会期:
2008年7月25日(金)〜 9月15日(月)
休館日:
2008年9月1日(月)、8日(月)
開館時間:
10:30〜19:30(最終入場は19:00まで)
入場料
大人 1,000円(900円)
高・大学生、シニア 700円(600円) ※シニアは60歳以上。
小・中学生 500円(400円)
※( )内は前売券料金。電子チケットぴあ(Pコード:688-102)やローソンチケット(Lコード:51606)で発売中。
「ミッフィー(うさこちゃん)」の生みの親で、数多くの名作絵本を生み出しているディック・ブルーナは、現代のオランダを代表する絵本作家であり、グラフィックデザイナーです。1997年に出版された『うさこちゃん びじゅつかんへいく』は、ミッフィーが家族と一緒に美術館を訪れる物語で、そこには、幼いこどもが初めて本物の美術作品に触れた驚きと感動が描かれています。本展では、この絵本の内容に沿って、さまざまな切り口からサントリーミュージアム [天保山]、高梁市の成羽町美術館の所蔵品を中心としたモダン・アートを約 30点紹介します。さらに、ブルーナの作品約 700点により、彼がどのように試行錯誤しながら独特の技法やスタイルを生み出したのか、制作の秘密に迫ります。
19世紀後半のマネや印象派に起源をもつモダン・アートは、20世紀に入ってから、実に多様な展開を見せます。このコーナーでは、はじめて美術館に足を踏み入れたミッフィーの視線で、「写実」「動き」「モチーフ」「筆触」「形」「色」「技法」といったキーワードに沿って、モダン・アートの優品を鑑賞します。一見難しいと思われる作品にも自然に親しむことができ、モダン・アートのさまざまな表現を楽しく理解することができます。
フェルナン・レジェ
《鳥のコンポジション》1951年
サントリーミュージアム [天保山 ]蔵
ディック・ブルーナの魅力は絵本だけではありません。すぐれたグラフィック・デザイナーとしても膨大な仕事を残しており、そのどれもが素晴らしい創意に満ちています。絵本の原画に加え、人気のキャラクターであるブラック・ベアのポスター、シャープな構成が印象深いブックデザイン、単純化された形態で訴える公共ポスターなどを展示し、ディック・ブルーナの全体像を紹介します。
〈ブラック・ベア〉を気持ちよく、
だらだら、寝ころんで、読む
1961年 ポスター
サントリーミュージアム [天保山 ]蔵
このコーナーでは、実際にディック・ブルーナが絵本を作るのと同じ方法で、絵に色をつける過程を体験します。もちろん自由な発想で制作してもかまいません。作ることの楽しみを味わいながら、ブルーナの創造の秘密に触れることができます。このほか、ギャラリー内にはブルーナの絵本を楽しめるコーナーも設置されます。また、ブルーナのキャラクターをあしらったグッズ類も充実しています。
ワークシートと材料
会場に一歩踏み出すと、ブルーナカラーで作られた展覧会ロゴがお出迎え。
5階では、ミッフィーがモダン・アートの楽しみ方を紹介しています。(アルフレッド・シスレー「森のはずれ、6月」 1884年 当館所蔵)
4階は、ブルーナ作品を展示。6色のブルーナカラーを使った鮮やかな原画やトレーシングペーパーを使った下絵など約700点もの作品があります。
<ブラック・ベア>シリーズももちろん展示。推理小説の文庫本シリーズは圧巻です。
会場内には、写真撮影やブルーナ作品をモチーフにしたワークシートで「いろがみワーク」などを体験できるコーナーなどもあります。
開放的な5階展望ギャラリーでは、ミッフィーの絵本やビデオを鑑賞できます。
4階ミュージアムショップのグッズも充実しています。お土産には迷ってしまいそうですね。
館内やギャラリー内のあちこちにミッフィーやその仲間たちが私たちを迎えてくれます。
担当学芸員の冨田章
ディック・ブルーナという作者の名前を知らなくても、かわいいうさぎのキャラクター、ミッフィー(うさこちゃん)のことを知らない人はいないでしょう。単純に見えるミッフィーですが、じつはブルーナは完成するまでに長い時間をかけ、1本の線を引くにも大変な神経を使っています。もともとグラフィック・アーティストとしてスタートしたブルーナは、モダン・アート(近現代美術)から大きな影響を受けました。ミッフィーの極限にまで単純化された表現は、モダン・アートが目指した表現の純粋性と無縁ではありません。その簡潔で純粋な線こそ、ミッフィーがたくさんの子どもたちに愛されてきた理由でしょう。 1997年に発表された『うさこちゃん びじゅつかんへいく』という絵本は、ミッフィーが両親といっしょに初めて美術館へ行くおはなし。ここでミッフィーは、さまざまなモダン・アートに触れ、美術館での1日を心から楽しみます。ここにはディック・ブルーナのモダン・アート体験が反映されているはずです。この絵本をてがかりにモダン・アートの楽しみ方をやさしく学んでしまおう、という本展は、同時にブルーナのモダン・アートの見方を追体験する試みでもあります。会場にはブルーナが描いた絵本の原画やポスター、ペーパーバックの装丁なども数多く展示されますから、ブルーナ作品に見られるモダン・アートの影響を検証するいい機会となります。ミッフィーやブルーナのファンのみならず、デザインやアートに関心のある方にもぜひご覧いただきたい展覧会です。
■日時:
8月10日(日)、8月17日(日)、8月24日(日)
各日 12:00 / 14:00 / 16:00 (30分程度)
■会場:
当館2階ロビー
■定員:
(各日)各回先着 30名
※このイベントは終了しました。
リポートはこちら
「水に絵の具を泳がせよう」
■講師:
川北 ゆう氏(アーティスト)
■日時:
8月3日(日) 13:30〜(約2時間)
■参加費:
1人 500円
■定員:
25名(小学生対象)
※このイベントは終了しました。
リポートはこちら
8月3日(日)、8月23日(土) 各日とも16:00〜16:30で実施。
当館学芸員が、ギャラリーにて展示作品の解説を行います。
(聴講無料・申込不要、定員40名。但し、展覧会入場券が必要です)