秋の修学旅行シーズンになりました。わが家の長男も小学六年。十月初旬から一泊二日の日程で、近畿地方に行くそうで、お土産を何にするか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで何に乗るか、頭を悩ませているようです。
そんな時、気になる話を耳にしました。お土産に充てるお小遣いについて。学校で四千円までと決まっていて、それに従うのが当然と考えていました。
ところが、お隣の小学校では「そんなまじめな子はいない」とのこと。いくら持たせるかを保護者同士で相談しているのだそうです。「一万円持たせたら全部使ってしまう」「中には二万円持って行く子も」
「何で」。耳を疑いました。お父さんの小遣いにも相当する額を、子どもが一泊二日で使う。「そんなんでいいの?」
考えてみてください。四千円持っていって、その中で誰に何が買ってあげられるか考えながら、やり繰りすることは、そんなに恥ずかしいことなのでしょうか。逆に、親の財力や見栄を張って、他の子より多く小遣いを与え、優越感に浸る必要がどこにあるのでしょうか。
三十年前。遠足のおやつの予算が三百円だった時代。小学生だった私は、バナナやジュースはおやつなのか、かなり悩みました。決められた額でいいじゃないですか。子どもたちは、たくさんの高価なお土産よりも、もっとすてきな思い出を持ち帰ってくれることでしょう。
(倉敷支社・斎藤章一朗)