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町田市民病院:小児2次救急を休止 大学病院が医師引き揚げ、当直体制組めず /東京

 町田市民病院(旭町2)は12日、24時間体制で入院が必要な患者を受け入れてきた小児科の2次救急を25日から休止すると発表した。小児科医を確保できず当直体制が組めなくなったためで、期間は当分の間という。市内では市民病院だけが24時間体制で小児科の2次救急患者の診察に当たってきたが、今後は近隣の2次救急指定病院に受け入れを依頼する。【堀智行】

 発表によると、市民病院は01年に都から小児2次救急医療機関の指定を受け、小児科医4人体制で対応してきた。今年1月の段階では5人の小児科医がいたが、4月に女医が産休に入った。さらに7月には市民病院に医師を派遣していた昭和医大が小児科医不足を理由に男性医師を1人引き揚げ、3人体制で対応してきたものの、25日以降の当直体制が組めなくなった。大学病院などに引き続き派遣要請するが再開のめどは立っていない。

 今後は平日午前9時~11時半までの外来診療と入院患者の診療は実施するが、それ以外の時間帯は対応が可能な場合のみ受け入れる。

 市民病院によると、07年に時間外(午後5時~午前8時半)で小児科にかかった人は4605人。このうち入院の必要性があったのは308人(約7%)で、ほとんどが1次救急の患者だった。

 山口洋総院長は会見で「全国的に小児科医が不足する中で、これまで過酷な労働条件の中で頑張ってきたが、3人では当直体制を組めない。早期に再開できるよう検討したい」と話した。

 ◇都内の小児2次救急指定、過去最低の46病院70床

 町田市民病院が小児2次救急の休止を発表したことで、都内の小児2次救急指定病院は過去最低の46病院70床まで減少することになる。

 都小児救急医療係によると、都の小児2次救急医療制度は01年4月に51施設73床で開始。その後新たに参画する病院もあったが、指定病院数は減少傾向が続き、06年には▽中野総合病院(中野区)▽東京臨海病院(江戸川区)▽佐々総合病院(西東京市)▽災害医療センター(立川市)▽共済立川病院--の5院が相次いで休止した。派遣元である大学病院が小児科医不足のため、医師を引き揚げるケースが多いという。

 小児救急医療係の担当者は「都全体では目標としている70床は確保できている。医師確保のため小児医療の診療報酬の改善を国に要望するなどして対応したい」と話した。【堀智行】

〔多摩版〕

毎日新聞 2008年9月13日 地方版

 
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