| ※1 |
国内共同研究グループ |
| 東京大学大学院・農学生命科学研究科(経塚淳子准教授)、理研植物科学研究センター・植物免疫研究グループ(白須賢グループディレクター、吉田聡子研究員)、大阪府立大学大学院・生命環境科学研究科(秋山康紀准教授)、宇都宮大学・雑草科学研究センター(米山弘一教授)ほかとの共同研究による。 |
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| ※2 |
根寄生植物 |
| 別名「ウィッチウィード」(魔女草)とも呼ばれる根寄生性雑草。植物から分泌されるストリゴラクトンを認識して発芽して、近くの植物の根に寄生し、宿主植物から栄養を吸収する。ストリゴラクトンがなければ発芽できず、種子の状態で何年も休眠したまま生存し続ける。ストライガに寄生された植物は著しく生育が抑制される。特にアフリカでは、ソルガムやトウモロコシなどの農作物における被害が大きく、ストライガの撃退は食糧生産上、重要な課題となっている。ストライガは主に単子葉植物に寄生するが、双子葉植物に対する寄生雑草としてはオロバンキ(ヤセウツボ)が知られている。 |
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| ※3 |
アーバスキュラー菌根菌 |
| 菌根とは、菌類が植物の根に侵入して形成する共生体を指し、菌根を作る菌類を菌根菌という。アーバスキュラー菌根菌は、根の細胞内に侵入し樹枝状体(アーバスキュル)と呼ばれる構造を形成するとともに、根の外部に菌糸を伸ばす。陸生植物の大多数(80%以上)がアーバスキュラー菌根菌の宿主であるといわれている。アーバスキュラー菌根の機能としては、リンなどの無機栄養の吸収促進、水分吸収の促進などが挙げられる。このため、アーバスキュラー菌根が作られると作物は乾燥に強くなり、栄養分の乏しい土地でも育ちが改善される。 |
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| ※4 |
頂芽優勢 |
| 頂芽が生長しているときは、腋芽の生長は抑制される。これを頂芽優勢という。頂芽を切除すると腋芽は生長抑制から解放されて生長を開始する。オーキシンという植物ホルモンが頂芽で合成されて下方に移動して腋芽の生長を抑制し、反対にサイトカイニンという植物ホルモンは腋芽の生長を促進する。従来、頂芽優勢はこれら2種類の植物ホルモンによる作用で説明されてきた。 |
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| ※5 |
カロテノイド酸化開裂酵素(carotenoid cleavage dioxygenase: CCD) |
| カロテノイドは炭素数40のテルペノイドの1種で、植物では色素体(葉緑体)中で生合成される。トマトのリコペンやニンジンに多く含まれるβ-カロテンはカロテノイドの1種である。2重結合を多く含むため抗酸化作用が強く、動物では食餌から吸収されてビタミンAとなる。カロテノイド酸化開裂酵素(CCD)は、カロテノイドの特定の二重結合を酸化的に開裂してアルデヒドまたはケトンを生成する酵素である。高等植物のCCDにはいくつかのグループがあり、大きく分類すると、揮発性香気成分の合成に関わるCCD1、植物ホルモンの1つアブシジン酸の生合成にかかわる9-cis-エポキシカロテノイド開裂酵素(NCED)、今回報告した枝分かれ抑制ホルモン(ストリゴラクトン)の生合成に関わるCCD7とCCD8などがある。 |
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| ※6 |
質量分析計 |
| 試料をイオン化し、化合物の質量電荷比(質量を電荷数で割った値)を求める分析装置。既知物質の同定や定量に利用される。高感度な検出が可能であるため、ホルモンのような生体中の微量物質の分析に有用な方法である。 |