オウム元信者:端本被告の死刑確定へ 最高裁が上告棄却

端本被告
端本被告

 坂本堤弁護士一家殺害、松本サリン、サリンプラント製造の3事件で殺人罪などに問われ1、2審で死刑判決を受けた元オウム真理教信者、端本悟被告(40)に対し、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)は26日、上告を棄却する判決を言い渡した。松本サリン事件実行役では初めて死刑が確定する。小法廷は「犯行の動機は教団の組織防衛で、人命軽視も甚だしく反社会性が極めて強い。責任は極めて重大」と述べた。

 オウム事件での死刑確定は▽坂本弁護士事件の実行役で元幹部、岡崎一明(47)▽松本智津夫(麻原彰晃)(52)▽地下鉄サリン事件の実行役で元幹部、横山真人(44)--の各死刑囚に次ぎ4人目。教団の3大事件とされる坂本弁護士事件と松本、地下鉄両サリン事件のすべてで、少なくとも1人の実行役の死刑が確定する。

 弁護側は上告審で「松本死刑囚や教団にマインドコントロールされており、事件に関与しないことは不可能だった」と死刑回避を求めていた。小法廷は直接これに触れず「従属的・追随的に犯行に参加したことなどを十分考慮しても、死刑を是認せざるを得ない」と指摘した。

 1審・東京地裁(00年7月)、2審・東京高裁(03年9月)の判決によると、端本被告は松本死刑囚に武道の腕を買われて89年11月、坂本弁護士襲撃の指示を受け、教団幹部ら5人と共に一家3人を殺害。94年6月の松本サリン事件では、サリン噴霧車の運転と、警察が介入した場合の警護役として関与、7人を殺害し4人に重症を負わせた。【高倉友彰】

毎日新聞 2007年10月26日 16時39分(最終更新 10月26日 20時59分)

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