米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の汚染米転売問題で、京都市は12日までに殺虫剤・メタミドホスに汚染されたとみられる餅精米が流通していた市内の高齢者施設や医療施設など10施設を立ち入り検査し、このうち保育園と老人保健施設の計2カ所に残っていた給食用の米から、食品衛生法の基準(0.01ppm)の2倍に当たる0.02ppmのメタミドホスを検出した。
市は「この米を使った食品を食べても、健康への影響はない」としている。
市は福岡県や大阪府からの連絡を受け、10、11両日に立ち入り検査を実施し、10施設のうち4施設で汚染米が残っているのを確認。3施設で抜き取り検査をしたところ、「上賀茂保育園」(京都市北区)と介護老人保健施設「洛和ヴィライリオス」(同市中京区)にあった米からそれぞれ0.02ppmのメタミドホスを検出した。残る1施設の米からは検出されなかった。
市内の10施設はいずれも大阪府摂津市の食品卸業者「大和商会」から汚染米を仕入れており、同保育所は07年12月~今年8月に計13キロを、同施設では今年5~8月に計10キロを購入。いずれも、赤飯などの材料に使っていた。
同保育園では12日午後7時半から、緊急の保護者会を開催。池田岩太園長は「安全な食品が確実に届く仕組みにしてほしい」と話した。同施設を運営する法人の松田義史・経営管理部首席課長は「どうチェックしていいか分からない」と困惑していた。【武井澄人、小川信】
毎日新聞 2008年9月12日 21時14分(最終更新 9月12日 21時21分)