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金総書記重病説:「情報収集能力、韓国が米国より上」

 国内外の情報当局は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の重病説について、どのような手段を通じて情報を把握しているのだろうか。

 一国の最高指導者の健康問題は、各国の情報機関にとって最も重要な情報となる。しかし、金総書記の私生活は徹底してベールに包まれている上、北朝鮮社会そのものが閉鎖的であるため、金総書記の関連情報の収集にはほかの国以上の努力を傾けているという。

 まず情報機関は、対人接触を通じた「ヒューミント」(人的情報)を最も正確な情報として扱っている。金総書記の側近を「情報要員」として活用し、必要な情報を収集するのだ。韓国の情報当局にも、北朝鮮内に「管理」している人脈があるとされている。一部では「ここ10年間にわたって対北情報網が弱体化し、最近ではヒューミントもままならない」と指摘する声もあるが、情報関係者らは「北朝鮮情報の収集能力は、米国などの主要国よりも一歩リードしている」と話している。

 また、衛星による撮影や盗聴など、電子装備を用いた情報収集も重要な手段とされている。自動車のナンバープレートまで識別することができる米国の人工衛星は、毎日数千枚の写真を撮影し、金総書記の身辺の変化を観測している。金総書記の執務室、金総書記が主に利用する病院や休養所、別荘などが主な監視対象となる。

 韓国政府は、北朝鮮軍内部の通信・通話や、平壌首脳部を含む北朝鮮の主要施設内の通信・通話内容を把握している可能性が高い。ある外交消息筋は「特に金総書記の長男、金正男(キム・ジョンナム)など北朝鮮の重要人物が海外に出国した際に平壌と通話する内容が、重要な情報源となる」という。

 また、金総書記の診療のために北朝鮮を出入りしている外国の医療陣も、重要な情報源となる。これらの医療陣は、訪朝後に当該国の機関に「協力」しており、ここで得られる情報は関連国の間で共有されているという。昨年5月にドイツの医療陣が訪朝し、金総書記の心臓手術に立ち会ったという情報も、こうした経路を通じて流出したという。

 このほか各国の情報機関は、北朝鮮の海外公官を通じて北朝鮮に持ち込まれる医薬品や医療装備から、金総書記の健康状態を把握している。

イム・ミンヒョク記者

【ニュース特集】金総書記重病説

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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