小児科医が2人から1人に減った県立志摩病院(志摩市阿児町鵜方)周辺の住民が12日県庁を訪れ、小児科医の増員を求める1万1280人分の署名と要望書を堀木稔生(としお)・県健康福祉部長に手渡した。
志摩病院では、医師を派遣している三重大医学部の方針で、小児科医が7月1日から減り、小児科で入院と救急搬送ができなくなった。救急搬送する場合は、鵜方周辺から車で約40分かかる伊勢市の山田赤十字病院まで行く必要がある。
この日、県健康福祉部を訪れたのは、「明日の志摩を考える女性の会」の大東美好(だいとうみよし)代表(49)や鵜方自治会の中西英雄会長(64)など約10人。大東代表たちが「子どもは急病になることが多いので救急搬送体制が必要」「志摩は子どもの観光客も多く、急病やけがなどの際に対応できない」などと訴えると、堀木部長は「県全体でも医師が不足しており厳しい状況だが、増員に向けて努力したい」などと応じていた。【山口知】
〔三重版〕
毎日新聞 2008年9月13日 地方版