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【群馬】

『時間外料金』新設へ 前橋赤十字病院救命救急センター

2008年9月12日

 前橋赤十字病院(前橋市朝日町)は十一日、今年十二月以降の夜間や休日に高度救命救急センターを訪れた軽症患者から「時間外診察」の料金として三千九百九十円を新たに徴収すると発表した。外来の軽症患者の数を抑制し、入院や手術が必要な重症患者の診療に専念できる環境を整えるのが目的。病院側は「質の高い救急医療を提供するためにはやむを得ない措置」として理解を求めている。 (中根政人)

 新設する時間外料金は、入院を必要としない患者が、平日午前八時半から午後五時二十分を除く時間や、土日祝日、年末年始などに来院した場合、保険診療費とは別に徴収される。入院が必要な患者や救急外来受診のための紹介状を持参した患者は対象外となる。

 同病院は、治療の緊急性が高い重症患者を取り扱う「三次救急」の医療機関に指定されているが、入院や手術を必要としない軽症患者も多く訪れるため、現場が慢性的に“医師不足”の状態に陥っているのが現状だ。昨年度は約二万四千人の患者を受け入れたが、そのうち重症でなかった患者は約一万九千人に上った。

 時間外料金の導入は、日本赤十字社の病院では徳島赤十字病院に次いで二例目。県医務課によると、県内の三次救急医療機関では初めてという。

 前橋赤十字病院は「利益追求が目的ではない」と強調。「軽症患者が増え続ければ、症状の重い患者の受け入れを断ることにつながってしまう。緊急性の高い患者を優先して治療できる体制を確保し、高度救命救急センターの機能向上につなげたい」としている。

 

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