2008年09月12日
商法１（デイタイム）の採点基準に関する補足
今回の商法１（デイタイム）の結果について、かなり強い疑義が１件、教務を通じて提示されましたので、それに対して、回答するとともに、本人の答案の画像をpdfファイル化したものも送付いたしました。
疑義の内容をそのまま書くと以下のようなものです。
�，泙此△海良垈弔良床舛鮗�けた解答用紙が自分の解答用紙であることを自分の目で確認したいです。（まず、その解答が自分のものであるということが確認できない限り、いくら不可に至る説明をしていただいても納得できません。）他の人と間違っていないかを確認したいです。
�△覆蕊垈弔覆里�の説明をしていただきたいです。どの記述のなにが間違っているのか、もしくは不足しているのか解答内容について一問ずつ詳しく説明してほしいです。（私は今まで本試験で単位を落としたことがありません。ましてや事前に問題提示された試験で落とすということは不可能です。しかも解答は、六法全書・教科書を参考にしてまとめました。間違った内容は書いてないと思います。記述すべき要点は書いたはずです。それに１０問とも全て解答しました。解答以外に余計なことを書いた覚えもありません。）
�Ｂ召亮�験者の解答（成績評価が可の人）と比べて何が劣っているのか明確に確認したいです。（明らかに私の解答よりそちらの解答が劣っていながら、可以上になっている場合、納得できません。実際に友人に一問はだめだったと言っている人で可になった人がいます。）
�つ樟棔∋笋硫鯏�を目の前において、この部分がどうだこうだと説明していただきたいです。（このように事務を通している限り、どこかでまた手違いが発生する可能性があります。）
お忙しいとは思いますが、以上４つの事項についてご検討いただきたく存じます。
上記は原文ママです。今回の結果を受けて、同じような気持ちの人も多いのではないかと思いました。
そこで、当該申立学生に対する回答をそのままここで公表することで、全問解答したのに不可になった人で、かつ論述内容にそれなりに自信があった人の具体例として紹介し、何が不可の要因になったのかという解説に代えたいと思います。
おそらく、採点基準に納得がいかなかった人に対して、それなりの明確な指針になるのではないでしょうか。
それでは、以下、私の回答をそのまま転載致します。
�，砲弔い董４岼磴い覆�あなたの答案です。
�△砲弔い董４岼磴辰討い襪噺世Δ茲蠅呂爐靴輒蟻未糞�述および、論点についての言及で足りない部分があるのです。
以下設問順に指摘いたします。
１．あなたは約款解釈の拘束力についての根拠をどうとらえるかに関する学説の分類を述べているだけで、私が約款についての講義および最終回の講義で、約款の制限的解釈による裁判所の現在の動向について言及しないと拘束力についての解答としては不完全だよと強調したにも関わらず、全くふれておられません。
２．単に条文を口語訳しただけで、「固有の商人と擬制商人のちがい（原文ママ）は商人資格を認められる実体法上の根きょ（原文ママ）であり、同じ部分は、商人に関する商法の規定が全く区別なく適用されるところである」と解答されておられますが、これは前段部分は明らかに条文が１項と２項だということを指摘しただけの論述であり、大して意味はなく、また後段部分については、講義で言及したように、商行為に関する商法の条文の適用はどうなるのかについての解答がなされておりません。
３．「投機売却は不動産に関しては権限がないことである」と書かれておられますが、これは文章の意味が全く私には解りません。『権限』の用い方を誤っているとしか言いようがありませんし、「不動産はその性質上、投機売却にはなじまないため、商法５０１条２号では対象とされていない」という文章であれば、完全な正解として扱っていたでしょう。
４．開業準備行為の附属的商行為性についての趣旨を述べているだけで、講義でわざわざ解答例まで示した、判例の客観的営業意思認識可能説についての言及が全くなされておられません。
５．６．はともに、譲渡人の債務者と、譲受人との関係についての言及が一切ありません。これも講義で対債権者関係、対債務者関係に分けて論じないとダメですよと強調した点ですが、あなたは対債務者関係については何も論じておられません。
７．「これは明示でなく、黙示であってもよいので、黙示の許諾といわれる」とお書きになっていますが、これが黙示の許諾の説明になっているとお考えですか？私は講義で何度も「黙示の許諾とは何かを論じられるようにだけはしておいてくださいね」と言ったはずですが。
８．これは、１２条２項についての指摘自体は正しいのですが、わずか２行足らずではあまりにも解答として不十分です。せめて、１項で記載されている自己の名称を無断で使用された者が取り得る損害の救済手段くらいは書いてほしかったです。例えば民法７０９条に基づく不法行為による損害賠償請求はできる、また今後は差し止めは憲法の人格権に基づいて行うといった解釈が必要となるというようなことです。これらは２つとも合格した人たちはみな書いておられます。
９．これは他の合格者とそれほど大差はないので、否定的には評価しておりません。どの合格者も私が論じてほしかった点を大して書けておりませんでした。ただ、内部的な制限について、善意無過失の第三者に対抗できないという点はたいていの合格者は論じておられましたが、あなたの解答にはありませんでした。
１０．「一つの営業に複数の商号はつけれない（原文ママ。正しくは「つけられない」）。商号自由主義を規定する１２条に違反するからである」とお書きになっていますが、これは明らかな条文の誤りで、商号自由主義を規定するのは１１条です。これなんかは、六法の参照がその場で可能であるにも関わらず、なぜ間違うのかが私には不可解でなりません。
以上が、各設問についてのコメントです。
���い砲弔い董Ｂ召凌佑硫鯏�を見せることは明らかに個人情報保護の観点から無理ですが、あなたの答案についてのコメントが嘘でないことを証明するのは解答用紙をスキャンしてpdfファイルにすれば済むので、容易ですが、あなたもここまでの疑問を呈する以上、自分の書いた答案内容くらいは覚えていらっしゃるでしょうから、特にスキャンの要請があれば格別、そうでない場合には、この回答でどうか納得していただきたいと思います。
と回答したところ、答案をどうしても確認したいということでしたので、pdfファイルにして教務に送付致しました。
どうでしょうか？ 以上のコメントから、不可になった受験生は、自分の解答はどうだったかを思い出して照らし合わせてみて下さい。
とにかく、一番目だった減点対象は、六法参照可でありながら、条文の要件ミス、条文番号ミス、条文の内容ミスなどが多発していたことです。
ただ、これは、試験監督をしていた際に感じたことですが、デイタイムでは、ほとんどの受験生が六法を机上に置きはしているものの、開いて確認している様子はあまり見られませんでしたから、そのせいかなとも思っています。
つまり、自分の暗記してきたことを思い出しながら書くだけで、それを見直す、あるいは確認する作業を怠ったがために生じたミスではないかということです。
これはとてももったいないことです。
フレックスの試験ではかなりの受験生が、実際に六法を開いて目で追いながら、答案を構成しておりました。そういったわずかな行為の差が、実際の採点結果にも反映されたように感じます。
これらの指摘・講評が、秋学期の商法２の受講ならびに受験に際して参考になれば幸いです。
もちろん、履修変更を行われるのはみなさんの自由です。
ただし、繰り返しになりますが、私は各評価の割合を決めてはおりませんので、例えば、講義に一回も出席してなくて友達のノートをコピーさせてもらって、それで合格しようが不合格になろうが、他の受験生には一切影響しません。それに対して、評価割合が決まっている先生の場合ですと、前記のような受験生が仮に可で合格した場合、その分、可の人の割合が変動します。
私は、よく受講生の声として、講義に一度も出てなかったりした履修者が合格したり、毎回出席した自分より高評価になるのは納得がいかないとか何かしら不公平な気がするといったことを耳にしてきましたので、他人の合否や評価がどうであろうと一切自分には影響しないという形で判定をしてきております。したがって、みんなができていれば、みんなが優でもかまわないと思っております。不可にする割合をあらかじめ決めておくといった合格定員制は今のところ、用いるつもりはありませんのであしからずご了承下さい。
疑義の内容をそのまま書くと以下のようなものです。
�，泙此△海良垈弔良床舛鮗�けた解答用紙が自分の解答用紙であることを自分の目で確認したいです。（まず、その解答が自分のものであるということが確認できない限り、いくら不可に至る説明をしていただいても納得できません。）他の人と間違っていないかを確認したいです。
�△覆蕊垈弔覆里�の説明をしていただきたいです。どの記述のなにが間違っているのか、もしくは不足しているのか解答内容について一問ずつ詳しく説明してほしいです。（私は今まで本試験で単位を落としたことがありません。ましてや事前に問題提示された試験で落とすということは不可能です。しかも解答は、六法全書・教科書を参考にしてまとめました。間違った内容は書いてないと思います。記述すべき要点は書いたはずです。それに１０問とも全て解答しました。解答以外に余計なことを書いた覚えもありません。）
�Ｂ召亮�験者の解答（成績評価が可の人）と比べて何が劣っているのか明確に確認したいです。（明らかに私の解答よりそちらの解答が劣っていながら、可以上になっている場合、納得できません。実際に友人に一問はだめだったと言っている人で可になった人がいます。）
�つ樟棔∋笋硫鯏�を目の前において、この部分がどうだこうだと説明していただきたいです。（このように事務を通している限り、どこかでまた手違いが発生する可能性があります。）
お忙しいとは思いますが、以上４つの事項についてご検討いただきたく存じます。
上記は原文ママです。今回の結果を受けて、同じような気持ちの人も多いのではないかと思いました。
そこで、当該申立学生に対する回答をそのままここで公表することで、全問解答したのに不可になった人で、かつ論述内容にそれなりに自信があった人の具体例として紹介し、何が不可の要因になったのかという解説に代えたいと思います。
おそらく、採点基準に納得がいかなかった人に対して、それなりの明確な指針になるのではないでしょうか。
それでは、以下、私の回答をそのまま転載致します。
�，砲弔い董４岼磴い覆�あなたの答案です。
�△砲弔い董４岼磴辰討い襪噺世Δ茲蠅呂爐靴輒蟻未糞�述および、論点についての言及で足りない部分があるのです。
以下設問順に指摘いたします。
１．あなたは約款解釈の拘束力についての根拠をどうとらえるかに関する学説の分類を述べているだけで、私が約款についての講義および最終回の講義で、約款の制限的解釈による裁判所の現在の動向について言及しないと拘束力についての解答としては不完全だよと強調したにも関わらず、全くふれておられません。
２．単に条文を口語訳しただけで、「固有の商人と擬制商人のちがい（原文ママ）は商人資格を認められる実体法上の根きょ（原文ママ）であり、同じ部分は、商人に関する商法の規定が全く区別なく適用されるところである」と解答されておられますが、これは前段部分は明らかに条文が１項と２項だということを指摘しただけの論述であり、大して意味はなく、また後段部分については、講義で言及したように、商行為に関する商法の条文の適用はどうなるのかについての解答がなされておりません。
３．「投機売却は不動産に関しては権限がないことである」と書かれておられますが、これは文章の意味が全く私には解りません。『権限』の用い方を誤っているとしか言いようがありませんし、「不動産はその性質上、投機売却にはなじまないため、商法５０１条２号では対象とされていない」という文章であれば、完全な正解として扱っていたでしょう。
４．開業準備行為の附属的商行為性についての趣旨を述べているだけで、講義でわざわざ解答例まで示した、判例の客観的営業意思認識可能説についての言及が全くなされておられません。
５．６．はともに、譲渡人の債務者と、譲受人との関係についての言及が一切ありません。これも講義で対債権者関係、対債務者関係に分けて論じないとダメですよと強調した点ですが、あなたは対債務者関係については何も論じておられません。
７．「これは明示でなく、黙示であってもよいので、黙示の許諾といわれる」とお書きになっていますが、これが黙示の許諾の説明になっているとお考えですか？私は講義で何度も「黙示の許諾とは何かを論じられるようにだけはしておいてくださいね」と言ったはずですが。
８．これは、１２条２項についての指摘自体は正しいのですが、わずか２行足らずではあまりにも解答として不十分です。せめて、１項で記載されている自己の名称を無断で使用された者が取り得る損害の救済手段くらいは書いてほしかったです。例えば民法７０９条に基づく不法行為による損害賠償請求はできる、また今後は差し止めは憲法の人格権に基づいて行うといった解釈が必要となるというようなことです。これらは２つとも合格した人たちはみな書いておられます。
９．これは他の合格者とそれほど大差はないので、否定的には評価しておりません。どの合格者も私が論じてほしかった点を大して書けておりませんでした。ただ、内部的な制限について、善意無過失の第三者に対抗できないという点はたいていの合格者は論じておられましたが、あなたの解答にはありませんでした。
１０．「一つの営業に複数の商号はつけれない（原文ママ。正しくは「つけられない」）。商号自由主義を規定する１２条に違反するからである」とお書きになっていますが、これは明らかな条文の誤りで、商号自由主義を規定するのは１１条です。これなんかは、六法の参照がその場で可能であるにも関わらず、なぜ間違うのかが私には不可解でなりません。
以上が、各設問についてのコメントです。
���い砲弔い董Ｂ召凌佑硫鯏�を見せることは明らかに個人情報保護の観点から無理ですが、あなたの答案についてのコメントが嘘でないことを証明するのは解答用紙をスキャンしてpdfファイルにすれば済むので、容易ですが、あなたもここまでの疑問を呈する以上、自分の書いた答案内容くらいは覚えていらっしゃるでしょうから、特にスキャンの要請があれば格別、そうでない場合には、この回答でどうか納得していただきたいと思います。
と回答したところ、答案をどうしても確認したいということでしたので、pdfファイルにして教務に送付致しました。
どうでしょうか？ 以上のコメントから、不可になった受験生は、自分の解答はどうだったかを思い出して照らし合わせてみて下さい。
とにかく、一番目だった減点対象は、六法参照可でありながら、条文の要件ミス、条文番号ミス、条文の内容ミスなどが多発していたことです。
ただ、これは、試験監督をしていた際に感じたことですが、デイタイムでは、ほとんどの受験生が六法を机上に置きはしているものの、開いて確認している様子はあまり見られませんでしたから、そのせいかなとも思っています。
つまり、自分の暗記してきたことを思い出しながら書くだけで、それを見直す、あるいは確認する作業を怠ったがために生じたミスではないかということです。
これはとてももったいないことです。
フレックスの試験ではかなりの受験生が、実際に六法を開いて目で追いながら、答案を構成しておりました。そういったわずかな行為の差が、実際の採点結果にも反映されたように感じます。
これらの指摘・講評が、秋学期の商法２の受講ならびに受験に際して参考になれば幸いです。
もちろん、履修変更を行われるのはみなさんの自由です。
ただし、繰り返しになりますが、私は各評価の割合を決めてはおりませんので、例えば、講義に一回も出席してなくて友達のノートをコピーさせてもらって、それで合格しようが不合格になろうが、他の受験生には一切影響しません。それに対して、評価割合が決まっている先生の場合ですと、前記のような受験生が仮に可で合格した場合、その分、可の人の割合が変動します。
私は、よく受講生の声として、講義に一度も出てなかったりした履修者が合格したり、毎回出席した自分より高評価になるのは納得がいかないとか何かしら不公平な気がするといったことを耳にしてきましたので、他人の合否や評価がどうであろうと一切自分には影響しないという形で判定をしてきております。したがって、みんなができていれば、みんなが優でもかまわないと思っております。不可にする割合をあらかじめ決めておくといった合格定員制は今のところ、用いるつもりはありませんのであしからずご了承下さい。