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アジアに広がる焼酎ブーム 日系駐在員から浸透

ベトナムのスーパーには日本並みに焼酎や日本酒が並ぶ=ハノイ市のハノイ西友で
ベトナムのスーパーには日本並みに焼酎や日本酒が並ぶ=ハノイ市のハノイ西友で

 焼酎ブームがアジア諸国に広がり始めた。日系企業の駐在員から伝わったのがきっかけだが、焼酎や泡盛のルーツは東南アジアという説もあり、現地の人にもなじみやすいようだ。輸出量はまだ少ないが、本場・九州の焼酎メーカーには輸出拡大に向けて急きょ海外部門を設ける動きもある。人気が高いのは日本と同じく芋焼酎だが、日本でも品薄気味なだけに輸出量は少なく、現地では手に入りにくいという。

 ベトナムの首都ハノイにある日系スーパー、ハノイ西友。店の一番奥の棚には、日本国内のスーパーと見間違うほど、焼酎や日本酒などがずらりと並ぶ。900ミリリットルの麦焼酎が日本円で3500円と安くはない。

 それでも「日本レストランだけでなく、最近は現地の人も買っていく」と飲料担当のレイ・ズンさん(26)。酒類の売上高は前年並みだが、焼酎は10%増の勢いという。

 ベトナムに進出した日本企業の04年の投資額は前年の3倍に増えた。政府の途上国援助による道路や橋の建設も続き、駐在する日本人は多い。

 芋焼酎「さつま白波」などを輸出する薩摩酒造(鹿児島県枕崎市)の総生産量のうち輸出は1%未満だが、5年前の3倍に増えた。大半はアジア向け。西一郎商事部長は「現地の人が飲み始めた。とくに東南アジアはブームに近い」と驚く。

 麦焼酎「いいちこ」を造る最大手の三和酒類(大分県宇佐市)は昨春、中国の上海と北京向けに出荷を始めた。初年度は10万本(720ミリリットル入り)の予定で、1年目の出荷量としては過去の米国やシンガポールを上回る。昨夏には専任の海外担当者を設けた。

 鹿児島市の小正醸造も昨年4月に海外事業部を新設。香港など9カ国への輸出に備える。担当部長は「最初は在留邦人向けと考えていたが、中国人も焼酎に注目している」と話す。

 海外進出の背景には、日本市場の先行きへの不安もある。シンガポールなどに麦焼酎を出荷する神楽酒造(宮崎県高千穂町)の荒牧賢二海外事業部長は「少子化の進む日本は市場が縮小する。海外で一番ブランドを築く先行投資の時期だ」と意気込む。

 ただ、アジアでも芋焼酎は入手困難。ベトナムのホーチミン市ですしハウスを経営する中村一郎さん(56)は「芋の人気が高いが、なかなか手に入らない」と困惑気味。雲海酒造(宮崎市)の担当者は「国内でも不足気味の芋は、輸出は無理。海外には待ってほしいというしかない」と話す。

 宮崎県産業貿易振興協会の藤本哲也事務局長は「昨年からアジア向けの焼酎輸出は伸び始めた。清酒に続き、今後も海外市場に注目するメーカーは増える」とみている。

(01/21)





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