厚生労働省は12日、08年度の地域別最低賃金の引き上げなどの答申状況をまとめた。全国平均の引き上げ額(時給)は昨年を2円上回る16円となり、平均額は703円と初めて700円台に乗った。
まとめによると、引き上げ額は7円(徳島県)から30円(神奈川県)の幅があった。賃金額(時給)では東京、神奈川が最も高い766円で、大阪748円、愛知731円が続いた。低いのは宮崎、鹿児島、沖縄県が627円だった。最も高い地区と低い地区の差は昨年の121円から139円に広がった。
今年の最低賃金決定には法改正で、生活保護費との乖離(かいり)の解消が取り入れられたこともあり、最低賃金底上げの方向に働いた。上げ幅が最大の神奈川県は生活保護費との乖離が89円あり、3年かけてその差を埋めるため30円の引き上げとなった。所定の手続きを経て、10月中にはほぼ全国で新最低賃金がスタートする。【東海林智】
毎日新聞 2008年9月12日 東京夕刊