「国民に仕えるためにワシントンに行きたい」。米大統領選で、共和党初の女性副大統領候補に指名されたペイリン・アラスカ州知事が、党大会での受諾演説で述べた言葉だ。政治の中心である首都ワシントンを目指すことは、選挙戦勝利への強い意欲を示している。
そのワシントンに今夏、訪れた。古代エジプトの石柱・オベリスクを模したワシントン記念塔、奴隷解放を行ったリンカーンや独立宣言を起草したトーマス・ジェファソンの各記念館。巨大かつ荘厳なモニュメントの数々に圧倒された。
いずれも大統領の偉業を顕彰したものだ。ほかにもフランクリン・D・ルーズベルト記念公園、ジョン・F・ケネディ芸術センターなど大統領の名前を冠した施設があちこちにある。
移民によって築き上げられたのが米国だ。モニュメントからは建国の理念が伝わってくる。そのリーダーである大統領の存在の大きさもあらためて認識させられた。
訪米中に古い米映画を思い出した。「スミス都へ行く」。地方出身の青年政治家が理想に燃えて国会へ乗り込むストーリーで、議会制民主主義を謳歌(おうか)した名作とされる。原題を直訳すると「スミス氏ワシントンへ行く」。
今や大統領選の台風の目となったペイリン氏。果たしてワシントンへ行けるか?