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【静岡】

静岡空港の開港に影響 反対住民所有地の構造物規制域に立ち木

2008年9月12日

 静岡空港(島田市、牧之原市)の建設地周辺で、航空機の安全飛行のため航空法で制限された高さを超える立ち木が残っていることが分かった。建設に反対する住民の所有地内で「伐採には応じられない」としており、来年3月の開港予定に影響する可能性も出てきた。

 静岡地裁で11日開かれた、空港の土地収用をめぐる訴訟で、国側が認めた。県も閉廷後の本紙の取材に事実関係を認めた上で、開港日への影響については「係争中なのでコメントできない」とした。

 問題の土地は空港建設地の西側にあり、面積は10数平方メートル。所有者の大井寿生さん=島田市湯日=によると、約40本の立ち木が、航空機の安全確保のため建築物や構造物を設けられない空間の「制限表面」に1メートルほど突き出ているという。

 県空港部のこれまでの説明によると、県は今秋、国の完成検査を受け、12月中に合格する予定だった。完成検査は、空港施設が適切に整備されているかどうかを確認する手続きで、合格しないと開港できない。

 制限表面を超える立ち木をめぐっては、今回と隣接する土地で、県が強制的に収用して伐採を始める手続きを開始した後、地権者側が自主伐採に応じた経緯があった。しかし、今回の土地についてはこれまで収用対象にもなっていなかった。

 県はこれまで地滑り対策を理由に問題の土地の立ち木の伐採を、大井さんに繰り返し求めている。県空港部は「伐採はあくまで地滑り対策のため」と主張している。

 ■制限表面■ 航空機の安全運航のため障害物がない状態にしておかなければならない空港周辺の空間。航空法49条は、制限表面の上に出る高さの建造物や植物などの物件を置いてはならないと定めている。

 

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