February 19, 2004
新生銀行再上場、リップルウッドは高笑い、日本国民は無知のバカ
【新生銀行上場、売出525円、初値872円】
いまだに忘れられません、1999年のあの時。
旧長銀が国有化され、そして公的資金を突っ込んで顕在化している不良債権をクリアにし、最後はリップルウッド系に10億円で譲渡(その後、リップルによって1200億円の増資)。
不良債権処理や資本増強等で公的資金4兆円を突っ込み、さらに瑕疵担保条項で1兆円弱の負担。
ここまでやって、今回新生銀行は、というか、リップルウッドは普通株30%売出で、2300億円市場から資金調達。
追加投資はしていないので、既に1000億以上のキャピタルゲイン。さらに含みで、9000億円。
これで、ええんかい? 本当に。
現経営陣がこの4年の功績は
・不良債権の積極顕在化 → 買戻し請求
これに尽きます。もちろん、
・リテールの新しいマーケティング
・金融アレンジ等のフィービジネスの強化
等もやっていますが、全体の収益から見ればゴミみたいなもんです。現在の業務収益の半分以上は旧長銀時代の優良貸出債権による利息収入。
夕刊フジ的に、過激に言ってしまえば、
「税金を5兆円(厳密に言えばあと2兆円プラス)投入して、税金を払っていない外国人に1兆円、かなりのローリスクで儲けさせた」
いや、そのまんまです。
もう、時効ですから書きますが、当時、私はリップルとは、別の買収先のチームに所属しておりました。 あの当時は、どの都市銀行もあまりの不良債権の額に、心理的に相当保守的というか、余裕がない状態でした。そして、今後どれだけ不良債権が膨らむのか、そして国はどんな対応をしてくるのかが全く読めない状態だったので、国内金融機関というか、その経営陣はこのディールにかなり消極的でした。
さらに、旧長銀の財務内容の開示に、国がいまいち消極的というか、国として初めてのディールだったためか、官僚たちはとにかく情報を開示しない。
このディールのポイントは、すべては保有している貸出債権の中身だったので、これがきちんと開示されれば、あとはリスクの考え方&国の追加投入の内容のバランスだけだったのですが、これがなかなか開示されない。
なので、買主もなかなか意思決定できない。国の対応が悪いので、「このディールに付き合ってられない」と、ちょっと嫌気も指してきた感じになりつつのところ、水面下で大蔵省のキーパーソンと交渉していたのか、いつの間にか、リップルウッドに内定という噂が。
で、いつの間にか、どうやら決定との情報。
最初は、「これだけ中身がよく見えないで、よく買取の意思決定を下したな」という驚きでしたが、実は悪名高き「瑕疵担保条項」が加えられていた。
これを知ったのは、リップルに譲渡決定という情報のしばらく後で、「そんなのありかい?」です、本当に。リップルが交渉上手だったのかな?
大蔵省も、旧長銀の貸出債権の中身はパンドラの箱たっだので、その時点で明らかにしたくなかったという事情をうまく突いた、リップルのナイスな提案と思います。
それでも、ひどい話と思う。長期ビジョンの欠落した官僚による叩き売り。
何も知らない国民。(いったい、今回の上場の背景を何人が知っているのか? 私の大学時代の友人は読売の経済面担当だが、彼さえほとんど知らない、というか忘れているのか、笑)
高笑いするのは、その仕組みをうまく知って、うまくハンドリングするズル賢い一部の人たち。
今回のリップルは、その仕掛けが大きかった。
いまだに忘れられません、1999年のあの時。
旧長銀が国有化され、そして公的資金を突っ込んで顕在化している不良債権をクリアにし、最後はリップルウッド系に10億円で譲渡(その後、リップルによって1200億円の増資)。
不良債権処理や資本増強等で公的資金4兆円を突っ込み、さらに瑕疵担保条項で1兆円弱の負担。
ここまでやって、今回新生銀行は、というか、リップルウッドは普通株30%売出で、2300億円市場から資金調達。
追加投資はしていないので、既に1000億以上のキャピタルゲイン。さらに含みで、9000億円。
これで、ええんかい? 本当に。
現経営陣がこの4年の功績は
・不良債権の積極顕在化 → 買戻し請求
これに尽きます。もちろん、
・リテールの新しいマーケティング
・金融アレンジ等のフィービジネスの強化
等もやっていますが、全体の収益から見ればゴミみたいなもんです。現在の業務収益の半分以上は旧長銀時代の優良貸出債権による利息収入。
夕刊フジ的に、過激に言ってしまえば、
「税金を5兆円(厳密に言えばあと2兆円プラス)投入して、税金を払っていない外国人に1兆円、かなりのローリスクで儲けさせた」
いや、そのまんまです。
もう、時効ですから書きますが、当時、私はリップルとは、別の買収先のチームに所属しておりました。 あの当時は、どの都市銀行もあまりの不良債権の額に、心理的に相当保守的というか、余裕がない状態でした。そして、今後どれだけ不良債権が膨らむのか、そして国はどんな対応をしてくるのかが全く読めない状態だったので、国内金融機関というか、その経営陣はこのディールにかなり消極的でした。
さらに、旧長銀の財務内容の開示に、国がいまいち消極的というか、国として初めてのディールだったためか、官僚たちはとにかく情報を開示しない。
このディールのポイントは、すべては保有している貸出債権の中身だったので、これがきちんと開示されれば、あとはリスクの考え方&国の追加投入の内容のバランスだけだったのですが、これがなかなか開示されない。
なので、買主もなかなか意思決定できない。国の対応が悪いので、「このディールに付き合ってられない」と、ちょっと嫌気も指してきた感じになりつつのところ、水面下で大蔵省のキーパーソンと交渉していたのか、いつの間にか、リップルウッドに内定という噂が。
で、いつの間にか、どうやら決定との情報。
最初は、「これだけ中身がよく見えないで、よく買取の意思決定を下したな」という驚きでしたが、実は悪名高き「瑕疵担保条項」が加えられていた。
これを知ったのは、リップルに譲渡決定という情報のしばらく後で、「そんなのありかい?」です、本当に。リップルが交渉上手だったのかな?
大蔵省も、旧長銀の貸出債権の中身はパンドラの箱たっだので、その時点で明らかにしたくなかったという事情をうまく突いた、リップルのナイスな提案と思います。
それでも、ひどい話と思う。長期ビジョンの欠落した官僚による叩き売り。
何も知らない国民。(いったい、今回の上場の背景を何人が知っているのか? 私の大学時代の友人は読売の経済面担当だが、彼さえほとんど知らない、というか忘れているのか、笑)
高笑いするのは、その仕組みをうまく知って、うまくハンドリングするズル賢い一部の人たち。
今回のリップルは、その仕掛けが大きかった。
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1. 新生銀行上場の裏話 [ Number7110 ] February 19, 2004 15:37
本日、新生銀行(旧長銀)の上場日であります。
1月9日に■新生銀、来月に再上場−リップルぼろ儲けなんて記事を書いたのですが、unique_critiqueさんがそんな新生銀行買収の裏話を書いてくれてます。
新生銀行再上場、リップルウッドは高笑い、日本国民は無知のバカ
2. リップルウッド、三菱、新生銀行 [ Webビジネスコンサルタントのネタ帳 ] May 13, 2004 12:55
<三菱自>米リップルウッドが出資の可能性も (Yahoo ニュース 毎日新聞 より 2004/5) だそうで(タイヤ脱落事件の三菱ふそうではなく三菱自動車)。ちなみに過去には 新生銀行再上場、リップルウッドは高笑い (unique_critique 2004/2) なんて話もあったりする。 「ハゲ
3. 日本の05年成長率は1.5% OECD予測 朝日新聞 [ s blog ] May 26, 2005 13:01
経済協力開発機構(OECD)は24日、加盟国の経済見通しを発表した。日本の05年の実質経済成長率は1.5%、06年は1.7%と予測。
4. 日本銀行 [ マネーライフ徹底研究 ] November 05, 2005 17:42
本文は「日本銀行」に関するニュース、ブログを紹介しています。
5. 新生銀行 [ マネーライフ徹底研究 ] November 05, 2005 18:11
本文は「新生銀行」に関するニュース、ブログを紹介しています。
この記事へのコメント
1. Posted by かるかん
December 22, 2005 17:16
本当に感心しちゃいますよ。
日本人は金融とかに関しては、外国にやられたい放題ですよねぇ。