スピリチュアル・カウンセラーの江原啓之さんは、霊と交信しカウンセリングするのだという。テレビ番組やカウンセリングに引っ張りだこで、「エハラー」と呼ばれる追っかけもいるほどの人気だが、不思議なことも多い。その一つが人の前世や守護霊。なぜか「中世の賢者、もしくは貴族」が多いこと。ひょっとして、「そう言ってもらった方が霊視される人は嬉しいから」なんてことはないのでしょうね。
アジアやアフリカは滅多に出ない
スピリチュアリズムは日本語では心霊主義と呼ばれる。自身のホームページには『「非科学的』だとして、スピリチュアルな世界を信じようとはしなかった人々も、変わらざるをえないような状況になりつつあります」と書いている。著書は合計で700万部以上も売れている。
しかし、その能力を疑問視する報道も出ている。
「週刊文春」の07年2月1日号には「テレビの中の『わるいやつら』」という特集で江原さんが4ページにも渡って紹介されている。そこには「7つの疑問」が掲載されていて、その一つが「前世や守護霊はどうして中世の賢者や貴族ばかりなのか」という疑問だ。
テレビ朝日系で放送されている「オーラの泉」に出演する芸能人への霊視では公家、武士、巫女、貴族、修道士、思想家などの「職種」が多出している。地理的には日本、英、仏、伊に偏りアジアやアフリカは滅多に出ない。それが一覧表にされている。
地球上には民族も、職種もたくさんあるのに、なぜなのか、まともに考えれば「摩訶不思議」というしかない。
ただ、お笑いタレントの「劇団ひとり」の守護霊は西洋の文学者と「別の星の人」。つまり宇宙人だというのだ。
「『中世の賢者や貴族』って言ってもらった方が嬉しいから」
また、「賢者や貴族」ではない場合もあって、「中村橋之助は歌舞伎役者、千代大海は力士、細川たかしは民謡歌手と、まるで取って付けたような見事なハマりっぷりだ」と同誌では皮肉っている。
ネット上のQ&Aサイト「教えて!goo」や「知恵袋」では、
「霊視される側は『中世の賢者や貴族』って言ってもらった方が嬉しいから」
「そういうご立派な、前世や、守護霊を持つから、今功なり、名を遂げているのでは、ないですか?」
「その辺の時代が好きだから」
「それは彼のボキャブラリの限界なんじゃないですか?ようするに、その守護霊とやらが『名札』を付けている訳じゃないだろうということです」
といった「解説」がされている。
大手新聞OBの科学ジャーナリストはこう話す。
「小池栄子の前世は武家の側室、研ナオコはエジプトの巫女って…顔を見て適当に連想して言ってるとしか思えません。私は、もともと霊とか前世とかは信じないタイプで、こんな事を信じる人がなぜいるのか信じられない」
一方で、江原さんの大ファンという東京在住の30代サラリーマンの男性は、
「人間が生まれ変わるのにかかる年数はおよそ500年です。だから前世や守護霊が中世に偏ってしまうのだと思います」
という。だとしても、一定の地域が多いのはなぜなのか。
要は、「信じるものは救われん」ということだ。