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【国際】

「ロシア兵を装い略奪」 ロシア発表、グルジアは否定

2008年8月18日 夕刊

 【モスクワ=酒井和人】停戦が成立したグルジア情勢に絡み、ロシア国防省は17日、同国が制圧しているグルジア中部ゴリで、グルジア政府がロシア兵を装い、市民への略奪行為を計画していたと明らかにした。ロシア通信が伝えた。グルジア内務省は即座に否定声明を出した。

 同領内からのロシア軍撤退はメドベージェフ大統領の決定で18日正午ごろ開始される見通しだが、グルジア側は「情報操作は駐留継続のため」として危機感を募らせている。

 ロシア側によると、ロシア軍服を着用したグルジアの傭兵(ようへい)部隊が略奪を行い、メディアを通じてロシアの残虐性をアピールする計画だったという。

 ゴリでの略奪については既に難民の証言のほか、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が17日「大規模な兆候があった」と報告している。

 ロシア側は停戦合意後もこうした行為を防ぐ「治安維持」などを理由にゴリでの駐留を継続。AFP通信によると、ゴリのロシア軍部隊司令官は同日、「軍撤退の代わりにロシア平和維持部隊が入る」と述べ、18日以降も事実上の軍部隊の駐留に含みを持たせた。

 一方、欧州連合(EU)議長国のフランスのサルコジ大統領は17日、フィガロ紙(電子版)でロシアが即時撤退しなかった場合、臨時の欧州理事会を招集し、対応を協議することを明らかにした。

 

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