独立行政法人・国立病院機構は12日、全国146カ所の旧国立病院で、健康保険組合などに診察報酬を請求する際使う診療報酬明細書(レセプト)並みに詳細な領収書を全患者に無料で発行することを明らかにした。今月から2病院で試行し09年1月以降、順次拡大していく。「レセプト並み領収書」は大規模病院で発行が義務化されているが、有料であることなどから普及が進んでいない。医療現場の情報開示が大きく前進しそうだ。
9月19日以降、西多賀病院(仙台市)と九州がんセンター(福岡市)で投与した薬の種類、検査内容、診療報酬の点数などを明記した領収書を発行する。
400床以上の大規模病院では4月、発行が義務付けられたが▽患者の希望が必要▽手数料を徴収されるケースが多い--ため普及していない。自動精算機で領収書の種類を選択できるトヨタ記念病院(愛知県豊田市)では、患者の約8割が詳細な明細を受領しているといい「医療情報の公開・開示を求める市民の会」代表で中央社会保険医療協議会委員の勝村久司さんは「大学病院や民間病院も倣ってほしい」と話している。【清水健二】
毎日新聞 2008年9月13日 東京朝刊