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2008年9月14日

 北朝鮮当局は「謀略」と否定するが、金総書記「脳卒中説」が世界を駆けめぐる

今度ばかりは何かが起きたに違いない。重要な建国60年閲兵式典に、初めて姿を見せなかったのだから。報じられる症状は、外出不能の重病説から、回復途上説、けいれんの後遺症に悩むという情報も。閉鎖国家の秘密のベールから異変がのぞいた

「ポスト金」を占う専門家の見方も分かれる。軍部強硬派の台頭や、集団指導体制移行による混乱乗り切り、「金王朝」崩壊の大混乱まで。たとえて言うと、体の異変から即座に病名を診断する医師もいれば、慎重にさまざまな病気の可能性を推測する医師もいる。どちらが名医だろう

ひと目で病名を見破る医者は、頼もしい。が、時に誤診の恐れもつきまとう。即断せずに診察・検査を繰り返す医師も心強いが、慎重さが処置を遅らせることにもなりかねない。名医の判定も、「金王朝」の診断も難しい

もっとも、名医は患者の異変に神経を集中させる。偵察衛星で閲兵式場を注視するほどの激しい情報戦の中、その蚊帳の外にわが国がいなければいいのだが。


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