかも知れません。これからは頂いたメールの点検と管理に十分気をつけます。

 現在の核兵器の最大危機は、北朝鮮やイランの核ではなく、パキスタンの核兵器の安全性だと思います。アルカイダにパキスタンの原爆が渡ることを考えると、背筋が凍る思いがします。まさに現在進行形の核の恐怖です。

 昨日、友人に誘われて、映画「リダクテッド」の試写会に行きました。イラクに派遣された米軍部隊をテーマにしています。ドキュメントではありませんが、事実に基づいてドキュメント風に作られ、イラク戦争の本質を描いた映画と解説していました。アメリカではこの映画の公開で賛否両論が沸き起こった問題の映画です。(日本では今秋に公開されるそうです)。

 ベトナム戦争では「ソンミ村虐殺」事件という痛ましい事件が起きましたが、結局、ソンミ村事件が映画化されることはありませんでした。この「リダクテッド」はイラクで米兵たちが民家を襲って15歳の少女を強姦し、その家族とともに虐殺した事件を映画化しています。まさに戦争が内包する狂気だと思いましたが、狂気のない戦争などないことに気がつきました。アルカイダがいう聖戦も、アメリカが主張する正義の戦いも、結局は狂気がなければ戦争は出来ません。

 ときどき、そのような戦争を自分のライフ・テーマに選んだことが正しかったか、自分の人生を振り返って考えることがあります。少し弱気になっています。

 ぜひオフ会の機会を作ります。そのときは参加してください。

 

 自衛隊と靖国神社は本当に無関係ですか。(8月18日)  

届いたメール

  神浦元彰さん

 「最新情報」を愛読している者です。いつも軍事専門家としての視点からの情勢分析には、本当に脱帽する思いとともに、新しい発見があります。

 実は、16日付の「靖国参拝3閣僚」のコメントで、疑問に思ったことが一つありましたので、確認させていただきたく、メールしました。

 「自衛隊殉職者は(靖国神社に)祭られていない」との部分です。 以前に、キリスト教信者であった殉職隊員の奥さまが、靖国に祭られることに拒否して、それが認められなかった裁判があったはずですが、その後、 自衛隊と神社は、取り扱いを変更したのでしょうか?

 何かお知りでしたら、教えていただければ幸いです。

 これからも、鋭いコメントをお願いします。

コメント

 実は私も以前は誤解していたのですが、あの裁判は山口県で起こされたもので、殉職した自衛官(幹部)が地元の護国神社に合祀されていた件です。奥さんからキリスト教徒である夫が勝手に隊友会(自衛官のOB会)が、地元の護国神社に合祀していることは許せないとして裁判を起こされたものです。この訴訟の最高裁判決では、合祀は違憲ではないという判決が出ています。

 以前、そのことを指摘して頂いたメールが届いています。このHPのサイト内検索で「自衛官合祀裁判」と入力すると出てくると思います。あれは山口県の護国神社で靖国神社ではなかったのです。

 私が覚えているのは、イラクのサマワに派遣される陸自の隊員(複数)が、もしイラクで戦死するようなことになれば、靖国神社に合祀して欲しいと靖国神社に直接嘆願したら、靖国神社側は明確に断ったそうです。靖国神社は太平洋戦争までの戦争犠牲者(軍関係)を追悼するもので、自衛官の慰霊は行わないと話されたそうです。

 防衛省としては本庁(当時)が六本木から市ヶ谷(東京)に移駐した際、市ヶ谷の敷地内に慰霊施設を作り、毎年秋に首相が参列する慰霊行事を行っています。1年間に航空機事故や演習中の交通事故など、公務で殉職した隊員の慰霊を行っています。(同時に、過去の慰霊も行っています)

 ですから、自衛隊と靖国神社の結びつきはありません。しかし靖国神社の中にある遊就館(戦争資料館)などに見学(精神教育)に行くことはあります。先日読んだある本では、空自部隊(教育隊)が隊員を勤務時間中に見学させると社会問題になるので、東京研修(見物)の際に靖国神社の前で観光バスを降りて、一旦、隊員は数時間ほど自由行動になるそうです。無論、遊就館の入館料をケチってブラブラするような自由行動ではありません。引率する教官や助教の厳しい視線が注がれています。

 私が生徒(少年工科学校)で1年生の時は、靖国神社の本殿前まで隊列を組んで入り、「先輩の英霊に対し、『最敬礼』」という号令で、上半身を45度ほど傾ける最敬礼を行いました。通常の敬礼(脱帽時)は15度です。

 これからも自衛隊と靖国神社が結びつくことはないと思います。その最大の理由は公明党の存在かも知れません。当然ながら、自衛隊員の中に創価学会の信者(学会員)がおりますから、隊員を強制的に靖国神社に参拝させると大問題になります。

 

 新疆ウイグル自治区でまたテロ事件が起きました。(8月13日)  

届いたメール

  神浦さん、こんにちは。いつもHPを読んでいます。毎日の更新、お疲れさまです。

 神浦さんが8月5日の What Newで指摘されていたように、12日に新疆ウイグル自治区でまたテロ事件が起きました。今度はカシュガル近郊(30キロ付近)の検問所で、治安部隊の隊員4人が刺されて、3人が死亡し、1人が負傷したようです。

 10日にも自治区クチャ県で爆弾襲撃事件が起きています。その時の容疑者の内、射殺や自爆を免れた3人が逃亡しています。

 今日、神浦さんにお聞きしたいことは、オリンピック開会式の数日前、ネットを使ったテロ実行宣言で、北京オリンピックを襲撃すると言った「トルキスタン・イスラム党」(TIP)と、4日にカシュガルで武装警察隊16人を殺した「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIU)との関連です。

 TIPは雲南省昆明で、通勤バスを同時爆破するテロを起こしています。このふたつのテロ・グループは連携してテロを起こしている可能性がありますか。もちろん神浦さんがどのように見ているかを話して頂ければ結構です。

 新疆ウイグル自治区のテロといい、グルジアの内戦といい、神浦さんの言われた通りに事態が動いていくので驚いています。これからも神浦さんに期待していますので、いろいろと軍事のことを教えてください。

コメント

 私は、ただ予測が当たった、外れたとだけ思われないように、できるだけどうしてその様に推測したのか、その理由(訳)を書くようにしています。それなら皆さんの軍事知識の参考になるし、例え私が間違えても、間違えた理由が皆さんがわかるからです。日本に正しい軍事知識を広め、あるいは向上させるために、私が恥をかいたり、知識をさらけ出すことを覚悟しています。

 そこで「東トルキスタン・イスラム運動」(これを仮に運動と呼びます)と、「トルキスタン・イスラム党」(これを仮に党と呼びます)の関連ですが、これら”運動”と”党”はいずれもトルキスタンとイスラムという言葉を使っていますが、互いの関連はないと判断しています。

 党は盛んに犯行宣言や犯行予告を出していますが、運動はそのようなメディア広報活動とは無縁です。運動は新疆ウイグル自治州内で中国の治安部隊を襲撃すれば、自分たちが分離・独立闘争のために、襲撃したことを予告や声明なしで伝えることができます。また党は通勤バスに爆弾を置いていくという無差別テロですが、運動の方は漢族(中国政府)の治安部隊をターゲットにした自爆テロなどを行っています。

 また爆弾の種類も、運動は手製の爆弾でも、中にクギなどを入れて殺傷効果の高い爆弾を使っています。武器の威力として専門性が高いと思います。党の方はバスの側面に穴を開ける程度で、バスの天井や後部ガラスを破損していません。手製爆弾でも爆発力があるとは思えません。

 このように運動と党では、テロの手口、攻撃のターゲット、爆弾の威力、犯行予告や声明など、あらゆる点で違いが目立ちます。だから私は双方に関連がないと判断しています。それどころか、党の方には謀略の臭いすら感じています。わざわざ開会式の直前にネットで犯行予告を出すなど、パフォーマンスが強すぎます。

 それに五輪開会式直前の犯行予告では、顔を隠した映像ですが露出した目の形が特定できるほど鮮明に写っていました。目だけをテログループの容疑者と画像照合すれば、短時間に容疑者を特定することが可能だと思います。それほど治安当局を舐めきった犯行予告なのです。あれは不自然ですね。

 

 グルジア軍の黒幕はアメリカとイスラエルではありませんか。(8月12日)  

届いたメール

  神浦さん いつもHP読んで勉強させていただいております。

  あまり日本では報道されていないようですが、グルジア軍はNATOの米海兵隊部隊や特殊部隊の訓練を相当受けているようですね。

  以下のURL記事によると2002年以降、米国がアルカイダ勢力に対抗するためという目的でGeorgiaTrain And Equipという計画で始めて 64百万ドル以上の軍事支援を行っている事実があります。

 またグルジアはイラクに2,000人の兵士を派遣しており、米英に次いで3番目の規模を誇る規模で完全なる親米国家ですね。

  下の記事に米海兵隊の迷彩服を着て、PKマシンガンを携行している米軍と共同訓練時のグルジア兵の写真があります。 水筒には“US”という文字が入ったままです。

http://www.defenselink.mil/news/newsarticle.aspx?id=16284

 またグルジアの国防省がユダヤ系というのもあり、イスラエル軍からの訓練や武器供与もされているようです。

  今回のグルジア軍の南オセチアへの侵攻は米国に事前に連絡がいってないわけがな いと思いますが、いかがなのでしょうか?

 このように大国の米・中・ロ(フランスも例外なく)が自分たちの影響力を最大化するために、社会を破壊する武器をばらまき、日本やその他の国が、それを復興するために国民の血税で資金的な強力を強いられるのは誠に無駄としかいいようがありません。

  日本のマスコミはこのような大国の陰の部分をもっと報道して、日本のあるべき姿を国民に考えさせるような世界情勢をもっと知らせるべきだと思います。

コメント

 グルジアがイラクに派遣したいた2000名の兵士は、今回の内戦を受けて、急ぎ帰国の準備を始めたと今日の朝刊が報じていました。グルジアとしてはロシア軍の侵攻を防ぐ保険として、イラクに派兵していたが、まったく役に立たなかったということになります。

 この2000人がグルジアに帰国して、ロシア軍との最前線に配備されても、テロ・ゲリラ戦などの非正規戦を戦う部隊と、ロシア軍のような正規軍と戦う部隊とは性質が違います。兵器や訓練もまったく違いますので、だれだけ役に立つかわかりません。忍者部隊を関ヶ原の合戦に投入しても役に立たないという意味です。

 朝鮮戦争の時、北朝鮮の金日成はソ連のスターリンに開戦の許可と、最新兵器や軍事顧問の援助(支援)を求めました。まさかアメリカが朝鮮半島の内戦に参戦することはないと考えてスターリンは金日成に援助を与えました。しかしアメリカは日本に駐留しているマッカーサー元帥に命じて、朝鮮半島に軍事介入していったことは誰でも知っています。

 アメリカが南オセチアにグルジア軍が進攻することを知っていても、ロシア軍が驚くほどの速さで反撃をしたこととは別の問題と思います。そのためのグルジア軍のイラク派遣だったのに、ロシア軍の進攻に何も出来ないアメリカ軍にグルジア政府は失望したと思います。

 逆にロシアは素早くグルジアに反撃進攻すれば、アメリカやNATOは動けないと読んでいたのでしょう。しかしグルジアが北京オリンピック開会式当日を狙ういうアイデアはアメリカ人(CIA)の発想ではありませんね。KGBが誰かを使って囁いた言葉と思います。

 日本のメディアでも今回の紛争を通じて、カフカス地方の地政学上の重要に気がつき、大規模な血を血で洗う紛争が起きる可能性に気がついたと思います。ロシア、アメリカ、イスラエルなど、世界規模でエネルギー戦略を考えている国はグルジアの重要性に気がついています。日本でエネルギー問題といえば、ガソリンスタンドの値段だけですから比べようがありません。

 

 アメリカで炭疽菌テロ事件の容疑者が自殺しました。(8月11日)  

届いたメール

  神浦さん、こんばんは。(神浦・・・・・2段下の「タイプミスですよね」のメールを頂いた方です)

  お体の異常、たいしたことなくてよかったですね。

  私も最近気がつかないうちに、あちこちぶつけているらしく、思いがけないところに内出血の跡を見つけて驚くことがありますが、もし、自分の両親が被曝していたら、驚くよりも漠然とした恐怖を感じるだろうなと思います。 63年経っても孫子の代までそのような恐怖を与え続ける核兵器は、やはり廃絶すべき兵 器だと改めて思いました。

  ところで、米国の炭疽菌テロの真犯人といわれる人物が自殺してしまいましたね。 それによって、この事件の全貌が明かされることは、永遠に無くなってしまいました。 この炭疽菌テロの犯人について、ちょっと書いてみました。

 軍事的にこういう推測が成り立つかどうかわかりませんが、長いので、お暇な時に読んでみてください。

「『米国炭疽菌テロ事件』、犯人の自殺で幕」について考える

http://kuroki-rin.cocolog-nifty.com/heaven_or_hell/2008/08/post_2de5.html

 私が、何故こういうエントリーを書いたかというと、犯人自殺ということで、またぞろ陰謀論的なアメリカ政府自作自演説が沸いてきているからです。 これを読んで、個人の犯罪でも充分ありえるということを、1人でもわかってくれたら いいなと思っています。

  小説の方は、こつこつと、1週間〜10日の感覚でアップしています。 ただ、だんだん専門的な知識が必要になってくるので、勢いだけで書くのが難しくなってきました。

  それでは、これからも神浦さんのサイトを楽しみにしています。

コメント

 炭疽菌事件のブログについては、リンクを掲載していいか考えましたが、自身でもネットにアップ(公開)されているし、著者を特定できないようになっているので、あえてそのまま掲載しました。もし、問題があるようでしたらメールをください。直ちに削除します。

 でも内容は凄いですね。兵器級炭疽菌の特徴をよく知っていますね。おそらく北朝鮮でもこの兵器クラスの開発には成功していないと思います。

 ところで小説の方は、「専門的な知識が必要になって勢いだけでは書くのが難しい」といわれていますが、逆に専門的な知識を重視しすぎると、話し(ストーリー)が面白くなくなります。専門的な知識は誤らない程度にしておいて、面白いストーリー重視の方がいいと思います。

 桃太郎のおとぎ話を聞いて、産婦人科医に桃から人間の男子が産まれる可能性があるかと質問されても困りますが、桃太郎のおとぎ話が日本に伝承されていったのは面白いからです。私は最高度のおとぎ話と思っています。

 今まで何度も直木賞作家と呼ばれる小説家に、資料や情報提供をしたり、ストーリーのアドバイスをしたことがありますが、小説では誰も厳密な軍事知識にこだわっていなかったというのが私の感想です。でも書かれた小説は面白かった。

 これからも勢いを大事にして、細かいことは最後に直すぐらいの気持ちで、小説を書いてみてはいかかですか。拝読するのを楽しみにしています。

 

 ホームページの校正を手伝いましょうか。(8月10日)  

届いたメール

  フリーライターの0000と申します。 いつも貴サイトで勉強させていただいております。

  過去に何度かメールを差し上げたことがあります。

  7日の更新を拝見しましたが、 校正でお困りだそうですね。 よろしければ私がお手伝いしましょうか? 無給で結構です。

  お金をいただけない理由は4つあります。

1.校正のプロではないこと。

2.月に何日か、お手伝いできない日があること。

3.貴サイトがお金儲け目的でないこと。

4.神浦さんの大ファンであること。 (高校時代に「日本の最も危険な日」を拝読しました。そろそろ30年です)

  ただ、長年お手伝いできる自信はありませんので、 「ひとまず1年間」という条件つきになります。 それでもご迷惑でなければ私にやらせてください。

  バナー広告をお考えだそうですが、 大して収入にならないと聞きます。 私がお手伝いさせていただき、 その間に本格的な対策をお考えになってはいかがでしょうか。

 

  人の原稿に文句をつけるのは簡単ですが、 実際にやるとなると大変です。 長く続けるのはなおさら大変です。

  私は自宅で仕事をしていますので、 わりと短時間でやり取りできると思います。

  貴サイトは7年ほど前から拝見しておりますが、 お原稿の量から言ってもさほど時間はかからないと思います。やり取りはファックスでもメールでも構いません。

  もし必要でしたら面接にも伺います。 これまでに手がけた書籍もお見せできます。 神浦さんのお手伝いをさせていただけるなら、 ファンとしてこれ以上の喜びはありません。

  神浦さんの情報分析力と洞察力は他を圧倒しています。 誰にも書けないすばらしい記事なのに、 ちょっとした誤字脱字のせいでケチをつけられるのは大変くやしいです。

  私でお役に立つならぜひお手伝いさせてください。 ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。暑い日が続きますが、 体調にはくれぐれもお気をつけください。 更新を楽しみにしております。

コメント

 お久しぶりです。覚えています。お元気ですか。

 校正の件ですが、ありがとうございます。本当にご心配をかけてすいません。傘をささないで歩いていて、近くの黒い空の一点が明るくなったような気持ちです。

 私のパソコンが壊れたと書けば、すぐにパソコンに詳しい方が駆けつけて直して頂いた。日本の石油タンカーが攻撃された情報がわかないと書けば、すぐに詳しい情報を送って頂いた。誤字脱字が多くて信頼できないというメールを掲載すると、このように校正を手伝うというメールを頂く。これほど読者の方に支えて頂いてホームページは珍しいと思います。

 メールを頂いた方からの要望や、個人情報の保護、秘密情報の提供者を特定される恐れがあるために、このホームページに掲載はしていませんが、掲載していない多くのメールも頂いています。(そのような場合でも、個人を特定できないようにして掲載しています)。

 校正の件ですが、やはりHPの構造的な問題と思いますので、この機会(数ヶ月間)に対策を確立させたいと考えています。今まで、厳正な校正よりも、正確な内容や、速報性を重視していたために、誤字脱字や文章上の誤りが多く発生したと思います。正直に言うと、日々、更新するのがやっとで、ちょっと校正を軽視していました。私の甘えですね。

 このHPも来年11月で10年を迎えます。今年の11月までに問題点を洗い出して、改善をするつもろです。その時には、皆さんのご意見を聞く機会を必ず設けます。

 これからもよろしくお願いします。本当にありがとうございます。面接などといわず、お茶を飲んだり、ビールを飲みましょう。そんな機会が可能になるように努力します。

 

 タイプミスですよね。(8月7日)  

 

届いたメール

  8月5日の新着情報。(神浦・・・What New です)

  見出しが  「新疆ウイグルのテロ   問族問題 先鋭化」 となってます。

 多分 民族問題 ですよね。

 それでは、仕事中なのですが、目立つところなので、取り急ぎお知らせしました。

コメント

 すいません。間違えていました。この件では、テレビで1件、ラジオで2件、新聞で3件ほどコメントしています。でも民族問題を間違えていませんでした。

 誤字、校正の問題は、誰かの助力を得ることが必要なのかも知れません。もう、私一人の注意では防ぎきれないミスだと思います。

 そこで更新画面を変化させて、バナー広告を出すことを検討しています。その広告料でアルバイトの校正者をお願いして、直しをしてもらうというやり方です。

 ところで小説を書いていますか。私もいろいろ考えています。そろそろ書き始める時期が来たと考えています。お互い、頑張りましょう。

 

 ペルシャ湾での日本籍タンカーへの襲撃事件の件(8月6日)  

届いたメール

神浦元彰さん (神浦・・・・・本日のWhat New で、私が問い合わせた件です)

●昭和 62年の『運輸白書』の「『8 章』 安全、災害、環境対策の推進」の章の、「第 2 節」  ペルシャ湾における安全航行の確保」には、次のように書かれています。

 

……(昭和) 59 1 月から(同) 62 10 月までの各国の商船の被弾隻数は ,15 隻の日本関係船舶を含め 300 隻を超えており , 特に ,62 年に入ってからは ,4 隻の日本籍のタンカー「コスモ・ジュピター」 (1 ), 「秀邦丸」 (5 ), 「日信丸」 (9 ) 及び「日晴丸」 (9 ) が相次いで被弾した。

●なお、秀邦丸被弾事件とは、東京タンカーが運航している 25 8 千トン の石油タンカーが、昭和 62 5 5 日、ペルシャ湾内を航行中に、イラン国籍らしい高速ボートからロケット砲を撃ち込まれた事件。

 なお、同節にあるタンカー被弾事件は、「秀邦丸」事件のほかは、小生がわかっている範囲、概要は次のとおりです。

●コスモジュピター被弾事件……昭和 62 1 7 日、親和海運所属の石油タンカー「コスモジュピター」がペルシャ湾内で艦艇からの攻撃を受けた事件。

●日信丸被弾事件……ペルシャ湾のジルクターミナル(アラブ首長国連邦)で原油を積んで、日本に向けて航行中の日本籍タンカー 「日信丸」 (日正汽船所有、乗組員 21 人、 18 200 トン)が 9 2 23 45 分(現地時間/日本時間 9 4 45 分)、アラブ首長国連邦のシャルジャ北方約 19 マイルの海域で、国籍不明のカンポートからロケット攻撃を 3 発受け、右舷の外板等数カ所を被弾した事件。死傷者はなかった。

●日晴丸被弾事件……昭和 62 9 30 日、石油タンカー「日晴丸」( 23 6,426 トン、乗組員 27 ) が、サウジアラビアのラスタヌラから日本向け航行中、ホルムズ海峡西約55 km でイラン武装ボートからロケット弾・銃撃を受けて、居室や救命ボートの5〜6ヶ所に穴があいた。火災を起こしたが、鎮火し、人身被害はなかった。

 以上、ご報告まで。

  広島被爆から63年、犠牲者への哀悼の意とともに、核廃絶への決意を表明します。

                                 8月6日

コメント

 早速、お返事を頂いて恐縮です。自分で調べればよかったのですが、4日の新疆ウイグル自治州で起きた武装警察部隊襲撃事件のことで、バタバタとしていたのでサボってしまいました。ありがとうございます。

 私が取材したのは秀邦丸でした。ペンキで白く塗った船体の一部に、黒くロケット弾の破片が飛び散っていたのを思い出します。(写真も残っています)

 もしこの秀邦丸を海自の艦船が護衛していたら、当然、このイラン革命防衛隊の武装ボートを撃沈させることなります。私はそれでもいいと思いますが、自民党や公明党にそのことを決断できる政治力があるでしょうか。場合によっては日本とイランが交戦状態になります。

 ペルシャ湾やインド洋で日本のタンカーを海自が護衛するというのは、まさに売られた戦争を日本が買うという覚悟が必要です。

 日本のタンカーの乗組員や船舶会社もそれを望んでいるでしょうか。ぜひ聞いてみたいですね。

 

 自衛官に移民を採用する案については反対です。(8月2日)  

届いたメール

  はじめまして。横浜に住んでおります00と申します。神浦さんのサイトは ずっとブックマークに入れて巡回しております。

 さて8月1日のWhat's New と所長ご挨拶に掲載された移民受入政策と 自衛官への移民採用の記事ですが、やや貴サイトの従来からの路線と違和感を感じましたので筆を取りました次第です。

  我が国の政府が有効な少子化対策を打つことができなければ(打たない可能性のほうがかなり高いですが)、人口は今後も減少していくことは間違いないと思います。 ここにきて政府与党の一部議員がまたぞろ移民受入れ政策をぶちあげてきたこともマスコミでは話題になっていますね。

  ただここで神浦さんもおっしゃっているとおり、現状の国内の深刻な経済格差、というよりは貧困問題ですが、そのような不安定な状況を更に移民受入れで混乱に陥れることになると思われるのですが。

  ニートやフリーターを自衛隊に入れてしまえという乱暴なことを言う政治家もいますので、こと移民政策云々については相当に慎重にならないといけないと思います。

 移民が軍に入ると市民権取得が有利になるというアメリカの政策の二番煎じのような気がしますが。。。

 中国の併呑政策を恐れるなら、中曽根時代の政権が行った無定見な留学生受入れ政策と、その結果の犯罪組織の流入の反省と教訓を再度リサーチすることからはじめるべきではないでしょうか?

 ちなみにその中国では、今後数十年で人口構成バランスが劇的に変化 し、日本よりはるかに早いペースで少子高齢化が進んでいきます。ご存知 でしたか?

http://www.jri.co.jp/RIM/2006/05age.html

 国内に民族問題、絶望的な経済格差と政治腐敗といった要素を抱え、伸 びて来たとはいえ、まだ先進国並みの安定感には程遠い経済システム、 基本的に政府を信頼していない国民等、こんな中国に脅威を感ずるなら 「相手の最も弱いところを少し刺激する」程度でも十分に対処していけると思うのです。

 まあ媚中総理が居座ってる間はそんな肝っ玉座った政治はできないでしょうけれど。 移民政策については、国民に絶望と不安感しか与えていない失政を、更に助長するだけにしかならないと思います。

 労働力不足? 私の職場でも定年間近の先輩方はまだまだ働きたいと思っていらっしゃる方ばかりです。若者は逆に派遣が多く、働くことで成長でき 場を奪われているのです。 移民を受け入れるより、困っている若者を自衛官に受け入れてあげることのほうがずっとよい政策だと思います。(まあそれこそ目論見通りかもしれませ んが)

 とにかく移民政策については、それにリンクしている国内の経済、人口、雇用問題、そして移民利権で潤う政治家がいる実態など、変数となる要素が多す ぎるので、「自衛官にして教育を施し、多様な国力の構成要素にすればいい んじゃない?」といった程度の話ではおさまりません。

  今回はこれにてメールを終わらせていただきますが、いつもの神浦さんのコ ラムからすると、やや論旨が唐突で違和感を感じました。 神浦さんがこのような主張をされるに至った前提条件、とりわけ我が国の現在と将来について、どのように認識されているかの知見を是非コラムにてお伺いしたいと考えております。

 拙い文章で申し訳ございませんでした。これからもますますのご活躍を期待 しております。

コメント

 8月1日のWhat New!(所長 ご挨拶)については、猛烈な反論があると予測していました。しかし福田内閣の閣僚入れ替えと同じ日と重さなり、賛成、反対を含めて、ご意見を頂いたメールはこの一通だけでした。しかしたとえ一通でも、きちんと主張をされているメールだと感じました。(電話でのご意見は2件ほど頂きました)。

 今月の”所長ご挨拶”で私の見解を約1か月ほど掲載します。これからいろいろとご意見が到着すると思います。

 これは人口減少と労働力不足、個別労働力の効率性向上など、多極的な社会問題を内蔵しています。そこで今回は問題提議だけにしておきます。しかしいつもこの問題を議論したいと考えています。これは私の考えを主張するというより、皆さんのお考えを聞きたいという気持ちがあります。

 自衛隊員の募集難ですが、一般隊員(2等陸士)の競争率が2倍を下回ると、人材が極端にレベルダウンするという経験則があります。もし競争率が1,6倍程度では、明らかに不適格なものまで採用することことになります。私が監修した「裸の自衛隊」(宝島社刊)で、優秀なルポライターがそのあたりの内部事情を記事にしています。

 もし当面は陸士枠に限って外国人を募集(採用期間限定)をすれば、相当なレベルアップと国際化を図ることができます。しかし周到な準備と受け入れ体制の整備が必要です。政治家の思いつきでことが進まないように脇を固める必要があります。

 スパイの潜入などは考える必要はないと思います。それより秘密防止(情報保全の徹底)が図られて組織的には効果的と思います。

※ とりあえず、今日はここまで。本日と明日は地元の夏祭りで、私の町内では興奮状態になっています。明日は3年の一度の本祭り(ほんまつり)で、下町の人としては特別な血がたぎるようです。明日は猛暑と予測されています。御神輿が通る町内の道筋では、民家の2階からバケツの水を浴びせます。


 
※これ以前のデータはJ−rcomFilesにあります。