県は11日、補助金などを除く自治体の収入に対する借金返済額を表す「実質公債費比率」など、07年度決算に基づく県と41市町の財政判断指標の速報値を発表した。県の実質公債費比率は前年度より0・8ポイント向上して11・6%。市町でも「イエローカード」にあたる早期健全化基準(実質公債費比率25%、将来負担比率・市町村350%、県・政令市400%)に達した自治体はなかった。【稲生陽】
ただ、公営企業で大幅な赤字を出している熱海市では、全会計連結の実質収支が赤字となり、連結実質赤字比率は3・84%だった。
各指標は地方公共団体財政健全化法に基づく数値で、今回から自治体の財政の規模に対して、借金の残高や職員の退職金の支払い予定額など将来見込まれる負担額の大きさを表した「将来負担比率」も計算した。来年度からは数値が健全化基準に達した場合、健全化計画の策定が義務付けられる。
県自治財政室は「行政サービスのためには、比率が低いほどいいというわけではなく、手放しでは喜べない」としている。
今回から、病院や水道などこれまで見えにくかった公営企業の赤字を示す「資金不足比率」も公表された。県と政令市を含む163の公営企業会計のうち、07年度決算で資金不足だったのは熱海市の水道・温泉事業と、内部留保のなくなった公立3病院の計5会計だった。
同比率は事業規模に対する資金不足額の割合。資金が不足したのは、熱海市の水道事業(37・7%)▽同市の温泉事業(56・2%)▽沼津市立病院(3・3%)▽藤枝市立総合病院(3・5%)▽榛原総合病院(7%)。特に熱海市の2会計は経営健全化基準の20%を大幅に超えた。同市財政室は「値上げして対応していく」と説明した。
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【実質公債費比率が高い自治体】
(1)菊川市 19.7
(2)牧之原市 19.2
(3)下田市 17.4
(4)藤枝市 16.8
(5)掛川市 16.5
【将来負担比率が高い自治体】
(1)県 247.3
(2)牧之原市 148.7
(3)藤枝市 144.4
(4)菊川市 144.3
(5)掛川市 141.7
【主な自治体の数値】
県 11.6 247.3
静岡市 11.2 108.2
浜松市 12.9 117.3
沼津市 8.3 96.1
熱海市 8.2 104.1
(単位・%。主な自治体の数値は実質公債費比率、将来負担比率の順)
毎日新聞 2008年9月12日 地方版