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株式会社新生銀行

掲載日: 2003 年 8 月 1 日
Microsoft® SharePoint™ Portal Server 2001 を導入し、
コールセンター専用ポータルを構築
お客様を 3 秒以上待たせない迅速かつ正確な対応を目指す

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ソリューション概要

プロファイル
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株式会社新生銀行 leave-msは、旧日本長期信用銀行の経営を引き継ぎ、初めて外資を株主とした銀行として、新しい経営体制の下に 2000 年 3 月に再スタートを切りました。同年 6 月には現在の行名に変更。リテール (個人金融) 業務、投資銀行業務の 2 つを重点分野にして、金融債発行や事業法人向け融資などに限定されていた業務内容を拡大しています。

シナリオ
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コールセンター専用ポータル構築
グループウェア

ソフトウェアとサービス
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Microsoft SharePoint Portal Server 2001
Microsoft Consulting Services (MCS)

メリット
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SharePoint Portal Server 2001 を核としたコールセンター専用ポータルを構築し、そこにエージェントが必要とするすべての情報を集約しました。これにより、お客様からの問い合わせに対して 3 秒以内で情報サーチするというスピーディな対応を可能にし、顧客満足度を大幅に向上させています。

ユーザーコメント
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「SharePoint Portal Server 2001 の導入によって、エージェントがお客様に回答するまでの時間を大幅に短縮することができました。より早く、より正確に、より丁寧に、エージェントが対応できるようになったことが、お客様へのサービス向上に直結していると思います」

株式会社新生銀行
システム企画部 部長
大川信之氏談



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株式会社新生銀行

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基幹業務システムの Microsoft Windows® ベース化や電話システムのフル IP 化など、次々と先進的なシステムを導入し、金融業界に新風を巻き起こし続ける株式会社新生銀行 (以下、新生銀行)。コールセンター業務においても 「3 秒以内の情報サーチ」 を目指し、必要な情報にスピーディにアクセスができる専用ポータルを構築しました。そのシステムを支えているのが SharePoint Portal Server 2001 です。

<導入の背景とねらい>
画期的な新サービスを支えるコールセンター業務の生産性向上を目指し
文書電子化から業務ポータルへの進化を果たす


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株式会社新生銀行
システム企画部
部長
大川信之氏

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2000 年 3 月に新しい経営体制でスタートした新生銀行は、世界中の先進的な技術やノウハウを積極的に取り込む新しいビジネスモデルを志向し、リテール業務と投資銀行業務という 2 つの戦略分野に注力してきました。特に、本格的に参入したリテール分野では、徹底したお客様本位の姿勢を打ち出し、誰もが、いつでも、どこでも便利に使える金融サービスの実現を目指し、円預金、外貨預金、債券、投資信託などを 1 つの口座で取り引きできる画期的な総合口座 “PowerFlex” を開発しました。

“PowerFlex” は、ネット振込手数料無料、24 時間 365 日取り引き可能といった魅力的なサービスを実現すると同時に、本支店、郵便局、都市銀行など全国約 60,000 台の ATM と、電話 (新生パワーコール)、インターネット (新生パワーダイレクト) という 3 つのチャネルで同様のサービスが利用できる利便性でお客様の高い評価を受け、2001 年 6 月の発売から 2 年あまりで 37 万口座の新規口座を獲得、預かり資産も 1 兆 4,800 億円を突破しています。

この商品の特徴でもある 3 つのチャネルの 1 つ、コールセンター業務を支えているのが、SharePoint Portal Server 2001 を核としたポータルシステムです。SharePoint Portal Server 2001 がカットオーバーされたのは、2003 年 4 月になってからのこと。ここに至るまでには、紆余曲折がありました。

当初のコールセンターは、まだ書類の電子化が進んでおらず、エージェントのデスクの上には、商品やサービスに関する何十種類もの紙文書が積み上げられている状態でした。お客様からの問い合わせを受けたエージェントは、膨大な紙文書の中から必要な情報を取捨選択し回答していましたが、どの書類の何ページ目に必要な情報があるかを熟知しないと迅速な対応ができないなどの問題があり、顧客満足度を高めるうえで大きな障害となっていました。

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株式会社新生銀行
システム企画部
伊藤真理氏

この問題を解決すべく、2002 年の 6 月には書類を電子化して情報共有を実現するグループウェアが導入されました。これによりエージェントのデスクから紙文書は激減し、ドキュメントの共有環境が整備されました。しかし、グループウェアが当たり前に利用されるようになってくると、現場のエージェントから IT 部門に要望の声が寄せられるようになりました。

最大の課題は、“情報検索を 3 秒以内に行う” という目標をクリアできなかったことです。そのグループウェアは、ビューの階層が深いため、いくつもの画面を表示しないと目的の文書にたどり着けなかったのです。さらに、重い文書ファイルだと表示に 10 秒以上かかることや、検索機能が弱いといった問題もあり、早急の改善が必要となりました」 (新生銀行 システム企画部 伊藤真理氏)

解決策として検討されたのは、既存グループウェアのバージョンアップか、SharePoint Portal Server 2001 の新規導入かという 2 つの選択肢でした。それぞれのシステムをテスト環境で稼動させ検討を重ねた結果、新生銀行が選択したのは、既存システムを完全にリプレイスし、SharePoint Portal Server 2001 で新しいコールセンター専用ポータルを構築するソリューションでした。

<導入システムの紹介>
24 時間 365 日ノンストップのサービスを支えるのは
冗長構成で 2 台の SharePoint Portal Server 2001


導入にあたって重視したのは、いかに現場のエージェントに使いやすいポータルを構築できるかという点でした。IT 部門だけで要件定義をしたのでは、ユーザーオリエンテッドなポータルは作れないと考え、設計段階からユーザーであるコールセンターのスタッフを交え、新生銀行 IT 部門と Microsoft Consulting Services (MCS) のコンサルタントが膝を突き合わせて議論をしました。週 1 回行われるレビューには、必ずエージェントが参加し 「私はこんな画面を使いたい」 と絵でプレゼンテーションしてもらい、それに対し MCS のコンサルタントが 「それなら Web パーツで実現できる」 とか 「それは個別のカスタマイズが必要で時間がかかるので、こうしたらどうか」 などと意見を交わし合い、誰もが納得のいく画面構築を目指しました。

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株式会社新生銀行
システム企画部
次長
平光純也氏

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「建設的な意見の交換が進められたおかげで、わずか 4 週間で誰もが納得のいくコールセンター専用ポータル画面を設計することができました。基本的には 8 枚のパネルで構成されるポータルなのですが、そのすべてが Web パーツの応用だけで構築できたので、全面的なシステム刷新だったにもかかわらず、低コスト、短期間でカットオーバーすることができました。もちろん、万が一のことを考え、いきなり新システムに全面移行するのではなく、しばらくは旧システムとの並行運用期間を設けました。SharePoint Portal Server 2001 は、システムへの負荷が小さかった並行運用の期間もまったく問題はありませんでした。既存システムからスムーズに移行できる点も大きなメリットだと思います」 (新生銀行 システム企画部 次長 平光純也氏)

システムは、メインの SharePoint Portal Server 2001 が冗長構成で 2 台、Active/Standby 状態で同期を取っており、障害時には瞬時に切り替わる設定とし、24 時間 365 日ノンストップのサービスを支えています。さらに、大災害など万が一の事態を想定して、遠隔地にバックアップ用データセンターがあり、そこにバックアップ用 SharePoint Portal Server 2001 が配備されています。バックアップ用サーバーには、夜間の時間帯を利用して WAN 越しにデータがレプリケートされる、万全のディザスタリカバリ体制を整えています。

システム構成図
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システム構成図 [拡大図]


PowerFlex
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PowerFlex leave-ms

<導入の結果と効果>
最短で目的のコンテンツにたどり着くようポータル画面の工夫を凝らし
“3 秒以内の情報サーチ” を容易に達成


ポータル画面は、エージェントの意見を最優先に採用した結果、スクロールせずに 1 画面で全内容が網羅され、最少クリックで目的のコンテンツに到達できる構成となっています。

基本画面は、以下の 8 パネルの上に各商品サイトへリンクするトップバーで構成されています。

●メニュー
業務連絡、キャンペーン情報、セミナーなどの大項目の下に、プルダウンで詳細メニューが表示されます。あらゆる情報に瞬時にリンクできるよう、詳細なカテゴリ分けがなされています。
●検索
すべてのコンテンツ (またはコンテンツソース) に対するフルテキスト検索やヒット率順表示など、インテリジェントな検索が可能でスピーディに目的の情報に到達できます。
●更新履歴
新しく提供された情報や更新情報が表示されるので、エージェントは最新情報を迅速にキャッチできます。
●ドキュメントのチェックイン/チェックアウト
アクセス権限に応じてドキュメントを登録、更新するときに便利な機能を提供します。
●ウィークリースケジュール
1 週間のイベントや連絡事項がひとめでわかるメイン画面です。
●詳細情報
ウィークリースケジュールに掲載されている内容の詳細を表示する画面です。
●カレンダー
カレンダーの日付をクリックするだけで、過去の情報や今後の予定などを瞬時に表示することができます。
●アクセスランキング
問い合わせ件数が多い内容トップ 10 を表示することで、頻繁に利用する情報へのアクセスを容易にしています。

このコールセンター専用ポータル画面を構築したことにより、新生銀行では目標に掲げていた “ 3秒以内の情報サーチ” を容易に達成し、生産性を大幅に向上させました。また、現状に満足することなく、より使いやすいポータルへ成長させるために、新生銀行では Live サーバーの他に、もう一台テストサーバーを用意して、ユーザー自身でポータルを成長させる試みにも取り組んでいます。

「毎日、画面と向き合うエージェントにしてみれば、ほんの小さな工夫 1 つで使い勝手が大きく変わるものです。たとえばメニューの色を少し明るくするとか、タイトルの付け方をちょっとわかりやすくするとか、そんな小さな工夫が生産性向上につながるのです。そして、こういった提案は現場の人間にしかできないもので、管理者がいくら頭を絞っても浮かんでくるものではありません。その問題を解決するために、われわれはコールセンタースタッフが管理者権限でアクセスできるテスト用サーバーを開放し、コーディングすることなく XML 定義で容易に手を加えられるポータル環境を提供することにしました。ここでエージェントから提案された内容は、担当者のチェックを受けて採用されれば、即座に Live サーバーに反映されます。こうして現場も管理者も全員で一丸となって、改善努力を続けることで、お客様へのサービスを少しでも向上させたいと考えています」 (平光氏)

また、お客様からよく受ける質問などを文書化し共有することで、より高いレベルの顧客対応を実現しています。ここで活躍しているのが SharePoint Portal Server 2001 の文書管理機能です。カテゴリ分けやチェックイン、チェックアウト機能を使うことで、情報の追加・更新が簡単に行え、常に最新情報が自由に取り出せるようになっています。

コールセンター専用ポータル
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コールセンター専用ポータル [拡大図]


<今後の展開>
コールセンターの成功を全社的に波及させるため
Web パーツを他部門へ応用することを検討中


「今回、コールセンター専用ポータルを再構築したことによって、コールセンター業務は明らかに対応力が強化され、電話口でお客様をお待たせする時間を短縮することができました。言い換えれば、SharePoint Portal Server 2001 の導入は、われわれが目指す顧客本位のサービスを実現可能にしてくれたのです。そういった意味では、コールセンターのポータルは大成功と言ってよいでしょう。今後は、今回作成した Web パーツを他部門に応用し、企業全体の生産性向上につながる企業ポータルへ拡充していきたいと考えています」 (新生銀行 システム企画部 部長 大川信之氏)

“すべてはお客様のために”。新生銀行のポリシーは実に明確です。今回のポータル再構築プロジェクトを見ても、旧来の発想で考えれば “肝入り” で導入したグループウェアを、たった半年で移行する決断は容易に下せるものではありません。減価償却が終わるまではなんとか活用したいと考えるのが、従来の発想でしょう。それをあえて客観的な判断基準で、新システムに入れ替えた新生銀行の決断力とスピードは、世界中を瞬時に情報が行き交い、市場の多様化が進む現代にあって、ビジネスを成功させる重要な経営リソースとなっていくのです。


本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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