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【岐阜】皮膚模型縫合も体験 高校生に交じり記者が病院実習2008年9月14日
多治見市の県立多治見病院で9日、「救急の日」にちなんで高校2年生を対象にした病院実習が行われた。医師を志望する生徒ら20人に交じって記者も参加した。 (林朋実) 術衣と白衣で身を包むと、医師になったような気分で皆表情が引き締まる。7班に分かれ、了解を得られた患者の手術の様子や院内の各科を見学。1班に2人の研修医が付き「今は頸(けい)静脈にカテーテルを入れてます」など作業の内容を詳しく説明してくれる。 記者の班は、午前に胃切除手術に臨んだ。腹腔(ふくこう)をのぞき込み、電気メスで内臓の血管を焼き切るのを見ていると、タンパク質を焼くにおいが漂ってくる。生々しい現場を見て倒れてしまう生徒も。「自分は外科医にはなれそうにない」との声も上がった。記者は手術を見るのは平気だったが、手先が不器用なため、余計なところまで切ってしまう気がする。やはり外科医にはなれそうにない。
午後には放射線科を見学。体内を綿密に診断する磁気共鳴画像装置(MRI)の部屋では、ヘアピンなどの金属が強力な磁石の塊であるMRIに引っ張られて飛んでしまうため、すべて外してから入室する。試しにスパナを持って近づくと、ぐいぐいと引き寄せられた。すごい吸引力。ぜひ写真に収めたかったが、「カメラを持って入ると壊れるよ」の一言で断念した。 最後に全員で縫合を練習。皮膚の模型をメスで傷つけて針と糸で縫い合わせる。ピンセットなどで糸を通してから手で緩まないよう本結びにするが、初めは手をどう動かせばいいのか理解できず、一結びするのに四苦八苦。研修医らの懇切丁寧な手ほどきを受け、次第にスムーズにできるようになった。 初めての体験ばかりの一日を終えると、皆口々に「うちの班はS状結腸の手術を見たよ」「病理って今までよく知らなかったけど面白そう」など報告し合う。現場に触れ、朝よりたくましく見えた生徒らの表情が、実習の有意義さを物語っていた。
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